※本ページはアフィリエイト広告プログラムによる収益が発生しています
家の売却を考えていて、「レインズ」という言葉を聞いたことはありませんか?レインズは不動産の取引情報を取り扱う公的なサイトで、家を売る際にも用いられます。
本記事では、初めて不動産を売却する人向けに「レインズとはなにか」という基礎的な情報や登録方法をご紹介します。登録のメリット・デメリットから、売却をスムーズに進める方法まで詳しく解説するので、不動産売却の第一歩として役立ててください。
目次
そもそもレインズとはなにか
レインズとは、国土交通大臣から指定された不動産流通機構が運営するネットワークシステムです。家を売ったり買ったりという不動産取引に欠かせない基盤として、日々役立てられています。
注意しておきたいのが、レインズは不動産会社が利用するものであって、個人では利用できないという点です。不動産会社はレインズにアクセスすることで、全国の不動産会社の不動産情報を閲覧することができます。買いたい人に物件を紹介したり、売りたい人に価格相場を提示したりすることに使用されます。
しかし、不動産会社を利用している売主や買主はレインズを個人的に利用することはできません。
レインズに物件情報を登録し、より多くの不動産会社で情報を閲覧してもらうためには、不動産会社を介する必要があります。
レインズへの登録方法は不動産会社と媒介契約
レインズは個人で利用することができないため、物件情報を登録するには不動産会社を介する必要があります。具体的には、売却の仲介を不動産会社に依頼する媒介契約を結びます。詳しく見てみましょう。
媒介契約の種類によってレインズへの登録が義務化
不動産会社に売却の仲介業務を依頼する契約を媒介契約といいます。媒介契約には3種類あり、種類によってはレインズへの登録義務が課せられているものもあります。レインズに登録することを目的とした契約であれば、登録義務のある契約形態を選びましょう。
媒介契約の種類 | レインズへの登録義務 | 複数社との同時契約 | 自己発見物件取引 |
一般媒介契約 | なし | 〇 | 〇 |
専任媒介契約 | 契約から7営業日以内 | × | 〇 |
専属専任媒介契約 | 契約から5営業日以内 | × | × |
契約形態の主な特徴は上記の通りです。一般媒介契約は複数社と同時に契約を結ぶことができるため自由度の高い取引が期待できます。しかし、レインズへの登録義務がないため、不動産会社は自主的に登録を行なわない可能性があります。
レインズへの迅速な登録を期待するなら、契約から5営業日以内の登録が義務付けられている専属専任媒介契約を選びましょう。ただし、契約形態の中でも最も制限の多い方法であるため、慎重な判断が必要です。
レインズに登録される物件の情報
レインズに登録すると、物件の情報が全国の不動産会社から閲覧できるようになります。登録される物件情報は次の通りです。
- 取引状況
- 物件種別、種目
- 土地権利
- 登録年月日
- 取引態様
- 媒介契約年月日
- 価格、管理費、修繕積立金
- 専有面積
- 所在地
- マンション名、部屋番号
- 沿線名、最寄駅
- 部屋数、間取りタイプ
- 築年月
- 管理状況
- 駐車場の有無、料金
- 現況、引渡時期
- 用途地域
- 借地料
- 担当者、担当者連絡先
このように、物件に関する詳細な情報が閲覧できるようになります。
レインズに登録して売却が成立するまでの流れ
レインズに登録する場合、次のような流れで売却を進めていくことになります。
- 不動産会社を探して媒介契約を結ぶ
- 不動産会社が物件情報をレインズに登録する
- 登録証明書を受け取る
- レインズに登録している不動産会社が情報を閲覧する
- 購入を希望する買主側の不動産会社から連絡がくる
- 内覧対応や契約交渉を行う
- 買主と売買契約を結ぶ
- 清算と引き渡し
売却までは3ヶ月から1年以上かかる場合もあります。レインズに登録してより多くの人の目に留めることで、早期売却につながるかもしれません。
レインズに登録して不動産売却を進めるメリット
レインズへの登録は強制ではないので、家を売るからといって必ず登録しなければならないわけではありません。しかし、レインズへの登録には次のようなメリットがあります。
- 購買意欲の高い人に不動産情報を提供
- 不動産売却の手間を省略
- 囲い込みのリスクを軽減
それぞれのメリットを詳しく解説します。
購買意欲の高い人に不動産情報を提供
レインズに登録することで、購買意欲の高い人に物件情報を提供できる点は大きなメリットでしょう。
レインズは不動産会社で利用されます。不動産取引のプロが家を探している顧客のために情報を検索するため、購入につながりやすいです。個人が不動産ポータルサイトを利用して物件を探すよりも、不動産会社を訪ねるほど購入を本格的に考えている人に物件情報を提供することができます。これらの理由から、レインズに登録することはスムーズな売却につながる可能性があるのです。
また、遠方から引っ越しの予定がある人など、全国各地から物件情報を見てもらえるという点も強みです。
不動産売却の手間を省略
レインズに登録しない場合、全国の購入希望者に情報を提供するためには、全国の不動産会社と媒介契約を結ばなければなりません。しかし、レインズに一度登録すれば全国どこにでも物件情報を提供できるため、売主の手間削減につながります。
また、レインズへ登録される情報は非常に詳細なものです。購入希望者は自身の希望する条件で絞って検索された物件情報を得ることができます。つまり、買主側の手間軽減にもつながりスムーズな家探しが期待できるのです。
囲い込みのリスクを軽減
レインズに登録することで、囲い込みをされるリスクを軽減することができます。囲い込みとは、不動産会社が売主・買主の双方から仲介手数料を得るために、他社からの内覧希望などを断ったり、虚偽の申告をしたりすることです。
囲い込みをされると、他社からの問い合わせや内覧希望を断られるため、その分売却のチャンスを失うことになります。売却期間が延びるだけでなく、長く売れないことで値下げを要求されることにもなりかねません。
レインズに登録して全国の不動産会社から情報が得られる状況にすることで、囲い込みの抑止につながります。また、レインズに登録すると、売主は自身のレインズの登録状況のみ閲覧することができます。取引情報が正しく登録されているかを定期的に確認することで、囲い込みを防ぐことができるでしょう。
レインズに登録して不動産売却を進めるデメリット
レインズへの登録には、メリットだけでなく次のようなデメリットもあります。
- 不動産売却が周知される
- 売却に時間がかかると不利になる可能性
それぞれ詳しく解説します。
不動産売却が周知される
レインズに登録することは、物件情報を全国に公開するということです。レインズに登録している不動産会社で情報が閲覧できるため、家を売却することを周囲の人にも知られる可能性があります。
レインズに登録する内容は非常に詳細で、マンション名や部屋番号まで登録されます。同じマンションに住む人であれば、誰が売りに出しているかがわかるでしょう。
家を売ることを周囲に知られたくないと思っている場合には、レインズの登録を見送ったほうがよいケースもあります。しかし、売却が長引くことにもなるので、不動産会社と相談しながら進めましょう。
売却に時間がかかると不利になる可能性
レインズは随時情報が更新される仕組みです。売却に時間がかかることで不動産会社の目に留まりにくくなったり、問題のある物件とみなされてしまったりと、売却に不利に働く可能性があります。
しかし、「時間がかかると不利になるから」といってレインズへの登録を避けても、早期売却にはつながりません。不利に働く可能性はありますが、あくまでもリスクのひとつであり、早期売却につながるメリットのほうが大きいと考えましょう。
レインズ登録後に不動産をスムーズに売却する方法
レインズに登録しただけでは、不動産のスムーズな売却が約束されるわけではありません。不動産をスムーズに売却する方法として、次の3つの工夫をご紹介します。
- 作成してもらう広告をチェック
- 無理のない範囲で値段交渉に応じる
- 内覧で好印象をもってもらえる準備・対応
作成してもらう広告をチェック
不動産広告は公開される前にきちんと目を通すようにしましょう。不動産広告の作成は基本的に不動産会社が行いますが、任せきりにしてはもったいないです。
見栄えのよい写真が使われているか、掲載される情報に誤りや不足がないかなど、掲載内容をきちんとチェックしましょう。不動産ポータルサイトで気軽に家探しができる時代に、魅力的な広告を出すことは非常に重要です。
ただし、家のデメリットを隠したり、必要以上に利点を強調した誇大広告を出したりすることは禁止されています。不動産会社と相談しながら、魅力的な広告を作成しましょう。
無理のない範囲で価格交渉に応じる
購入希望者からの値段交渉は、無理のない範囲で応じたほうが早期売却が期待できます。もちろん必要以上に値下げをする必要はありません。しかし、購入希望者を逃して売却できず、売り出し価格を下げるよりも、値下げに応じたほうが高く、コストをかけずに売却できることもあります。
価格交渉に進む前に、値下げの限度額を決めておくと安心です。ローン残債などを考慮して「ここまでは下げてもいい」という基準を設けておくと、不動産会社とも話がしやすくなります。また、値下げに応じる代わりに引き渡し時期を早めるなど、売主側にも有利な条件を引き出すと交渉しやすいでしょう。
内覧で好印象をもってもらえる準備・対応
内覧は売却活動のなかでも特に重要なステップです。実際に売主が対応する必要があるため、好印象をもってもらえるよう、入念な準備や対応が必要です。
居住中の家を内覧してもらう場合、次のようなポイントに気を付けましょう。
- 部屋を清潔にしておく
- 部屋が広く見えるよう整理する
- 水回り・玄関は特に清潔にする
- ベランダやバルコニーも忘れずに掃除する
- 部屋の臭い対策をする
- カーテンを開けたり照明をつけたりして明るくする
- 物件のよいところをさりげなくアピールする
- 質問には明確に答える
内覧者によって見たいポイントは異なります。引っ越し先に持っていくつもりのないものは先に処分しておくなど、できるかぎり生活感を減らして、印象をよくするよう努めましょう。
レインズの登録で気になる疑問
最後に、レインズの登録に関してよくある疑問をまとめましたので参考にしてください。ほかに疑問がある場合には、媒介契約を結ぶ前に確認しておくと安心です。
一般媒介契約でもレインズに登録してもらえるのか?
一般媒介契約の場合には不動産会社にレインズへの登録義務が課せられないと述べました。しかし、登録義務がないだけで、登録自体は可能です。
ただし、一般媒介契約でレインズに登録してもらう場合には、基本的に売主から不動産会社に申し出る必要があります。不動産会社がすすんで登録を行なってくれる場合もありますが、登録を希望するなら申し出たほうがよいでしょう。
レインズへ登録しなくても売却はできるのか?
レインズに登録しなかったとしても、不動産売却は可能です。レインズに会員登録していない不動産会社もあり、流通しているすべての物件が登録されているわけではありません。
人気のエリアにある物件など、需要がある物件であればレインズに登録しなくても買主が見つかる可能性が大いにあります。周囲に売却を知られたくない場合や、一般媒介契約で複数の不動産会社と契約したい場合など、レインズに登録せずに売却を成功させている例も少なくありません。
ただし、レインズに登録しなければその分物件情報が閲覧されるチャンスが減るため、売却活動が長引く可能性もあります。
個人でレインズを閲覧する方法はあるのか?
レインズに登録されている最新の物件情報を個人で閲覧することはできません。ただし、不動産会社を介して売却物件の登録を行うと、自身の物件の情報のみ閲覧することができます。
また、過去の取引情報であればレインズが提供するレインズマーケットインフォメーションというサイトで確認が可能です。地域や不動産種別で絞って無料で検索できるので、不動産の相場を知りたい場合などに役立ちます。
相場を知りたい場合には、レインズ以外にも一部の不動産ポータルサイトや、国土交通省が運営する土地総合情報システムの利用もおすすめです。
まとめ
家を売却するなら、レインズへ登録することで得られるメリットは大きいです。レインズは個人で利用することはできませんが、全国の不動産会社から閲覧できる公的なネットワークサービスです。
購入意欲の高い人に物件情報を見つけてもらうチャンスが増えるので、早期売却にもつながります。また、遠方の購入希望者に情報を提供することにもなります。売却することを周囲に知られたくないなど、特別な事情がない限りは登録したほうが売却がスムーズに進む可能性が高いです。
しかし、レインズに登録したからといって早期売却に直結するわけではありません。よりよい不動産会社と契約して、広告や内覧などさまざまな工夫を凝らしながら売却成功を目指しましょう。
[不動産売却_内部リンク]