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お金のかからない土地活用の方法とは?選び方や注意点・相談先も

お金のかからない土地活用の方法とは?選び方や注意点・相談先も

土地活用というと多額のお金がかったり、そのためにローンなどの資金調達をしなければならないと思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、やり方によってはほとんどお金をかけないで土地活用を始めることも可能です。

本記事では、お金のかからない土地活用の方法を6つ紹介します。土地活用方法の選び方や、立地条件が良くない土地の有効活用の仕方なども紹介するので、なるべくお金をかけずに土地活用を始めたいと考えている方はぜひ参考にしてください。 

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お金のかからない土地活用の6つの方法

はじめに、お金のかからない土地活用の方法を見ていきましょう。

  • 貸し土地(定期借地権)
  • 等価交換
  • 建設協力金方式
  • 土地信託
  • 買い替え
  • 暫定利用

貸し土地(定期借地権)

貸し土地とは、事業者に事業用地として土地を貸して地代を得る方法で、普通借地権定期借地権の2つに分けられます。

普通借地権は土地の貸主から契約解除ができず、土地を取り戻すことができなくなってしまうため、貸し土地には向いていません

一方、定期借地権は契約期間の満了とともに土地を取り戻せるため、貸し土地をするときは一般的に定期借地権で契約します。定期借地権は、一般定期借地権事業用定期借地権建物譲渡特約付定期借地権の3つに分けられます。

参考:国土交通省「定期借地権の解説

例えば店舗、オフィス、工場など事業用建物の用地として貸す場合、事業用定期借地権で契約するのが一般的です。借地期間が短く地代は比較的高めとなるのが特徴です。一方、アパート、マンションなどの居住用建物の用地として貸す場合は、一般定期借地権での契約となります。

土地貸し(定期借地権)のメリットは、借主(事業者)が資金を調達して建物を建てるため、貸主(土地所有者)は土地活用を始めるのにお金がかからない点す。運用期間も10~50年であるため、長期間安定した収入が得られ、土地上に建てた建物は借主(事業者)が管理するので、管理の手間・費用がかからない点も魅力的といえるでしょう。

一方、デメリットは、建物の家賃と比べて地代は安いため収益性が高くないことや、契約期間中は土地を自由に使えないといった点があげられます。

等価交換

等価交換は、事業者に建築用地として土地を提供し、竣工後に土地と建物を等価交換する方法です。

例えば土地が6億円・建物が4億円の場合(土地所有者6:事業者4)、土地所有者は土地60%・建物60%、事業者は土地40%・建物40%の所有権をそれぞれ持ちます。土地は共有とし、建物は区分所有または共有のいずれかとすることが多いです。

また、所有権を得た建物部分を賃貸にして、賃料収入を得ることもできます。

等価交換のメリットは、土地活用の知識がなくても始められる、お金をかけずに土地上に収益物件を建てられる点です。等価交換では、ディベロッパーなどの事業者がマンション、オフィスビル、商業ビルなどの収益物件の建築・運用計画の立案から、建物資金の調達、建築、入居者やテナントの募集まですべておこなってくれます。

また、土地活用のプロが企画・建築・運用するため、手間がかからず、失敗リスクも低いのもメリットといえるでしょう。

一方、デメリットは、等価交換後の建物を共有にした場合、売却する際に共有者全員の同意が必要になるなど、権利手続きが複雑になる恐れがある点があげられます。

建設協力金方式(リースバック)

建設協力金方式とは、テナントが建築協力金として土地所有者に融資し、土地所有者はそれを用いて建物を建てる方法です。

テナントは土地所有者が建築協力金を用いて建てた建物に入居して事業をおこない、土地所有者に対して賃料を支払います。土地所有者はテナントから賃料を得ますが、賃料の一部は建築協力金の返済金としてテナントに返す仕組みです。建築資金を融資する金融機関の役割をテナントが兼ねているといってよいでしょう。

建設協力金方式はコンビニやホームセンターなどロードサイド店舗の一棟貸しでよく用いられます。

建設協力金方式のメリットは、借主を確保してから土地活用が始められる、金融機関の融資を利用しなくて済む、テナントの撤退リスクが低いことです。

一方、デメリットは、テナントへの返済期間が長期にわたる、返済期間中は別の土地活用方法に転換することができない、返済期間中にテナントが撤退・債権放棄をすると、利益(債務免除益)が発生したとされ、それに対して税金がかかるといった点があげられます。

土地信託

土地信託は、土地を利用した投資信託で、土地信託を取り扱う銀行などの信託会社に土地活用を任せて、運用益を配当金として得る方法です。

収益性のある立地条件が良い土地があれば、信託会社が最適な運用方法を提案してくれ、建築から管理まですべてを任せられます。

そのため土地信託は、アパート経営やマンション経営でよく用いられています。

土地信託のメリットは、土地活用の知識がなくても始められる、信託受益権を売買できる、自己破産をした場合でも信託財産は処分の対象外である点です。

一方、デメリットは、土地活用の方法や経営方針に自分の意見が反映できない配当金の有無や金額が保証されない信託手数料がかかるなどがあります。加えて損失が出た場合は委託者(土地所有者)が負担しなければいけません。

買い替え

買い替えは、所有している土地を売却し、より条件の良い土地を購入して、土地活用をする方法です。売却益で土地を購入するだけでなく、土地活用を始めるための資金に充てることもできます。

また、売却益が出た場合は利益に対して税金がかかりますが、条件を満たすように新たに土地を購入すれば、事業用資産の買換えの特例が適用されて、課税を将来に繰り延べることができます。

参考:国税庁「事業用の資産を買い換えたときの特例

暫定利用

暫定利用は、本格的な土地活用をする前に一時的に貸し出して、収益を得る方法です。土地はただ所有しているだけで、税金がかかったり、維持管理にお金がかかってしまいます。

収益性は高くありませんが、ただ空き地にしておくよりは、何らかの方法で暫定的に活用し、少しでも収入を得ておいたほうが得策です。暫定利用では、駐車場、看板設置用地、資材置場、移動販売車置場、自動販売機の設置などが考えられます。

お金のかからない土地活用の選び方

お金のかからない土地活用の方法は、どのような基準で選べばよいのでしょうか。ここでは、求めるニーズごとにおすすめの土地活用の方法を紹介します。

  • すぐに始めたい場合
  • 収益性を重視したい場合
  • 安定性を重視したい場合
  • 管理の手間をかけたくない場合
  • 節税対策をしたい場合

すぐに始めたい場合

すぐにお金のかからない土地活用を始めたい場合は、月極駐車場経営がおすすめです。

駐車場経営には、月極駐車場とコインパーキングがありますが、月極駐車場の場合は、アスファルト舗装やゲート機・フラップ板・精算機などの設備を設置しなくても始められます。

最低限の整地とロープで区画割りするだけで始められるので、初期費用もほとんどかからず、手間も少ないです。暫定的に土地活用をしたい人にも向いています

収益性を重視したい場合

収益性を重視して土地活用を始めたい場合は、次の方法がおすすめです。

  • 等価交換
  • 建設協力金方式
  • 土地信託

等価交換を用いてデベロッパーにマンションを建ててもらうと、土地の一部をデベロッパーに譲渡する代わりに、土地上に建てたマンションの数部屋を譲渡を受けることができます。取得した部屋を利用してマンション経営をするのもおすすめです。

また、建設協力金方式土地信託を用いて、事業者にテナントビル、コンビニ、マンションなどの収益物件を建てて運用してもらえば、お金や労力をあまりかけなくても収益が期待できるでしょう。

安定性を重視したい場合

安定性を重視して土地活用を始めたい場合は、介護施設や倉庫などの事業用地として、事業用定期借地権で事業者に土地を貸すとよいでしょう。

契約期間中、土地所有者は「相当の地代」という地代を受け取れます。なお、年額相場は更地価額(更地としての取引額)の6%程度とされています。

管理の手間をかけたくない場合

管理の手間をかけずに土地活用をしたい場合は、次の方法がおすすめです。

  • 建設協力金方式
  • 土地信託

いずれも土地活用のプロが事業計画から建築資金の調達、建築、事業の運営、建物の維持管理まで、土地活用事業のすべてを手掛けてくれます。

また、サブリース契約(一括借上げ方式)のコインパーキング経営も手間がかかりません。サブリースで契約すると、駐車場運営会社が土地所有者から土地を借り上げて、駐車場運営会社が舗装や設備の設置をし、維持管理や集金などもすべておこなってくれます。

節税対策をしたい場合

土地活用で節税対策をしたい場合は、貸し土地(定期借地権)や建設協力金方式で賃貸アパートや賃貸マンションを建てるのがおすすめです。

この場合、住宅用地の特例措置が適用され、次の表のように固定資産税・都市計画税が軽減されます。

区分固定資産税都市計画税
小規模住宅用地住宅用地で住宅1戸につき200m2までの部分価格×1/6価格×1/3
一般住宅用地小規模住宅用地以外の住宅用地価格×1/3価格×2/3

出典:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)

また、ローンを組んで初期投資をおこなうと、マイナス資産ができるため、相続財産が減り、相続税の節税ができます。ただし、ローンを組むには、借入金額の10~30%程度の自己資金を用意しておかなければなりません。

条件が良くない土地でもお金をかけずにできる土地活用

ここまで紹介してきた等価交換、建設協力金方式、土地信託は、立地などの条件が良い土地でないと収益が出ないため、ディベロッパーや信託会社から断られる可能性が高いです。そこで次は、条件が良くない土地でもお金をかけずにできる土地活用の方法を4つ紹介します。

  • 駐車場
  • トランクルーム
  • 看板設置用地
  • 貸し農園

駐車場

土地が駅や商業施設など人が集まる場所にある場合は、駐車場経営がおすすめです。

駐車場経営は、月極駐車場とコインパーキングに分けることができますが、月極駐車場の場合は、舗装と白線引き、場所によっては砂利敷きとロープ張りだけで始められるので、初期費用や管理費用がほとんどかかりません

一方コインパーキングの場合は、およそ200万~500万円程度の初期費用がかかります。しかしサブリース(一括借り上げ方式)で駐車場運営会社と契約すると運営会社にすべてを任せられるので、手間がかかりません。

トランクルーム

都市部からアクセスのいい場所に土地がある場合は、トランクルーム経営がおすすめです。

トランクルーム経営は、コンテナハウスと呼ばれる建物を建てて、収納スペースとして貸し出す土地活用方法です。初期費用は200万円程度かかります。トランクルーム経営もトランクルーム運営会社にサブリース契約ですべてを任せることが可能です。

ただし、第一種・第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、市街化調整区域ではトランクルーム経営はできませんまた、荷物の搬入・搬出のしやすさから、土地の間口が6m以上、前面道路の幅員が6m以上はないとトランクルーム経営に適しているとはいえないでしょう。

参考:国土交通省「土地利用計画制度の概要

看板設置用地

ロードサイドなど人目につきやすい場所にある場合は、看板設置用地として活用がおすすめです。

看板設置用地として事業者に貸し出すことも、自らの事業についてのPR看板を設置することもできます。広告会社に野立て看板の設置を依頼した場合、地域や看板の材質などにもよりますが制作費は1~5万円程度です。設置費を含めても20万円程度の出費で済むでしょう。

ただし看板設置については屋外広告物制度で規制されている地域もあるので、事前に都道府県・指定都市・中核市の担当部署や、専門の行政書士に相談することをおすすめします。

参考:国土交通省「屋外広告物制度の概要

貸し農園

所有地が実態として農地である場合は、近隣の住民などに畑を貸して週末農業をしてもらうシェア畑や、農地の管理や作物の栽培をオーナーがおこない、利用者には収穫などを体験してもらう体験農園として活用するのがおすすめです。

特にシェア畑は、農具、種、苗、水など栽培に必要なものを完備し、サポートもしてくれる農園が、手ぶらで気軽に農作業が楽しめると都市部でも人気が高まっています。

初期投資もすでに農地として使用されているのであれば、柵の設置や農具の購入などで済み、管理費用も大きな負担にならないでしょう。なお、貸し農園の運営会社もあります。

お金のかからない土地活用をする際の注意点

お金のかからない土地活用をする場合、あらかじめ注意しておきたいポイントがあります。ここでは注意点を2つ紹介します。

  • 資金を借り入れる場合は一定の自己資金が必要
  • 節税効果がないこともある

資金を借り入れる場合は一定の自己資金が必要

1点目は、金融機関などから初期費用として資金を借り入れる場合は、一定額以上の自己資金を用意しなければならない点です。一般的に、借入総額の10%以上の自己資金がないと、借り入れの審査をパスできないといわれています。

また、自己資金なしで借り入れできる不動産担保ローンもありますが、所有している不動産に抵当権が設定されるため、返済ができなくなると担保にした不動産が差し押さえられてしまう恐れがあります。

資金を借り入れるときは、必ず借入条件や金利などを調べて、現実的な返済計画を立てるようにしてください。

節税効果がないこともある

節税をするために土地活用を始めようとする方もいるかと思いますが、必ず節税効果があるとは限らない点も注意です。特に相続税対策のために土地活用を検討している方は、資金の借り入れをしなければ、マイナスの財産がないため、相続財産を減らすことはできず、相続税が軽減されません

どのようにすると節税できるのかについては、専門の税理士に相談するとよいでしょう。

お金のかからない土地活用の相談先

最後に、土地活用について相談したいときにどこに相談したらよいのか、相談先を紹介します。

  • 土地活用会社
  • 土地活用コンサルタント

土地活用会社

「このような活用をしたい」というアイデアがある方は、土地活用会社に相談するとよいでしょう。

土地活用会社とは、ディベロッパー、信託会社、駐車場運営会社など、土地活用事業を実際におこなってる会社です。例えば、次のような会社があげられます。

土地活用の方法相談先
アパート経営ハウスメーカー
マンション経営ディベロッパー
駐車場経営駐車場運営会社、不動産会社
トランクルーム経営トランクルーム運営会社
太陽光発電太陽光発電専門会社
介護者施設建設会社、不動産会社、介護施設専門会社
貸し土地不動産会社
買い替え不動産会社

インターネット上には、複数の土地活用会社に対して土地活用プランの一括請求ができるサイトがあるので、それを利用すると便利です。

立地などの条件が良く、高い収益性が見込まれる土地であれば、土地活用会社のほうから土地活用を打診してくることもあります。そのような場合は、まずその会社が信頼できるかどうかをインターネットなどで確認してから、話に応じるようにしてください。

土地活用コンサルタント

地活用について具体的なアイデアがまだなかったり、土地活用会社とは別の視点からの意見が聞きたいなどという方は、土地活用コンサルタント、または、土地活用コンサルティング会社に相談するとよいでしょう。

土地活用コンサルタントとは、土地活用について多角的な視点から調査・分析し、最適な土地活用の方法をアドバイスしてくれる専門家です。セカンドオピニオンとしての意見を助言してくれるほか、初期費用や管理費用の妥当な金額や、土地活用を始めたり、見直すタイミングなどもわかりやすく説明してくれます。

まとめ

本記事ではお金のかからない土地活用の方法として、6つを紹介しました。このうち貸し土地(定期借地権)、等価交換、建設協力金方式、土地信託は立地などの条件が良い土地でなければ成功するのは難しいでしょう。

しかし、条件が良くない土地でもお金をかけずにできる方法もあります。なかでも駐車場経営、トランクルーム経営、看板設置用地、貸し農園経営は負担が少なく、おすすめです。

ただしお金をかけなくても土地活用は可能ですが、投資失敗のリスクに注意しましょう。土地活用会社を選ぶときに比較検討したり、第三者的な立場からのセカンドオピニオンを得るために土地活用コンサルタントに相談するなど、慎重に事を進めるようにしてください。

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この記事の著者
駅探PICKS編集部
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