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土地の評価額の調べ方は?知っておきたい基礎知識や計算方法を解説

土地の評価額の調べ方は?知っておきたい基礎知識や計算方法を解説

所有している土地や親から譲渡された土地など「どのくらいの価値があるのか調べたい」と思っている人は少なくありません。

今すぐ土地を売る売らないに関係なく、自分の資産価値を知っておきたいと思うことは当然でしょう。固定資産税や管理費を支払う都合もあるため知っておいて損はありません。しかしお金と手間をかけてまで専門家に調べてもらうべきなのでしょうか?

そこで土地の評価額を知る手立てとして一物六価という言葉があります。不動産業者や不動産鑑定士などの専門家は、この一物六価を指標として土地の価格を算出しています。

文字通り「一つの物件に対して6つの価格がある」という意味ですが、実はこれは素人でも算出することができるのです。ここでは、一物六価をもとに土地評価額の調べ方や算出手順を解説します。

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土地の評価額に関する基礎知識

土地に値段をつけるときの参考にするのが評価額です。ここからは、いろいろな方法で算出できる評価額を説明します。一般的にはこれらの評価額を目的によって使い分けています。

土地の評価額とは

土地の値段は所有者の言い値ではなく、基準に則ってつけられているものです。その基準となる価格を評価額と言います。評価額は、その土地の相場額を調べて算出して出されるものです。不動産売買では評価額の目安とする額を調べ、そのうえで売り主は売却価格を決めたり、買い主は妥当と思われる価格で購入することになります。

この評価額を把握していないと、例えば土地を売却するときに「売値を安くしすぎて損をした!」と後悔する可能性が高くなってしまうでしょう。だからこそ土地の評価額はとても大切な情報となるのです。

土地の評価額の種類

土地の評価額には次の6種類があります。

  • 公示価格
  • 実勢価格
  • 基準値標準価格
  • 固定資産税評価額
  • 相続税評価額
  • 不動産鑑定評価額

これらを一物六価といい、不動産業者はこの一物六価を利用目的によって使い分けています。これらの評価額について、内容や計算方法について以下で詳しく解説します。

公示価格

国土交通省がごと年1月1日時点の各地の土地を調査し、同じ年の3月に公表する土地の価格です。国内のおよそ2万6,000ヶ所の土地の価格を標準値とし、国土交通省の土地鑑定委員会が価格を決定しています。公示価格は国土交通省ホームページ内の土地総合情報システムで調べることができます。

実勢価格

不動産会社が実際に売買した価格をもとにデータ化したものです。国土交通省が実際に売買契約をした人からアンケートを取り、そのデータをまとめています。この実勢価格も国土交通省ホームページの土地総合情報システムで調べることができます。不動産会社1社だけではなく多くの会社のデータを集めているためより正確です。

基準値標準価格

全国規模でおこなわれる公示価格に対して、基準値標準価格は全国の自治体が公表している評価額です。公示価格の対象外のエリアの評価額を知りたいときに便利です。

また、公示価格が毎年11日時点のデータをもとにしているのに対して、基準値標準価格は毎年7月1日時点のデータをもとにしているので、売るタイミングや価格の推移を知りたい場合などに利用するなどして、両方のデータを併用してより正確な土地価格を算出することができます。

固定資産税評価額

毎年度課税される固定資産税を算出する際に基準となる価格のことです。固定資産税評価額は地価や路線価などをもとに算出されますが、3年ごとに見直しされます。この評価額をもとに、毎年度の都市計画税や不動産取得税額が決定します。これらの税額をまとめたのが固定資産税額です。

また、課税標準額という名称にしている自治体もあります。 固定資産税評価額は、毎年5月~6月に土地の所有者あてに送られる固定資産税の納税納付書から確認をするか、管轄する役所で調べることもできます。

相続税評価額

相続税評価額は、相続税や贈与税などを算定する際に基準とする評価額をいいます。基本的に相続税評価額は路線価をもとに算出されますが、路線価が該当しないエリアの場合は相続税評価額を算出するための倍率方式を採用して算出します。相続税評価額は個人のデータですので、自分で算出するかもしくは不動産会社、専門家で調べてもらうことになります。

不動産鑑定評価額

不動産会社や国家資格である不動産鑑定士の資格を持っている専門家により調査され算出される評価額です。専門家の手によるものでも、独自に算出するのではなく不動産鑑定評価基準に基づいて算出します。これにより、客観的な数字だけではなく、実際の目で確かめながらの評価をするので、より査定額に近い価格を知ることができます。

土地の価格を自分で計算する方法

土地の評価額は専門家や不動産会社に調べてもらうことが多いですが、自分で算出することもできます。

公示地価や基準地価を利用する場合

公示価格や基準地価を利用して土地の価格を算出する場合は次の手順でおこないます。

手順詳細
1国土交通省の土地総合情報システムにアクセスする土地総合情報システム公式サイト:https://www.land.mlit.go.jp/webland/
2公示地価および基準地価を算出する

知りたい場所に最も近いエリアを検索し、知りたい時期や面積などを条件を絞る。
その際、一つだけではなく複数検索する。
検索すると、基準地番号・調査基準日・所在地・価格(平方メートルあたりの価格)・地籍・利用区分・交通施設および距離・形状が表示される。

例:K町(地価公示指定地)の場合の価格(4件ヒット)

  • 29,600円
  • 55,800円
  • 151,000円
  • 126,000円

例:N町(K町の隣町、地価調査エリア)(4件ヒット)

  • 16,500円
  • 12,000円
  • 13,500円
  • 10,000円
3土地の評価額を概算する以上のように同じ町内でも価格に差がありますので、これらの平均値を用いるか、それぞれの所在地を詳しく確認して一番近いエリアの数値を用いてください。
なお、いずれも1平方メートルあたりの価格なので、実際の土地の広さに換算してください。

例:N町の土地100㎡の場合(平均価格13,000円)

13,000×100=130万円

参考:国土交通省「国土交通省地価公示・都道府県地価調査

固定資産税評価額を利用する場合

固定資産税評価額から土地の価格を算出する場合は次の手順でおこないます。

手順詳細
1固定資産税の納税通知書を準備する土地の所有者あてに毎年5月~6月に送付されます。
通知書の見方がわからない場合は、所有土地を管轄する地域の役所で台帳を閲覧する、もしくは固定資産税評価証明書を取り寄せることもできます。
所有する土地が遠方の場合は、取り寄せるのが便利です。
2納税通知書に記載されている評価額を確認する自治体により記載されている項目名が異なります。
評価額、価格、課税標準額などの名称です。
なお、家屋などがある場合は土地の評価額だけを使用します。
3評価額をもとに土地の価格を概算する評価額から算出する方法には次の2種類あります。
固定資産税評価額は実際の取引相場より低めに設定してあり、ほぼ次の数式で算出されています。

土地の価格=固定資産税評価額÷0.7

例:N町(この場合、データがないので隣町のK町の路線価を使用)の路線価=57,000円で100㎡の場合

57,000×100=5,70万円

参考:国税庁「路線価図・評価倍率表

相続税路線価を利用する場合

相続税路線価をもとに土地の価格を算出する場合は次の手順でおこないます。

手順詳細
1国税庁Webサイトの路線価図・評価倍率表にアクセスする国税庁公式サイト・路線価図・評価倍率表:https://www.rosenka.nta.go.jp/
2路線地図から該当する土地区画番号を確認する

所有する土地に近いエリアを住所で検索することもできますが、地図から検索することもできます。
正確な住所がわからない場合や、地方の実整地など住所が不明な場合に便利です。

3該当するエリアの路線価を確認するN町の路線価がないため隣町のK町の路線価を使用します。
4路線価をもとに土地の価格を概算する

例:N町(この場合、N町の路線価がないので隣町のK町の路線価を使用)の路線価=57,000円で100㎡の場合

57,000×100=5,70万円

参考:国税庁「路線価図・評価倍率表

土地の実勢価格を調べる方法

過去に取引のあった土地の価格を知ることはとても大切です。この取引価格を実勢価格を言います。しかし、過去の価格をそのまま売却価格にしません。地価の変動や社会状況の変化とともに土地の価格は変動するためです。

とはいえ過去の実勢価格は、現在の土地の価格を知るための大切な参考値です。この実勢価格は次の方法でも調べることができます。

  • 一括査定サイトを利用する
  • レインズマーケットインフォメーションを利用する
  • 土地総合情報システムを利用する

以下でそれぞれの解説します。

一括査定サイトを利用する

自分で算出できるとは言っても、やはり自分の計算では心もとなかったり信用できない人は、専門家や不動産会社で調べてもらうほうがよいでしょう。不動産会社には必ず不動産鑑定士の資格を持ったスタッフがおり、どのような土地でも数値化してくれます。

また、より信頼のおける数値を知りたい場合は、その土地に熟知している会社や土地の売買に特化している不動産会社を複数選んで依頼するようにします。

この際に複数社に依頼するには手間と時間がかかりますが、一括査定サイトを利用すると一度で済むのでおすすめです。不動産一括査定サイトはさまざまな不動産関連会社が展開しており、パソコンやスマートフォンで無料で気軽に利用することができます。

レインズマーケットインフォメーションを利用する

正式名称は不動産流通標準化システムと言い、国土交通省から指名を受けた不動産流通機構4社が共同運営しているシステムです。本来は不動産会社向けのシステムですが一般の人も利用することができます。

ただし、ここで紹介しているデータはすべて戸建やマンションなど物件付き価格になっており、土地だけのデータはありません。

そのため、あくまでも目安として利用してください。土地だけのデータを知りたい場合は、次に紹介する土地総合情報システムの利用をおすすめします。

参考:レインズマーケットインフォメーション公式サイト

土地総合情報システムを利用する

国土交通省が公表しているサイト、全国の土地の売買価格を記載しています。実際に不動産会社が過去に取り引きした約345万件の実勢価格を載せています。

ここでは、種別(住宅地、商業地など)、最寄り駅からの距離、取引額、坪単価、土地の形状、接面道路の状況(公道、私道など)、取り引き時期などの情報を知ることができます。

なお個人名や所在地などは一切伏せているため、個人情報は公表されていません。

土地の価格を知りたい場合は、この中から所有する土地の条件に近いものを検索して調べることができます。所在地や面積などを検索すると、条件に近い物件が表示されます。また、都道府県別や地図や航空写真などから検索することもできます。

※参考:国土交通省 土地総合情報システム公式サイト

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土地の評価額と査定額が違う理由

以上のように公的機関の評価額や不動産会社、あるいは自分で算出した評価額を見てわかるように、土地の価格は一つではありません。しかし、価格に差が出るのは決して不思議なことではありませんから、差が出る理由をきちんと理解してから利用しましょう。

算出方法が異なるから

上記で紹介した計算方法でそれぞれ算出すると評価額が異なることがわかります。これはそもそも、それぞれの算出方法が違うからです。さらに、自分で計算した場合と業者や専門家に算出してもらった金額でも、違いが出てくることはあらかじめ留意しなければいけません。

また、各専門家や業者でも、自社の数字以外の要素、過去の経験値や会社もしくは専門家独自のデータも加味するため違いが出ます。会社ごとに価格が異なる理由はここにあります。

そのため、評価額は1社だけに依頼するのではなく複数社に依頼したほうがおすすめなのはこれが理由です。

業者の実績によっても変化する

同一の会社でも担当するスタッフによって価格が異なる場合もあります。特に、全国に支社をもつ大手の不動産会社は都心部にある本店と土地の所在する地域にある支店では、保有している情報に差が出ることがあるため、若干価格にも差が出てくるのです。

また、全国展開している大手の不動産会社より、地方の中小クラスの不動産会社の算出する価格のほうが実勢価格に近いこともあります。それだけに地方にある土地の価格をより正確に知りたい場合は、できるだけそのエリアに近い不動産会社、できれば地元の会社に直接依頼するほうがおすすめです。

土地の評価額に関するQ&A

以上、土地の価格を決める参考額の算出方法などについて説明しました。この他にも評価額について次のような質問も多く寄せられています。

Q:土地の評価額に影響を及ぼす要因は?

A:土地を高く売りたい、できるだけ条件の良い土地を購入したいと考えるのは当然です。しかし、高く売れると思っていても、思っていたより評価額が低いことも珍しくありません。その原因として、次のようなことが考えられます。

  • 面積や形に問題がある
  • 土地周辺の状況に問題がある
  • 方角や土地と面している道路の状況に問題がある
  • 将来的な問題

土地の面積や形で考えられる要因は広すぎる場合や整形地でなない場合が挙げられます。例えばあまりにも面積が広いと、活用法が限られてしまうために需要が望めません。需要が低ければどれほど広くても評価額が下がる可能性が高いです。

もし土地の広さが適していても、細長かったり三角形状だと家を建てにくいため評価が下がりやすいです。さらに、土地に面している道路狭かったりしても良くは見られません。

また、場所や土地の要因では開発の差により、評価額を左右しやすいです。例えば降雪地帯の場合は、冬期間の除排雪が定期的におこなわれるかどうかも価格に差が出ます。逆に都心で言えることなら、近隣に墓地やごみ処理場、風俗店などがあるエリアは住宅を建てにくいことから評価がマイナスになりやすいでしょう。

土地の将来性で考察する場合は、閑静な住宅地でも高齢者世帯が多い地域には注視する必要があります。平均年齢が高い地域は将来的に人口が減る可能性が高く、スーパーやコンビニなどの商業施設も減れば利便性も低下するため、土地自体の価値が下がっていく可能性があります。

Q:評価額と土地活用の関係は?

A:土地活用をする場合、評価額は土地活用の選択肢を左右する要素になります。なぜなら土地活用では評価額をもとに支払うことになる税金を少なくとも支払い続けられるものを選ぶ必要があるためです。

つまり評価額が高い土地なら、それだけ利回りが高い土地活用しなければ収支のバランスが取れなくなるといえます。

なお、この際の土地活用の選択肢はいくつかありますが、なかでも一般的な方法をご紹介します。

  • マンションや戸建ての賃貸もの件を建てて家賃収入を得る
  • 都心の交通量が多いエリアなら駐車場やコンビニなどにする
  • 地方のある程度広い土地ならば農地にして家庭菜園として貸す
  • 更地にして資材置き場として貸す

これ以外にもさまざまな土地活用があります。

また、上記に挙げた方法は明日からすぐ始められるというわけではなく、それぞれに手続きや費用などの準備が必要です。効率的かつ計画的に空き地を有効活用したいのであれば、土地活用に実績のある不動産会社に相談することをおすすめします。

Q:評価額が低くても高く売ることはできる?

A:評価額はあくまでも参考価格なため最終的に金額を決めるのは所有者です。つまり所有者が納得できる金額で売ってかまいません。

ただし、その場合でも、法外な価格をつけてしまうともちろん売れ残ってしまう可能性が高くなります。ある程度は評価額をベースに金額を決めるのがよいでしょう。

そこでおすすめなのは、腕のいい不動産会社に相談するということです。土地売買に実績のある業者なら、最高額いくらまでなら売れるという情報を豊富に持っています。

また、不動産会社に一任するだけではなく、価格負けしないように土地をしっかりと管理しておくことも大切です。草取りやごみ拾いなどをしてきれいな土地を保つことで、価格なりの価値を見出してもらえます。このような売り主の努力も高く売れる秘訣です。

まとめ

本記事では土地の評価額を自分で調べる方法を詳しく説明しました。また、ご紹介した自らおこなう評価額の算出方法については、あくまでも参考価格にしかならないという点には注意してください。

専門家が算出しても差異はそれほど大きくはないかもしれませんが、専門家や不動産会社が算出したほうが専門家の視点が加わるため、より正確で信ぴょう性が高いです。

また、各社の算出方法の違いでも評価額が変わりますが、それにプラスされて専門家および会社独自の評価がある点にも留意しておきましょう。

なお、土地を正式に売却する場合は、あらためて専門家や不動産会社に評価額を出してもらわなければいけません。土地の価格は地価や社会状況によって頻繁に変動するため、何年か後に売却することになった場合には再度評価額を調べ直して正確な額を把握しなおしてください。

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この記事の著者
駅探PICKS編集部
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