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駐車場経営の利回りの目安は?計算方法から利益を出すコツまで解説

駐車場経営の利回りの目安は?計算方法から利益を出すコツまで解説

使っていない土地を所有していて固定資産税だけ払っているため、どうにか有効活用して税金対策をしたいという人も多いのではないでしょうか。しかし、「駐車場経営ってどうはじめるの?」「駐車場経営の利回りや収益はどのくらい?」と、駐車場経営を検討し出すとこれらの疑問が浮かびます。

そこで、本記事では駐車場経営の仕組みから、利回りの目安計算方法などを解説します。

ぜひ最後まで読んでいただき、自身の検討している土地でどれくらいの利回りが期待できるのかを計算してみてください。また、駐車場経営で利益を出すコツについても紹介しているので、参考にした上で土地を有効活用し収益を得ましょう。

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駐車場経営の種類と特徴

駐車場経営は月極駐車場とコインパーキングの2種類が主流です。特徴やメリット・デメリットは以下のとおりです。

駐車場経営の種類

特徴メリット・デメリット
月極駐車場
  • 月ごとの契約で駐車スペースを貸し出す方式
  • 活用に際して大規模な設備を導入しなくてもできる
  • メリットは初期費用がかからないこと、他の土地活用への転用も容易にできる、契約者をみつけられれば安定した収益が望める
  • デメリットは収益性が低く、空室が発生するとダメージが大きい
コインパーキング
  • 時間制で収益を得られる方式
  • 24時間営業することができる
  • 精算機などの設備の導入が必要
  • メリットは稼働率が高ければ収益も上がっていく、狭い土地でも立地次第で儲けられる
  • デメリットは精算機などの導入や舗装工事が必要になるなど初期費用が高いこと、競合のコインパーキングとの争いが激しい

上記を比較していくと収益は月極駐車場よりもコインパーキングのほうが時間ごとに稼げるので高いです。一方で初期費用についてはコインパーキングよりも月極駐車場のほうが設備の導入が必要ないので安く済みます

駐車場経営の利回りの基本

駐車場経営の利回りについては次の3点が基本となります。

  • 利回りとは
  • 表面利回りの計算方法
  • 実質利回りの計算方法

利回りとは

利回りとは、投資した額に対して年間にどれくらいの収益があったのかを割合で示すものです。例えば、100万円を投じ、年間で20万円の収益がえられたケースを想定しましょう。この投資では20%の利回りがあると判断できます。このようにある投資がどれくらい稼げるのかを表す指標が利回りです

なお、駐車場経営は不動産投資であるため、予想される利回りを比較していくことで、その場所で経営をおこなうのかを検討する際に役立てられます。ただし、利回りは表面利回りと実質利回りの2つがあり、両者は使い方や計算方法が異なります

まず、表面利回りはおおよその利回りをしる際にみていくものであり、今後の動向を把握するために利用されることが多いです。一方で、実質利回りは表面利回りの考えにランニングコストなどを入れて計算したものです

そのため、より現実的な利回りを算出することができるので、駐車場経営を真剣に検討する際にはこちらが用いられます。

表面利回りの計算方法

表面利回りは年間の収益と初期費用によって次のように計算されます。

  • 表面利回り(%)=年間売上÷初期費用×100

上記の例で計算をおこなってみると以下のようになります。

  • 20万円÷100万円×100=20

したがって、利回りは20%と計算されます。これを踏まえてい実質利回りの計算方法を理解しましょう。

実質利回りの計算方法

実質利回りは年間売上からランニングコストを引き、初期費用についても具体的な数字を使って次のように計算します。

  • 実質利回り(%)=(年間売上-ランニングコスト)÷初期費用×100

ここで、上記の例に実質利回りの考え方を反映してみましょう。このとき、ランニングコストが5万円かかり、初期費用が120万円になったケースを計算してみます。

  • (20万円-5万円)÷120万円×100=12.5%

すると実質利回りは12.5%と計算されました。こちらについては表面利回りよりも実質利回りのほうが低い数字が算出されており、より具体性を持った利回りが計算されています

なお、今回は年間売上がわかっている状態で計算しましたが、実際には駐車場がどれくらい稼働しているのかを予想して計算します。

こちらは年間売上額に対して、稼働率を乗算して利回りを求める方法です。例えば、稼働率を80%と仮定して計算すると次のようになります。

  • 実質利回り(%)=(年間売上×稼働率-ランニングコスト)÷初期費用×100
  • (20万円×0.8-5万円)÷120万円×100=約9.17%

以上のようにさらに具体性をもったシミュレーションができます。

駐車場経営の初期費用

駐車場経営の初期費用は月極駐車場とコインパーキングで内訳が異なります

月極駐車場の初期費用コインパーキングの初期費用
  • 整地、砂利敷き舗装、ライン引き、車止めなどの工事・設備費用
  • 土地購入費などにかかる不動産取得税・手付金など
  • 整地、アスファルト舗装、ライン引き、精算機、フラット板などの工事・設備費用
  • 土地購入費などにかかる不動産取得税・手付金など

上記のように月極駐車場のほうが工事・設備費用の内訳が少なく、コインパーキングのほうは精算機などの設備の導入が必要です。そのため、初期費用についてはコインパーキングのほうが高くなってしまうのです。

駐車場経営のランニングコスト

駐車場経営のランニングコストについては、設備を導入しているコインパーキングのほうが高いです

月極駐車場のランニングコスト
コインパーキングのランニングコスト
  • 固定資産税などの税金
  • 管理を業者に委託する場合は管理委託料
  • 設備のメンテナンス費用
  • 固定資産税などの税金
  • 管理を業者に委託する場合は管理委託料

税金と管理委託料は両者ともランニングコストとしてかかります一方でコインパーキングは設備のメンテナンス費用が追加で必要です。そのため、ランニングコストを比較すると差が生まれます。

駐車場経営の利回りの相場

駐車場経営の利回りの相場はどうなっているのでしょうか。ここでは、月極駐車場とコインパーキングの双方について解説します。

月極駐車場経営の利回り

月極駐車場経営の利回りは表面利回りで約5%~15%、実質利回りは約4%です。月極駐車場経営は月ごとに賃料をもらう方式なため、空室がなければ収益は決まった額に落ちつきます

そのため、収益の上振れがないことで表面利回り、実質利回りともそれほど高くないです。反面、空室が発生すると収益に占める損失額が大きいため、利回りが大きく落ちる可能性を持っています

コインパーキング経営の利回り

コインパーキング経営の利回りは表面利回りで約15~30%、実質利回りは約10%です。コインパーキングは時間制で収益を得られる方式なため、稼働率が良ければ高い収入を得られるでしょう。そのため、表面利回り、実質利回りとも月極駐車場経営の利回りを越えています

ただし、コインパーキングは同業者と争うことが多く、利用者を集めるために料金の値下げをおこなわざるをえないこともあります。また、近くに新しいコインパーキングができることで、顧客を奪われる可能性もあり、利回りが高い反面、月極駐車場よりも経営が難しいです。

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駐車場経営で利益を出す5つのコツ

駐車場経営で利益を出すためには次の5つのコツを押さえましょう。

  • 駐車場経営に向いた土地なのかを分析
  • 周辺の相場にあった料金設定
  • 初期費用とランニングコストの節約
  • 専門業者に駐車場経営の相談
  • 儲からないなら別の不動産投資に転用

駐車場経営に向いた土地なのかを分析

駐車場経営は月極駐車場とコインパーキングでは向いている土地が異なります。そのため、よく候補地を分析したうえで適切な経営方式を選択しましょう。

  • 月極駐車場・・・定期的に駐車場を利用する特定の人が多い土地、オフィス街など
  • コインパーキング・・・人や車の往来が多く、近くにレジャー施設などがある土地

上記を参考にどちらの方式があてはまるのかを検討してみましょう。

周辺の相場にあった料金設定

適切な料金設定がおこなえるように周辺の駐車場の相場について調査するとよいでしょう。駐車場の料金設定は経営にとって大きな影響を及ぼします。

例えば、相場よりも高い金額を設定してしまえば利用者を確保できず、予想していたような収益が得られないです。また、相場よりも低い金額を設定するとたくさんの人が利用してくれますが、利回りは低下してしまいます。

したがって、顧客の数と利回りを適切な水準で維持できるように、相場に準じた料金設定が必要ですこちらについては自身で調査をおこなうだけでなく、業者にどれくらいの金額で設定するのがよいのか聞くのも有効です。さらに、エリア内に利用者がどれくらいいるのかを判断するために、周辺商業施設の駐車場の稼働率も調べておくとよいでしょう。

初期費用とランニングコストの節約

初期費用とランニングコストの節約は土地選びや管理費が安い業者を利用すると実現できます

まず、土地を取得する際にはできるだけ費用がかからない土地を選びましょうこちらについてはどのような経営方式を採用するのかにもよりますが、駐車場経営の場合にはそもそも費用がかからないので土地の価格次第です

一方でコインパーキングの場合は、アスファルト舗装されている必要があるので、すでに舗装されている土地を選ぶと節約できます。

続いて管理費については業者によって手数料が異なるので、複数社を比較して安いプランを提示したところと契約すれば節約が可能です。ただし、管理業者選びは料金だけでなく、内容も大事なので総合的に検討したうえで決めましょう

このほか、コインパーキングは設備を購入するのではなく、リースすればさらに費用を抑えられます

専門業者に駐車場経営の相談

駐車場経営は専門業者に相談するのが確実で手っ取り早いです。経営に関する知識が十分でないのならば、プロに相談してどうすればよいのか聞いてみましょう。彼らは私たちよりも駐車場経営に精通しており、実績やノウハウを有しています。したがって、抱えている疑問や悩みを相談すれば的確なアドバイスがもらえるでしょう。

なお、駐車場経営の相談は複数の専門業者にしましょうそうすれば業者の数だけプランを提案してもらえるので、相場の把握や内容を比較したうえで契約を結べます。悪質な業者を排除することもできるので、気軽に相談してください。

儲からないなら別の不動産投資に転用

不動産投資は駐車場経営だけではないので、儲からないと判断できたならば別の活用を検討しましょ。駐車場経営は競合の参入などによって儲けが出なくなることがあります

もちろん、値下げや料金の単位時間を変更すれば、ある程度改善する可能もありますが、限度は存在します。どのような対策を講じても赤字になるのならば、最終的な手段として経営を辞めましょう

なお、転用案としては賃貸アパートの経営をおこなうのも選択肢です。こちらであれば限られた面積の土地でも建物の階数を増やすことで立体的な活用が可能になります。集客に力を入れて空室リスクを抑えれば月極駐車場よりもリスクを分散でき、利回りにも期待できます。

駐車場経営を始める流れ

駐車場経営の運営会社を利用して始める場合は次の手順にしたがって進めていきます。

  1. 駐車場経営の専門業者にプランの相談
  2. 希望にあうプランで契約
  3. 工事をして駐車場経営を開始

駐車場経営の専門業者にプランの相談

まずは土地自体が駐車場に向いているのかを相談し、そこから具体的なプランを提案してもらいましょう。駐車場経営をおこなう際に業者に真っ先に質問すべきなのは、その土地が駐車場に向いているのかどうかです。このとき、向いていないのであれば別の活用方法を模索しましょう。

また、どの方式の駐車場経営をおこなったほうがよいのかも相談してください。月極駐車場とコインパーキングでは得られる利回りが異なるため、希望する収益に届かないのであらば、考え直したほうがよいです。

なお、相談をおこなって納得できるプランが提示されるまでは、他の業者にも声をかけて同じく相談しましょう。

希望にあうプランで契約

専門業者から納得できるプランを提案されたのであれば、内容を隅々まで確認したうえで契約をおこないましょう。なお、業者に相談をおこなってプランの提案をうけるまでは原則無料です

そのため、複数業者に気兼ねすることなく相談しましょう。希望に見あうプランの提示がなされたのであれば、契約書にサインしましょう。

ただし、契約内容は細部までチェックしてください特に一括借り上げ方式の場合には、任意のタイミングで契約解除ができますが、あらかじめ余裕を持った解約予告期限を設定しておくと混乱を生みにくいです。

工事をして駐車場経営を開始

契約が完了すればあとは工事をして駐車場経営を開始しましょう。このとき、管理を委託している、一括借り上げをおこなっている場合は自身でなにかをすることないです。

一方で、月極駐車場では、契約者を募集しなければ駐車場が完成しても収益を得られません。そのため、できるだけ早く募集をおこなっておくとよいでしょう。

駐車場経営で気になる疑問

駐車場経営では次の3点が気になります。

  • オーナーチェンジなら儲かるか
  • 一括借り上げで値上げ交渉は可能か
  • 駐車場の撤去にいくらかかるか

オーナーチェンジなら儲かるか

オーナーチェンジの駐車場経営で儲かるかどうかは不透明です。仮に現時点で利益を出し続けていたとしても、同業者の参入や周辺環境の変化などで駐車場経営はいかようにも変化します

そのため、オーナーチェンジだから大丈夫とは保証できません

したがって、普通の駐車場経営をおこなうように、長期的に儲けられるのかを分析してから物件を購入しましょう

一括借り上げで値上げ交渉は可能か

一括借り上げで値上げ交渉はできます。一括借り上げでは稼働が好調であれば、契約更新のタイミングで交渉をおこない値上げを実現できる可能があります。事前に周辺の駐車場経営がどうなっているのか分析して、利益が上がっていると判断できた場合に提案するとよいでしょう

なお、一括借り上げは利益が出ていない場合、逆に値下げ交渉をしてくる可能性もありますそのため、急に提案されて混乱しないように普段から競合の動向を気にしておきましょう。

駐車場の撤去にいくらかかるか

駐車場の撤去には1平方メートルあたり3,000~5,000円がかかります。費用の大部分については主にアスファルト舗装などを撤去するために必要な金額になります。仮に車両3台分の広さ(39平方メートル)の駐車場を撤去する場合には、単純計算で117,000~195,000円がかかります

なお、地面がコンクリートの場合には、上記よりも費用がかかるケースもあるので詳しくは業者に確認してみましょう。

また、撤去費用に関しては契約書に業者負担の旨が記載されていれば費用はかかりませんそのため、契約を結ぶ際に駐車場の撤去について盛り込まれているのか、しっかりと確認したうえで手続きを進めましょう。

まとめ

駐車場経営は月極駐車場とコインパーキングの2種類が主流です。収益はコインパーキングのほうが高く、初期費用については月極駐車場のほうが安い特徴があります。

それぞれに使用する土地や投入できる初期費用を踏まえ、利回りを計算して、どちらが高利益であると見込めるのか見極める必要があるでしょう。

また、その際には紹介した表面利回りと実質利回りの2つを活用してください。より詳細な経営のシミュレーションでは実質利回りで計算するようにしましょう。

なお、利益を出すには駐車場経営に向いている土地なのかを分析し、周辺の相場にあった料金設定をおこなうことが大切です。これらを踏まえたうえで理想の駐車場経営に導きましょう。

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この記事の著者
駅探PICKS編集部
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