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土地活用の失敗例は?成功させるためのポイントも解説【専門家監修】

土地活用の失敗例は?成功させるためのポイントも解説【専門家監修】

土地活用は投資の一種で、一度に大きなお金が動きます。持っている土地を何かに活用したいと考え、土地活用をはじめようと考えても尻込みしてしまう人は少なくありません。

しかし、失敗例から学べば、どのように失敗ルート避ければよいのかわかるようになります。さらに失敗例がわかればリスク分散の方法や別の選択肢を検討することも可能です。失敗に備えて計画を立てれば、土地活用をより堅実におこなっていくことができるでしょう。

失敗の可能性を恐れるだけでなく、失敗例の原因と回避方法を知ることが大切です。

そこで本記事では、土地活用を成功のために事前に把握しておきたい土地活用の失敗例について紹介していきます。逆に成功した例もあわせて紹介していくため、明暗を分ける要素を比較参照できます。土地活用をはじめたいと思っている人はぜひお読みください。

監修者情報

芸能人御用達不動産 代表執事 なちゅ

プロフィール
ギャルサー総長から、アイドルグループSDN48メンバー、女優、お笑い芸人、書道師範代という多彩な能力を持ちながら現在は宅地建物取引士となり著名人の方専門に不動産の売買・賃貸取引を行う「御用達不動産」として活躍の場を広げる。

土地活用の失敗例

土地活用の失敗の原因は計画性のなさや過度な希望的観測、不注意に起因します。具体的にどのようなことが失敗を導いたのかを例示すると、以下のとおりになります。

  • 収入と手取りの違いを考えていなかった
  • 税金の計算をしなかった
  • 1つの用途にこだわってしまった
  • ニーズの把握が甘かった
  • 建物の間取りが立地に適していなかった
  • 経費削減にこだわりすぎた

それぞれの問題点を順番に見ていきましょう。

収入と手取りの違いを考えていなかった

いざ運用を開始したら支出が収入を超えてしまい経営が破綻…これは資金計画の不備からよく発生する失敗です。収入と手取りの違いを理解していないばかりに収入より支出が多くなり、赤字になってしまったというケースは少なくありません。手に入るお金のことばかりを考え、出ていくお金を計算しておかないとこのような失敗を招きます。

そもそも土地活用でまとまった収入を受け取っても、初期費用やランニングコスト、ローンの返済費用がかかるため、手取り額として受け取れる額は異なります。健全なキャッシュフロー(資金の入出)を計画することが土地活用の基本です。

一度キャッシュフローに問題はないと思っても、それが無理のない資金計画かどうかは再度見直してみましょう。利回りを追求し過ぎたせいで手元にお金が残らないようなケースもあります。

例えば賃貸経営なら全室満室のような理想状態ありきで資金計画を練ると、空室が少し増えただけで破綻しかねません。

税金の計算をしなかった

土地活用は節税対策になるとされていますが、活用方法によっても節税となる程度が異なります。節税のつもりでおこなった土地活用で、かえって固定資産税や事業税の負担が増えてしまったという失敗もあります。

この失敗の原因は、どの活用方法が、どの程度の節税になるのかを考えなかったことにあります。例えば固定資産税を減らすために、駐車場経営を選んだら意味がありません。固定資産税は土地に建物があることで減税されるため、駐車場経営は建物を建てるような活用ではないためです

「土地活用で税金が安くなる」と早合点したはいいものの、節税の対象や条件などを把握できていないと目的を果たせません。

1つの用途にこだわってしまった

1つの活用方法ありきで土地活用を考えた結果、その土地にふわさしくないような活用方法を選んでしまうと費用だけがかさんで、利益も得られないような事態に陥ってしまいます。

例えばわかりやすい例でいえば、高い利益率狙いで賃貸経営にこだわり、需要がない土地にアパートを建てるケースがあります。需要がないのにアパートを建てても入居者は現れないため、思ったような利益は得られないでしょう。投入した費用も無駄になります。

土地の立地や周辺のニーズを無視した活用方法は、他の要因とあわせて失敗の原因となりがちです。自分がやりたいと感じた活用方法以外が最適である場合もあるため、視野は広く持つようにしましょう。

ニーズの把握が甘かった

立地やニーズを無視した、あるいは把握しきれていない活用方法が原因となって招かれる失敗もあります。例えば駅や店の遠いマンション、人気のない立地のコンビニ、相場の数倍のコインパーキング…このように、利用者が使いたいと思えないような活用方法では利益を上げることはできません。

加えて適切な料金相場を把握していないと競合のサービスにシェアを奪われることにもなります。利用者のニーズに適していない土地活用を始めてしまうことは避けましょう。

建物の間取りが立地に適していなかった

賃貸経営を始めたはいいが、ワンルーム需要の高い地域なのにファミリー向けの間取りでアパートを建ててしまったらミスマッチが発生します。利用者は使うに使えず他の物件を探し、経営者は適切な選択をしていれば得られたはずの利益を逃がすことになります。

また、賃料単価はワンルームが高い傾向にあるため、経営者側にとってワンルーム需要の高いエリアというのは好条件であるといえます。適切な立地で適切な活用を選ぶことで利益が得られるため、立地とニーズの把握は必須です。

経費削減にこだわりすぎた

健全な資金計画は土地活用において重要な要素ですが、利用者のいる土地活用は相手が人間であることを忘れてはいけません。建築費の安さばかりに注目して粗悪なアパートを建てても、入居者は集まりにくくなってしまいます。ローコストにこだわり過ぎて、利益がなければ本末転倒です。

利用者は商品やサービスなどの代価として金銭を支払うため、一定の質のものを提供しないと利益を上げられません。コストを削減するとしても、コストをかけるべき箇所と削るべき箇所をしっかりと定め、活用の価値を損なわないことが大切です。

土地活用のリスクを回避する対策

土地活用にはリスクがつきものであり、失敗の恐れは常にあります。しかし、適切な対策をおこなうことでリスクを回避し失敗を遠ざけることも可能です。これまでに見てきた失敗例も、以下のようなものを意識することで対策することができます。

  • しっかりとした事業計画を立てる
  • 信頼できる業者に依頼する
  • 必要経費を見極める
  • 空室対策を徹底する

失敗の原因が計画性のなさなどであることの正反対に、注意深く土地活用の計画を進めていくことがリスク回避のために重要なこととなります。

しっかりとした事業計画を立てる

土地活用を始めるにあたっては「自分は経営者である」という自覚を持ちましょう。事業をおこなうためには、自分でしっかりとした事業計画を立てることになります。

キャッシュフローを想定し、土地活用を続けていけるように長期的な目線で考えていくようにする必要があります。利益率が高いからと無理な活用方法を選ぶなど、現実味のない事業計画は避けましょう。

土地活用に合った市場調査をおこなったり、不動産業者やハウスメーカーなど土地活用のプロと戦略を練ることも大切です。 業者のいうことを鵜呑みにするだけではなく、自分で知識を身につけて管理や運営をおこなうことも経営者の責任です。

経営者として自分の資金土地の事情を考え、どのような活用方法を選ぶのかを判断しましょう。

信頼できる業者に依頼する

建物を建てて賃貸経営をする場合や、土地を業者に貸して賃料を得る場合など、多くの土地活用では不動産業者などのプロの力を借りることになります。そのため、手を組む場合は信頼できると思える業者に依頼をすることが大切です。

実際に活用をはじめる前の検討段階から、土地の持ち主のニーズや土地強みやリスクなどの事情を考えた提案をしてくれるかどうかが、信頼できる業者とそうでない業者の違いであるといえます。複数の業者をリサーチして、分析の依頼や活用の相談をおこない信頼できると感じる業者を選びましょう。

「しっかりとした事業計画を立てる」の項目のとおり、経営者として自身が知識を身につけることで信頼できる業者を探しやすくなります。儲かるからと利益ばかりを強調してリスクの高い提案をおこなう業者は候補から除外しましょう。

監修者
監修者
回答を急かしたり、良いことしか言わない会社には気を付けましょう。しっかりと話を聞いてくれる。そして複数の提案をくれる。そういった、依頼主の気持ちに寄り添う営業ができる会社は良い会社だと思います。

必要経費を見極める

土地活用の経営においては無理のない資金計画を組み立てることが重要ですが、支出を削りすぎることは避け、必要な箇所にはしっかりとお金をかけましょう。

顧客が利用を考えるうえで基準とするような要素、例えば建物の清潔さなどは、必要なランニングコストコストを支払って維持する価値があります。顧客が長く利用し、継続的な利益を得ることができれば収支はプラスになります。

空室対策を徹底する

マンション・アパートの賃貸物件や月極駐車場の経営は、部屋や駐車スペースを利用する契約者が現れなければ利益が発生しません。これを空室リスクといいます。特に賃貸物件は初期費用が高いため空室リスクをより意識しなければなりません。

賃貸物件の空室を埋めるためには、入居者探しなどを積極的におこなってくれる管理会社を選ぶことが大切です。退去者が出ると次の入居者が現れるまで利益が発生しないため。空室を埋めるためにスピード感のある対応をおこなってくれる業者を選びましょう。

また、賃貸物件のポータルサイトなどに掲載する写真を新しくするなど、自分がおこなえる工夫も必要になります。

土地活用の成功例

失敗例やリスク対策を踏まえて、成功例について見ていきましょう。この項目では、土地活用の代表的な活用方法における成功例について紹介していきます。自分が考えている活用方法はどのようにすれば成功できるのか、失敗例とあわせて事例を把握していきましょう。

監修者
監修者
出来るだけ初期費用を抑えた活用方法の中から選択するのが良いと思います。いきなりマンションを建てて経営を始めるなんていうのは現実的ではないですね。例えば、借家権等の権利が発生しない、時間貸し駐車場やバイク置き場といった活用であれば、何かあったときに辞めやすいのも特徴です。

太陽光発電の場合

太陽光発電は、日当たりのよい立地にソーラーパネルを設置して発電し、得られた電気を電力会社に売却(売電)して利益を得る活用方法です。

発電に使用するソーラーパネルや一連のシステムは高価な精密機器であるため、太陽光発電は故障や修繕費用がかかると利益率や費用回収率が大きく下がるリスクを抱えています。そうしたリスクに対しては、こまめなメンテナンスをおこなうことで回避されてきました。

また、修繕費用を減らすことで総額での支出を減らすことができます。太陽光発電は利益率そのものは高くない活用方法ですが、住宅需要や店舗需要の低い場所でも活用できることがメリットです。修理などのイレギュラー出費を減らすことで収支を維持し、成功につなげられます。

トランクルーム経営の場合

コンテナや倉庫を利用者に貸し出すことで利益を得る活用方法がトランクルーム経営です。トランクルーム経営は一般的に見られるようになってからまだ日が浅く、賃貸経営や駐車場経営と比べてノウハウの蓄積も低い傾向にあります。

そうした状況でトランクルーム経営を成功させるコツは、トランクルームの専門会社が持っている情報を活かすことです。需要調査や料金設定の相場など重要な要素は、自力で調べるよりも専門業者との相談をおこなってから決めましょう。

賃貸経営の場合

マンションやアパートの賃貸経営は高い利益率が特徴的な活用方法です。適切な立地や相場にあった家賃設定は、賃貸経営の成功のためには欠かせません。健全な経営をおこなえている賃貸物件は、活用を始める前に周辺の需要や相場についての調査をしっかりとおこなっています。

事前の調査に加えて、アパートやマンションの入居者を募集する際に、 入居者の希望を聞き入れる姿勢を見せることで集客に成功した例もあります。入居者の募集に利用する業者と連携し、入居希望者からの交渉に対して可能な限りの対応をおこなったりすることで顧客の満足度も高くなり、入居や長期契約を期待することができるでしょう。

駐車場経営の場合

初期費用をあまりかけず、駐車スペースがあればはじめることのできるのが駐車場経営です。賃貸物件と同じように、適切な立地で経営をすることでよりよい収益を得ることができます。

駐車場経営には月極駐車場コインパーキングの2種類があるため、住宅地やオフィス街に近い場合は月極駐車場、駅や商業施設に近い場合にはコインパーキングというように土地の事情に最適な業態を選ぶことが大切です。

駐車場経営では、「狭く小さい土地であるため駐車スペースがあまり確保できない」という場合に、初期投資を減らし、あわせて賃料を下げたことで成功するケースがあります。賃料が低ければ、競合する他の駐車場よりも選んでもらいやすく、費用対効果にすぐれた利益をえることが可能になります。

店舗経営の場合

店舗経営は文字どおりにコンビニエンスストアやドラッグストアなどの店舗を経営し、その利益を得る活用方法です。前提として顧客が集まる立地で経営をおこなうことが成功のためには必要です。そのため、事前調査をしっかりとおこなって適切な立地に出店すれば、よりよい利益を得ることができます。

また、テナントから融資を得ることで、銀行などの金融機関から融資を受ける場合よりも好条件で経営をはじめられるケースなども、成功につながりやすいとされます。この方法を建設協力金方式といい、建物資金をテナントから融資を受けて建物を建てることで土地活用をおこなえます。

立地条件のよい土地であれば建設協力金方式の提案を受けやすくなるため、この申し出があったときには利用を検討しましょう。

事業用定期借地の場合

事業用定期借地は、業者に土地をそのまま貸し出し、契約期間中の賃料を得る活用方法です。事業者にとって魅力的な土地であれば、初期費用をほとんどかけずにおこなえる投資方法となっています。

さらに土地価格が高いタイミングで地代を請求できる場合には、より高い利益を得ることができます。土地価格の上昇している時期に契約を結ぶなど、経済の動向を注視しましょう。

土地活用を成功させるためのポイント

土地活用を成功させるためには、個別の成功例に加え、投資の一般的なポイントを抑えておくことも重要です。以下の4ポイントを把握し、土地活用を成功させましょう。

  • 土地活用のプランを一括請求する
  • 年単位の利益で考える
  • 立地条件に合う活用方法を選ぶ
  • 経験者やプロの話を聞く

それぞれのポイントの詳細を順番に見ていきましょう。

土地活用のプランを一括請求する

まずは土地活用を考え始めたら、土地活用のプランを業者から一括請求しましょう。資料請求は各社に土地活用法をまとめて比較することのできる土地活用比較サイトを利用することがおすすめです。

こうしたサイトでは、業者のホームページを一個ずつ探していくよりもはるかに効率的に土地活用プランを調べることもでき、資料も一括で複数社から請求できます。土地活用選びの初期段階の手間を大きく省くことができるでしょう。

複数の業者にプランを一括請求し、見比べたなかから活用方法や相場感で信頼できそうな業者に絞っていきましょう。

年単位の利益で考える

土地活用は比較的長期の時間をかけて費用を回収する投資方法です。賃貸経営で建物を建てる場合などは特に高い初期費用がかかりますが、その回収には長い年月をかける必要があります。

年単位といっても、1年や2年といった短期ではなく、10年単位で長期的に利益を出せるようなプランを選ぶことが大切です。

立地条件に合う活用方法を選ぶ

立地条件に合った活用方法でなければ、利用者が現れず利益を得ることができません。そのため、必ず立地条件に合った活用方法を選ぶようにしましょう。

例えば利用者に依存しない太陽光発電でも日当たりのよい土地であることが必要です。賃貸経営の場合は人口が多く、住宅需要も高い都心部や、駅やスーパーマーケットなどが近い利便性の高いエリアが向いています。反対に人口や交通量の低い山奥は賃貸経営に向いていません。

もし、活用が難しいと感じる場合には、土地の売却も検討してみましょう。

経験者やプロの話を聞く

ここまで失敗例や成功例を見てきたように、土地活用の経験者事例に詳しい業者などのプロの話を聞くことは、経営をおこなっていくうえで重要な参考となります。知り合いに土地活用のオーナーがいれば話を聞いてみたり、不動産会社と土地について相談をおこなってみましょう。

自分の持つ土地と似た土地の活用事例を絞り込み、活用の参考にできる要素を取り出してみましょう。

まとめ

土地活用にはリスクがつきものであるため、過去には失敗の事例が多くあります。土地活用を失敗させないために過去の失敗例を把握し、どうすればリスクを対策できたのか、失敗例と成功例を比較して何をすればよかったのかを把握することが大切です。

また、土地活用をおこなう経営の当事者として自分で事例や知識を身につけつつ、不動産業者などのプロの力も借りていきましょう。信頼できる業者を探し、土地活用や相談において適切なサポートを受けることができれば、リスクも避けやすくなります。

「失敗は成功の母」ということわざもありますが、事例と回避方法を知った以上は自ら同じ失敗をする必要はありません。過去の事例をチェックして必要な対策を講じ、土地活用を成功に導きましょう。

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2023年4月時点で最新の土地活用に関する情報をまとめています。

 

この記事の著者
駅探PICKS編集部
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