【医師監修】男性に多い脱毛症の種類について解説

【医師監修】男性に多い脱毛症の種類について解説

男性の中には薄毛治療に興味のある人も多いでしょう。「AGA」という病名も広く知られるようになってきていますが、脱毛症の種類は一つではありません。そこで今回は、男性に多い脱毛症を種類別に解説します。

この記事の監修者
中澤佑介先生
中澤 佑介先生

なかざわ腎泌尿器科クリニック 院長

資格
金沢医科大学 医学博士、日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医、緩和ケア研修修了医
身体障害者福祉法指定医、難病指定医
患者さんに近い立場で専門的医療を提供したいという想いから、泌尿器科クリニック(泌尿器科/内科)を開院。2023年5月 金沢駅前にメンズヘルスクリニックを開院予定。

所属学会
日本泌尿器科学会日本尿路結石症学会評議員 、日本排尿機能学会、日本泌尿器内視鏡学会日本癌治療学会性感染症学会日本Mens Health医学会日本オフィスウロロジー医会

男性に多い脱毛症の種類

男性に多い脱毛症として、ここでは「AGA」、「円形脱毛症」、「その他」の3つに分けて説明していきます。

AGA(Androgenetic Alopecia)

AGAとは、「男性ホルモン型脱毛症(男性型脱毛症)」のことを指します。毛髪には「毛周期(もうしゅうき)」と呼ばれるヘアサイクルがあり、成長期、退行期、休止期を経て新しい毛髪が生えてくるしくみになっています。

AGAになると、毛髪が成長する成長期が短くなります。また、毛髪が抜けてから新しい毛髪が生えてくるまでの休止期が長くなるため、結果として薄毛になってしまうのです。とくに前頭部や頭頂部など目立つ部分に脱毛が生じるため、生活の質(QOL=Quality of Life)の低下につながりやすくなります。

発症には男性ホルモンの「DHT(ジヒドロテストステロン)」が関係していて、これが増えることで毛周期が乱れて毛髪が抜けやすくなります。また、遺伝的要因やストレスによる頭皮環境の悪化も、AGAの発症に影響を与えると考えられています。

AGAは20代後半から増え始め、年代が上がるにつれて発症頻度が高くなります。進行性のため完全に治すことはできませんが、生活習慣の改善や薬物療法によって進行を遅らせることはできます

円形脱毛症

円形脱毛症とは、その名の通り円形(もしくは楕円形)に毛髪が抜けてしまうものです。脱毛範囲(脱毛斑)は1円玉くらいの小さなものから、頭部全体に広がるものまでさまざまです。また、1か所だけの場合もありますが、脱毛斑が複数個できる場合もあります。

円形脱毛症はストレスが原因というイメージがありますが、近年、自己免疫疾患との関連が指摘されています。自己免疫疾患とは、何らかの理由で身体の免疫機能が過剰に働き、自分の身体の組織を攻撃してしまう病気で、円形脱毛症の場合は免疫細胞のTリンパ球が毛根を攻撃することで起こると考えられています。その他、アトピー体質や精神的なストレス、遺伝的要因が影響して発症することもあります。

なお、円形脱毛症の発症には性差はなく、男性にも女性にも見られます

その他

他に生活習慣や日ごろの頭髪ケアが影響して脱毛が起こる場合があります。

たとえば、皮脂量が増えて頭皮がべたついたり湿っぽいフケが発生したりする「脂漏性(しろうせい)脱毛症」や、髪の洗いすぎや合わないスタイリング剤などが原因で乾いたフケが発生する「肥厚性(ひこうせい)脱毛症」などが挙げられます。

どちらも放っておくと毛髪が抜け落ちてしまうことがあるため、適切なケアが必要です。

「脱毛症かな」と思ったらクリニックに相談を

「脱毛症かな」と思ったらクリニックに相談を

今回は男性に多い脱毛症の種類をご紹介しました。

男性の脱毛症の多くはAGAによるものと考えられていますが、実際に自分がどのタイプの脱毛症なのかは専門医でなければ判断できません。また、髪に良かれと思って取り入れている習慣が、実は悪化を招く要因だった、という可能性もあります。

適切にケアするためにも、脱毛やフケ、頭皮のかゆみなどの症状に悩んでいる人は、医療機関に相談してみることをおすすめします。

この記事の著者
駅探PICKS編集部
駅探PICKS編集部
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