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賃貸中の物件を売却したいと思っても「入居者がいても売却できるのか」「一般的な不動産売却となにが違うのか」「オーナーチェンジ物件の売却方法は?」など気になることが多いのではないでしょうか。
たしかに、入居者がいる状況で売却する場合は、一般的な不動産売却とは方法や流れ、注意点が異なります。
この記事では、入居者がいる賃貸物件を売却する3つの方法を紹介します。さらに、メリット・デメリットや売却の流れについても解説しますので、賃貸中の物件を売却したい人はぜひ参考にしてください。
[監修者_水野] [AFF_不動産売却_三井のリハウス]賃貸中の物件を売却する3つの方法
入居者がいる状態で賃貸物件を売却する方法は、大きく分けて次の3つです。
・退去してもらってから物件売却
・現在の入居者に物件を売却
物件のオーナーチェンジ
立場 | メリット | デメリット |
売主 |
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買主 |
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オーナーチェンジとは、買主に物件の所有権と入居者との賃貸契約の地位を引き渡すことです。賃貸契約の地位は、入居者に使用を継続させる義務と家賃を受け取る権利などを指します。
今までは、入居者の了承を得なければオーナーチェンジできませんでしたが、2020年4月の法改正によって、入居者には事後通知すればよいという規定に変更されました。
売主にとっては、売却活動期間中も家賃収入を得られるのがメリットです。投資用物件を探している買主にとっては、購入時点での空き室リスクがないことがメリットといえます。
退去してもらってから物件売却
立場 | メリット | デメリット |
売主 |
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買主 |
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入居者に退去してもらうと投資用物件としてだけでなく、居住用物件を探している人のニーズにもマッチするということが大きなメリットです。
ただし、入居者に退去を求める交渉は難航することが少なくありません。立ち退き料の相場は家賃の6カ月分です。退去後の売り出し期間中は家賃収入もなくなるため、売却前の収支には注意する必要があります。
現在の入居者に物件を売却
立場 | メリット | デメリット |
売主 |
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買主 |
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入居者に売却できれば、内見対応の必要がないほか、立ち退き料やリフォーム費用を支払うこともありません。
また、個人間で売買の商談が成立すれば、不動産会社に仲介を依頼しなくてよいため仲介手数料が発生しないこともメリットです。入居者が住み続けることを希望し、購入意志を示す可能性が高ければ打診してみましょう。
不動産売却で後悔しない14の注意点!引き渡し後のトラブルも回避
賃貸中の物件を売却する基本の流れ
入居者がいる物件を売却する流れを、上記で紹介した3つの方法に分けて解説します。
物件のオーナーチェンジをする場合
2:複数の不動産会社に査定依頼する
3:査定額と内容を比較検討し、媒介契約する不動産会社を選ぶ
4:不動産会社と媒介契約を結ぶ
5:売り出し
6:買主候補と商談
7:売買契約を結ぶ
8:入居者へ事後通知
9:入金確認、物件引き渡し
10:翌年2~3月で確定申告
通常の不動産売却では不動産会社の訪問査定で最終的な査定額が決まりますが、オーナーチェンジ物件の場合は「収益還元法」で査定がおこなわれます。将来を含めて予測される利回りを基に査定額を計算する方法です。
不動産会社によって将来の利回り予想値が異なる可能性が高いため、複数社に査定依頼して比較検討しましょう。
なお、買主候補との商談時は現在の管理会社を引き継ぐかどうかも確認しておきましょう。
退去してもらってから物件を売却する場合
2:入居者に退去を依頼する(契約期間満了の6カ月~1年前)
3:入居者と立ち退き料や期間の交渉をする
4:入居者に退去してもらう
5:管理会社との契約を解除する
6:物件の資料(登記事項証明書・間取り図・管理規約など)を集める
7:簡易査定を依頼した不動産会社のなかから2~3社に絞り、訪問査定を依頼する
8:厳選した不動産会社と媒介契約を結ぶ
9:売り出し、買主候補の内見に対応
10:買主候補と商談
11:売買契約を結ぶ
12:入金確認、物件引き渡し
13:翌年2~3月で確定申告
入居者に退去してもらうためには、賃貸契約の期間満了(自動更新前)の6カ月~1年前に立ち退きの通知をおこなう必要があります。ただし、建物の老朽化や耐震性不足などの正当な理由がない限り、退去を強制できないため入居者との交渉には時間を割く余裕を持ちましょう。
退去してもらったあとは、査定に必要な資料を集めて複数の不動産会社に簡易査定を依頼します。簡易査定は物件情報から査定する方法です。その査定額と内容を比較し、訪問査定を依頼する会社を絞り込みます。絞り込む理由は、不動産会社の内見に対応する時間と手間がかかるからです。
現在の入居者に売却する場合
2:入居者が購入意思を示したら商談する
3:双方が合意した内容で売買契約書を作成する
4:売買契約を結ぶ
5:入金確認、物件引き渡し、管理会社との契約解除
入居者に売却意思を伝えるときは、購入してもらうことを迫らないよう気を付けましょう。入居者自ら購入意志を示すかどうかが大切です。入居者が購入意思を示さず、退去を強制されることを懸念しているときは、オーナーチェンジという方法があると説明すれば、トラブルを避けられます。
入居者との商談がまとまれば、売買契約に進みましょう。契約書の作成や登記手続きなどは司法書士に依頼することをおすすめします。契約書に不備があると無効になったり、買主の住宅ローン手続きに支障が出る可能性もあります。
また、入居者との交渉が難航しそうなときは、サポートとして不動産会社に仲介を依頼しましょう。仲介手数料がかかりますが、取引をスムーズに進めやすくなります。
賃貸中の物件売却で失敗しないポイント
不動産売却の失敗を分類すると、主に次の3つがあります。
・売却希望期間内で売れない
・経費・税金の支出を考慮していない
これらの失敗を回避するためのポイントを解説します。
最新の物件の相場を調査
まずは本当に売却するかどうかを見極めるために、物件の相場を調査しましょう。相場調査の方法には次のような選択肢があります。
・物件の住所・建物名で大体の査定額が出せるAI査定
・不動産ポータルサイトで売り出し中の近隣物件の価格を調べる
より正確な価格を知りたいときは、複数の不動産会社に無料で査定依頼できる一括査定サイトがおすすめです。入居者がいる状態でも、通常の売却方法の簡易査定あるいは投資用物件として売却相場を算出してくれます。一括査定サイトはHOME 4Uがおすすめです。
ただし、不動産会社の査定は営業活動の一環なので、その後営業の連絡が来ることが少なくありません。売却時期のめどが立っていない場合は、AI査定やポータルサイトで目安となる金額を調べてみましょう。
不動産一括査定サイトを利用するメリット・デメリットを解説|おすすめサイト・評判も紹介
物件売却を依頼する不動産会社を厳選
査定を依頼した不動産会社のなかから、仲介を依頼する会社を厳選します。厳選するときのポイントは次の通りです。
・査定額に明確な根拠がある(しっかり説明できる)
・投資用物件・居住用物件のどちらが得意か
・売却したい物件のエリアで実績が多数あるか
・担当者が信頼できる人柄か
・連絡が迅速かつ丁寧か
市場価格より大幅に高い査定額を提示されたときは注意が必要です。媒介契約を獲得するために、実際には売れない高額査定を提示している可能性が高いからです。
また、不動産会社によって得意不得意があるため、自分が売却したい物件の諸条件が不動産会社の得意分野と合致しているかを確認しましょう。
担当者との相性も重要なポイントです。疑問や不安を打ち明けやすく、丁寧に応えてくれる担当者を選びましょう。手続きをスムーズに進めやすくなり、売却期間を超過するリスクを軽減できます。
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敷金や賃料は過不足なく精算
オーナーチェンジの場合は、敷金と礼金の精算に注意が必要です。
・賃料:物件引き渡し時までの日割り計算で、売主と買主の双方が受け取る
敷金は入居者が退去するときの原状回復費用として支出しなかった分を返す必要があるため、買主にわたす必要があります。
賃料はオーナーチェンジする日を境とした日割り計算で精算します。たとえば、1カ月を30日としてオーナーチェンジした日が10日だった場合、10日分を売主が受け取り、20日分を買主が受け取ります。
最新の法律で適用できる控除・特例があるか探す
投資用物件の売却で適用できる特例として「特定事業用資産の買換え特例」が挙げられます。譲渡利益(売却で得た利益)の80%の金額に対する課税を、将来に繰り延べられるというものです。適用条件は次の通りです。
・売却する物件の所有期間が10年を超えている
・売却した年の前年〜翌年の間に、新たな事業用物件を購入する
・新たに購入した物件を1年以内に事業用として使用する
なお、現状では事業用物件で適用できる控除や特例の種類が少ないものの、法律や制度が新設される可能性があるため、最新情報を確認することが大切です。自分で調べるのが難しいときは司法書士や税理士などの専門家、あるいは役所に相談してみましょう。
高額で売却しやすい方法を選択
紹介した3つの方法のなかで、高額で売却しやすい方法を選択しましょう。そのために、次の方法で売却額の目安を把握しておくことをおすすめします。
・入居者に退去してもらうことを想定し、物件情報による簡易査定をしてもらう
・入居者に売却意思を伝え、いくらなら購入する気があるかを聞いてみる
なお、売却額以外で判断するときの参考として、各方法におすすめのケースを次の表で紹介します。
売却方法 | 向いているケース |
オーナーチェンジ |
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退去後の売却 |
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入居者へ売却 |
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賃貸中の物件を売却する4つの注意点
最後に、賃貸中の物件を売却するときに注意すべきポイントを4つ解説します。
売却を理由に入居者の強制退去はできない
借地借家法第六条では、「正当の事由があると認められる場合でなければ」賃貸契約の更新請求を拒否できないことが示されています。つまり、契約期間満了であっても、正当事由がなければ強制退去はできないということです。正当の事由には次のようなことが挙げられます。
・都市の再開発事業の該当エリアにある
・建物の老朽化・耐震性不足で危険がある
・家賃の滞納がある(失業や病気などの事情があれば例外とされるケースもある)
・入居者が騒音や悪臭などのトラブルを発生させている証拠がある
・他人を無許可で住まわせるなど、入居者に賃貸借契約違反がある
なお、上記のような正当の事由であっても、入居者に問題がなければ立ち退き料の支払いは生じます。立ち退き料で合意ができなければ裁判に至ることもあるので、丁寧に交渉しましょう。
引き渡し前に責任の範囲を確定
オーナーチェンジ物件では売主も買主も室内の様子を把握できないため、修繕が必要な状況にある設備の有無などがわかりません。そのため、物件の引き渡し直後に設備故障が生じると、売主と買主のどちらが修理費を支払うかで揉める恐れがあります。
売買契約時に「付帯設備表」などを作成し、売主が保証する範囲と期間を決めましょう。
なお、退去してもらってから売却する方法や入居者に売却する方法であっても、契約時に確認していた条件とは異なること(欠陥など)があれば、契約不適合責任が問われます。責任を負う期間は任意ですが、原則として不適合を知ったときから1年間です。
不動産会社による買取は仲介より安い
売却するもう1つの方法として、不動産会社による買取があります。売り出し期間を必要としないため、現金化がもっとも早い方法です。
ただし、不動産会社としては購入した物件の賃料や転売で利益を得ることが目的なので、市場価格より1~2割ほど安い金額が提示される傾向にあります。
本当に売却してよいのか中長期で検討
賃貸中の物件を売却すると家賃収入を得られなくなります。中長期で考えたとき、今売却することが損なのか得なのかを慎重に検討しましょう。今売るべきではないケースとして、以下が挙げられます。
・現在の入居者が退去すれば、家賃を上げられる状況(需要の高いエリア)
・同じマンション内で売り出し中の物件(ライバル)がある
・活用したい特例の適用条件となる所有期間に達していない
・マンションの大規模修繕が間近(値引き交渉をされがち)
・ローンの返済が終われば収益アップを狙える
売却すべきかどうかは、市場全体の景気やローンの利率などによっても左右されるため、判断しきれないこともあるでしょう。迷ったときは、不動産会社や不動産に詳しいファイナンシャルプランナー、税理士などに相談してアドバイスを得るのがおすすめです。
まとめ
賃貸中の物件を売却する方法として、オーナーチェンジ・退去してもらって売却・入居者に売却の3つが挙げられます。それぞれにメリット・デメリットがあるため、売却目的に沿った方法を選びましょう。
ただし、最終的にどの方法を選ぶにしても、まずは査定依頼することをおすすめします。オーナーチェンジの投資用物件として売却するパターンと、居住用としても購入できる通常売却のパターンで査定額を提示してもらえれば、比較検討できるからです。
査定依頼する不動産会社を見つけるのが難しい場合は、一括査定サイトを活用しましょう。
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