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レインズは個人で閲覧できる?レインズの概要と利用するメリット

レインズは個人で閲覧できる?レインズの概要と利用するメリット

不動産取引は数百万円から数千万円単位、場合によっては億単位のお金が動きます。高額な取引だからこそ失敗したくないと多くの人が思うでしょう。そして「できれば少しでも高く売却したい」と考えるはすです。不動産取引を成功させるために大切なのは情報です。的確な情報をつかんで、行動することが成功につながります。

そこで活用したいのが「レインズ」です。不動産のネットワークであるレインズを有効活用できれば、不動産売却の成功に一歩近づくでしょう。しかし、レインズは一般にはあまり知られていません。それだけ世間の認知度も低いのが現実です。

この記事では、レインズを知らないという人に向けてレインズとは?といった基礎から説明します。また、レインズの利用方法や仕組みも解説するので、ぜひ参考にしていただき理想の金額と形で不動産売却を成功させましょう。

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レインズは個人が閲覧できるのか?

レインズを個人が利用して物件情報を閲覧できるのでしょうか。ここではレインズについて最も基本的な点を説明します。

依頼した不動産の情報のみ閲覧できる

レインズは不動産会社を対象としたサイトです。指定流通機構に会員登録している不動産会社のみが利用できます。

また、不動産業者専用の不動産情報サイトであるため、原則的には個人がレインズを閲覧することはできません。ただし、条件付きで個人の利用も可能です。ここでいう条件とは、仲介を依頼した物件に関する情報のみ、不動産会社を通して閲覧できるということです。

不動産会社でも登録していないと閲覧できない

不動産会社だからといって、無条件でレインズを利用できるわけではありません。レインズの利用にはかなり制限があります。一見、誰でも自由に閲覧できるシステムのほうが不動産取引の活性化につながるようにも思えます。

しかし、利用が限定的なことには理由があります。それは個人情報保護のためです。レインズには、過去の不動産取引データが全て登録されているため、不動産の売却価格や売り手と買い手の住所などプライバシーに関わる情報をすべて把握できるのです。誰でも自由に閲覧できると情報が悪用される恐れもあり、そのため利用が限定的となっています。

しかし、個人がレインズ上の情報を検索するための方法も存在します。以下ではレインズの登録情報を閲覧できるサイトを3つ紹介します。

①レインズマーケットインフォメーション

※画像出典元:レインズマーケットインフォメーション公式HP

レインズという名前を冠している通り、レインズの登録情報を検索できます。特徴は実際の取引状況が分かることと、成約情報も閲覧できることです。建物別、都道府県別に検索できるので利便性も高く、売買の相場を掴むのには最適でしょう。周辺不動産の成約情報も含めて調べるとさらに高い精度で利用できます。

②不動産ジャパン

※画像出典元:不動産ジャパン公式HP

不動産流通4団体から提供される不動産情報が登録されています。この4団体には国内の事業者の約9割が加盟しており、実質的にレインズと同じレベルの不動産情報を閲覧できます。

③土地情報総合システム

※画像出典元:土地情報総合システム公式HP

国土交通省が直接運営するサイトです。不動産取引の透明化を目指して作られました。適正価格の表示に力を入れていて、最新の不動産価格がわかります。他に、地価公示や都道府県地価調査の結果も確認可能です。

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そもそもレインズとは

ここではレインズとは何か?といった基本知識を解説します。

不動産流通機構会員専用のネットワークシステム

レインズとは、REINSという表記で「Real Estate Information Network System」の頭文字をとったものです。正式には不動産物件情報のネットワークシステム(不動産流通標準情報システム)を意味します。

運営元は不動産流通機構です。1988年の宅地建物取引業法の改正により設立されました。公益財団法人で、国土交通大臣による認可事業です。

レインズの目的は不動産物件情報の円滑な流通にあります。不動産取引の場合、高額取引なだけに取引相手を見つけることが困難です。そのため、不動産会社であってもピンポイントで買い手を見つけるのは厳しいといえます。

レインズを利用すれば、取引ネットワークが大幅に広がります。物件情報が1つのサイトに集約され、買い手を探している不動産会社とのマッチングが可能です。サイトを介して最適な取引相手が迅速に見つかることを目指して、不動産会社は物件情報を共有しています。

物件売却を希望する場合、不動産会社を通じて不動産情報をレインズに登録します。購入希望者は不動産会社を通じて物件情報を検索して両者のマッチングが行われる仕組みです。

レインズは全国に4種類ある

現行のシステムでは全国に4種類のレインズがあります。この4つに全国の不動産会社の約90%が加入しています。エリアの区分は東日本・中部圏・近畿圏・西日本です。これらを各々の運営団体が統括します。各運営団体の対象エリアは以下の通りです.

レインズの種類対象エリア
東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)

北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県

富山県・石川県・福井県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県

中部不動産流通機構(通称:中部レインズ)富山県・石川県・福井県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県
近畿不動産流通機構(通称:近畿レインズ)滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県
西日本不動産流通機構(通称:西日本レインズ)鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県

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レインズに登録して不動産売却に活用するメリット

レインズにはどのようなメリットがあるでしょうか。ここでは以下の2点を説明します。

買い手が見つけやすくなる

レインズに登録された物件情報は公開され、事業者間で情報共有されます。このため、契約をした不動産業者以外の事業者も物件情報を閲覧します。結果的に不動産業者の目に触れる機会が大幅に増加するのです。

レインズでは売主によるオリジナルの間取り図を掲載できます。一般の広告媒体では間取り図の記載が決まっており、テンプレートに従った画一的な内容になってしまいます。売主が作成した間取り図を登録でき、成約へ向けてのアピールとなるため、物件の情報発信力が強くなり、売却活動がしやすくなるでしょう。

また、適正価格での売却も期待できます。不当に安く買い叩かれる危険性が低いのもレインズの特徴です。

レインズには日本中の不動産業者が登録しています。登録業者が多いため、売却価格も適正時価に落ち着くことが多いです。

個別の不動産業者から買い手を探す場合、価格をめぐるトラブルが発生するケースもあり、例えば、売出価格を決める際に時価よりもかなり安く設定されてしまったり、設定価格が適正かどうか判断できないという可能性もあります。

また、不動産会社による囲い込みを防ぐ目的もあります。これは、不動産会社が売却情報を他に出さず、自社だけに情報をとどめ、両手取引を狙うという動きです。

両手取引とは、ひとつの不動産会社で売出物件の売り手と買い手を両方見つけて、双方から手数料を得る取引のことをいいます。

売却情報が公開されると自社で買い手を見つける前に、既に買い手を見つけている他社が売却情報をもとに成約させてしまうからです。レインズに登録すれば必ず物件情報が共有されるので、囲い込みのリスクは低くなるため安心です。

不動産の過去の取引を確認できる

不動産取引では過去の取引情報も重要です。なぜなら、周辺物件の成約価格から売却時の相場が分かるからです。レインズには日々、不動産の取引データが蓄積されていきます。登録物件が成約した場合、売買契約の成立日や売却価格、仲介した不動産会社が記録されるのです。これらの情報は、取引情報一覧として表示されます。

レインズを利用すれば、成約事例をピックアップして確認できます。ただし、個人情報保護のため、物件の番地までは特定できません。不動産取引にはプライバシーへの配慮も重要で、レインズでは個別事例への配慮もなされています。レインズの情報を閲覧すれば、該当地域ではどのような条件でどのくらいの相場になるかを把握できるため、レインズは売却相場の調査にも活用できます。

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レインズを活用する際の注意点

レインズを使う際に注意すべき点があります。以下に2つの注意点をまとめましたので、レインズを活用する際の参考にしてください。

不動産会社と媒介契約を結ばなくてはいけない

レインズを利用するためには、不動産会社と媒介契約を結ばなくてはなりません。

例えば、個人が不動産を売却する時、通常は自分の力で買い手を見つけるのは難しく、不動産会社に依頼します。このとき、売り手と不動産会社との間に締結されるのが媒介契約です。売主と買主との媒介(仲介)する契約を表します。

媒介契約では、実際に成約するまで手数料の支払いは生じません。支払いが必要になるのは、売買契約を成立させた場合の成功報酬のみです。これは、仲介手数料として宅地建物取引業法上規定されています。

次に、不動産売却を検討し始めてからレインズに登録するまでの流れはどのようなものか解説します。

  1. 所有者が物件の売却を検討
  2. 不動産会社に売却を相談、査定の実施
  3. 査定結果の通知と、根拠の説明
  4. 専属専任媒介契約または専任媒介契約の締結
  5. レインズへの登録

以上がレインズ登録までの流れです。登録が完了すると登録証明書が発行されます。

媒介契約の種類によっては登録してもらえない

媒介契約は3つの契約類型に分かれており、各々で不動産会社の対応も異なります。これは契約に規定される不動産会社の義務が異なるためです。特に注意が必要なのは、一般媒介契約ではレインズへの登録が任意だということです。法律上の強制力がないため、登録するかしないかは不動産会社次第となります。

レインズに登録しないと流通面では非常に不利です。物件情報が公開されず、依頼した不動産会社のネットワークに頼るしかありません。不動産売買の成否は情報量と言っても過言ではなく、買い手を探す方策はひとつでも多いほうがよいでしょう。

もちろん、不動産会社自身が拡散力のある自社メディアを持っているかもしれません。また、以前であれば地域に精通した営業マンの手腕に頼ることも有効でした。しかし、全国規模のネットワークであるレインズには及ばないでしょう。不動産売却ではレインズの力を活用することが望まれます。

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媒介契約の種類とレインズへの登録義務

媒介契約には3種類があり、専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約です。これらの契約は内容が異なります。例えば、レインズへの登録が法律で義務付けられているのは専任媒介契約と専属専任媒介契約の2つです。

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約とは、仲介依頼する不動産会社を1社に絞って取引を行う契約類型です。不動産所有者は不動産会社から1週間に1度、売却活動の報告を受けられます。レインズへの登録は、契約締結後5営業日以内に行わなければなりません。なお、売主が自分で買主を見つけて契約すると違約金が生じます。

専属専任媒介契約に向いているのは、売却するうえでセールスポイントに乏しい物件です。理由は、専属専任媒介契約の場合、所有者への報告義務が1週間と短く、積極的な売却活動が求められるからです。不人気物件ほど、専任媒介契約を結んで積極的に売却活動を行うことをおすすめします。

専任媒介契約

専任媒介契約とは、仲介依頼する不動産会社を1社に絞って取引を行います。不動産所有者は不動産会社から2週間に1度、売却活動の報告を受けられます。レインズへの登録は、契約締結後7営業日以内に行わなければなりません。

なお、売主が自分で買主を見つけて契約しても違約金が生じません。専属専任媒介契約との違いは、所有者自らが購入希望者を探せる点です。

専任媒介契約は、専属専任媒介契約に比べるとレインズへの登録期間が短かったり、所有者への報告義務が少ないことがあり、売却活動も消極的になりがちです。ただし、1社との専属契約でありながら、所有者自ら購入希望者を探せることもあります。この点で、専任媒介契約は専属専任媒介契約と一般媒介契約の中間的な契約といえます。

一般媒介契約

一般媒介契約は、複数の会社に売却活動を委託する契約で、不動産売却を1つの不動産会社に委ねるのが心配な人には向いている契約です。また、人気物件を持っていて売却活動にそれほど力を入れる必要がないケースにも向いています。例えば、所有不動産が築年数が浅かったり、駅から近い、人気エリアにあるといった条件です。

一般媒介契約ではレインズへの登録は任意です。登録は任意ではあるものの、早期の売却を目指すのであれば登録するのがよいです。レインズを利用しない場合、自社のサイトに物件情報をアップしたり、不動産売買のポータルサイトに登録します。

しかし、このやり方では買主が見つかるかどうか不透明です。仮に、買主が見つかっても時間がかかってしまったり、不動産を安く買い叩かれることになりかねません。一般媒介契約であったとしても、レインズに登録するのがよいでしょう。不動産会社に直接、レインズに登録してほしい旨を伝えれば登録してもらえます。

また一般媒介契約の場合は、所有者に対する売却活動の報告義務がないため、所有者自ら状況確認を不動産会社に行わなければなりません。

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無料一括査定サイトで不動産会社を選ぼう

レインズを利用するためには不動産会社と媒介契約を結ぶ必要があるため、ハードルが高いです。手続きの手間を考えると、無料一括査定サイトの利用がおすすめです。無料一括サイトを使えば、簡単な手続きで手軽に不動産査定を行えます。

もちろん、正確な査定を行うためには担当者による訪問査定が必要です。しかし、売却初期の段階では簡易査定を行なって、売却価格の目安を知るだけでも十分でしょう。

以下ではおすすめの無料一括査定サイトとしてHOME4U・SUUMO・イエイを紹介します。

HOME4U

※画像出典元:HOME4U公式HP

会社名HOME4U
運営会社NTTデータグループ
運営開始日2001年
査定件数最大6社
提携する不動産会社約2,100社
対応不動産マンション・戸建て・土地・ビル・店舗・事務所・倉庫など

NTTグループが運営する一括査定サイトです。大手企業が運営しているため、提携先の不動産業者も厳しい審査基準を設けています。安心して利用できるサイトといえるでしょう。

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HOME4Uについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

【2023年最新版】HOME4Uのリアルな口コミ・評判とは?メリットデメリットも解説

SUUMO

※画像出典元:SUUMO公式HP

会社名SUUMO
運営会社(株)リクルート住まいカンパニー
運営開始日2012年
査定件数最大10社
対応地域対応地域全国
提携する不動産会社約1,500社
対応不動産マンション・一戸建て・土地など

リクルートが運営する国内最大級の不動産ポータルサイトです。提携先の不動産会社が多いことはもちろんですが、その不動産会社の実績が表示されます。不動産会社ごとの営業力を比較して検討できます。

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SUUMOについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

【2023年最新版】SUUMO不動産売却のリアルな口コミ・評判とは?

イエイ

※画像出典元:イエイ公式HP

会社名イエイ
運営会社運営会社セカイエ株式会社
運営開始日2007年
査定件数最大6社
対応地域対応地域全国
提携する不動産会社1,700社以上
対応不動産マンション・戸建て・土地・ビル・店舗・事務所・倉庫・農地など

提携先の不動産会社が査定額を無料で提示します。複数の査定を比較することで売り出し価格の目安を知ることができ、提携先不動産会社も独自基準に基づいて厳選されているため、信頼性が高いのが特徴です。

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イエイについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

【2023年最新版】イエイのリアルな口コミ・評判とは?メリットも紹介

媒介契約を結べばレインズを活用できる

この記事では、レインズについて解説しました。レインズは網羅性の高い、不動産ネットワークです。しかし、一般のユーザーはレインズの閲覧はできず、代わりに不動産会社を通じての利用になります。

不動産売却までの期間は約3~6ヶ月程度はかかる長丁場です。そのため、自分にあった不動産会社を選んで、担当者と二人三脚でレインズを有効活用してください。レインズには日本中の不動産物件情報が集約されており、的確に活用できれば強力な味方となります。

不動産取引は、生涯でも数少ない高額取引です。失敗すると大きな経済的損失を被る恐れもあり、慎重さが求められます。しっかりと知識をつけ、自分にあった不動産会社を見つけることが大切です。そして、レインズを上手に使いこなせれば納得のいく不動産取引を実現できるでしょう。

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この記事の著者
駅探PICKS編集部
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