土地売却が進まない理由!条件が悪い土地の特徴と対処法を解説

土地売却が進まない理由!条件が悪い土地の特徴と対処法を解説

利用することがない土地をできるだけ早く処分してしまいたいと思っていても、思い通りにならずいつまでも売れ残ってしまう場合があります。

買いたいという人が現れるまで粘り強く待ち続けるのもよいですが、その間の経費や管理はすべて所有者の負担となります。毎年の税金も支払わなければいけません。

では、できるだけ早く手放したい場合どのような方法があるでしょうか。本記事では、土地が売れ残る原因や売れ残りの土地を売る方法、それでも売れなかった場合の対処法について詳しく解説します。

土地の条件が悪いと売却できない

売れ残ってしまう土地には、土地自体にも何らかの原因があります。ここではよく見られる原因について解説します。

土地売却には時間がかかる

土地の売却は準備から契約が成立するまで想定している以上に時間がかかるものです。一般的に土地の売却を始めてから契約が成立するまで3ヶ月はかかると言われています。不動産会社としても平均6か月を目安としています。

ただし、これはあくまでも事前の準備などが順調に進んだ場合の日数であり、他に土地の名義変更手続きや整地、家屋が残っていた場合の解体などがあると、さらに日数はかかります。そのため、長くても半年あれば大丈夫とは考えずに、余裕をもって準備をしましょう。

土地が売れないのはコロナも関係している?

日本では2020年の冬から一気に猛威を振った新型コロナですが、感染拡大だけではなく不動産業界でも少なからず影響を受けました。ここで、国土交通省が毎年度公表している「土地取引規制基礎調査概況調査結果(集計表)」から新型コロナ流行の2019年から2021年までの取引数をピックアップしました。

 

取引件数

前年比

2018年

1,541,456

2019年

1,543,388

100%

2020年

1,486,427

96%

2021年

1,558,772

105%

参考:国土交通省「土地取引規制基礎調査概況調査結果(集計表)」

これによると、2019年まではほぼ前年と同程度の取引が行われていましたが、新型コロナの感染拡大とともに、全国で緊急事態宣言および自粛生活が続いた2020年は前年を下回る取引件数となりました。翌2021年から2022年に至るまでは緊急事態宣言やまんえん防止対策も解除されたため、土地の取引件数も例年並みに戻りつつあります。

それでも、まだコロナ禍前の状態に戻ってはいません。今後の動向も注視していく必要があります。

土地売却がうまくいかない理由

売買契約成立まで3ヶ月~6か月と言われていますが、これはあくまでも平均日数です。中には半年、1年経っても売れ残っている物件もあります。これには次のような理由が考えられます。

  • 売り出し価格が相場と合っていない
  • 土地の需要が悪い
  • 立地が悪い
  • 建ぺい率・容積率が低い
  • 境界線が未確定のままになっている
  • 土地が整形地ではない
  • 土地の地盤が弱い・傾斜地になっている
  • 市街化調整区域内の土地で売れにくい
  • 土壌汚染の懸念がある
  • 不動産会社の営業方法に問題がある

次に、それぞれの理由を詳しく解説します。

売り出し価格が相場と合っていない

売り出し価格が周辺の価格よりも高値、あるいは安価な場合はそれが原因で売れないことも考えられます。売り出し価格は売り主が決めますが、例えば損をしたくないからといって周辺の物件より高ければ、買い主は似た土地で安い価格のほうを選ぶのは当然でしょう。

逆に、少しでも早く売ってしまいたいと思ってあまりにも安価で売り出すと、「この土地はいわくつきでは?」と疑われ、逆に買い手が付かなくなるケースもあります。つまりは土地を売却したいのなら妥当な価格をつけたほうが売れやすいとい言えるのです。

そのために、相場を知ることが大切です。とはいえ相場といっても一つではありません。

不動産会社や不動産鑑定士に査定を依頼し、その参考価格から割り出す相場や公共機関で公表しているデータをもとにした相場額があります。それぞれの視点から相場を調べて売り出し価格を決めることが大切です。

土地の需要が無い

地方の土地によくあることですが、どんなに面積が広くてお得な価格で売り出しても、交通の便が悪かったり商業施設などが近くにないとなかなか買い手はつきません。

将来性を見込んで今のうちに買っておこうと思う人もいるかもしれませんが、それはある意味ギャンブル的な買い方になります。そのような人はごく少数です。多くの人は生活するために家を建てる、そのための土地が欲しいと思っているため、生活しやすい所が一番人気です。

立地が悪い

土地の広さもあり価格も手頃なのに売れないのは周辺の環境に問題がある場合が多いです。墓地や葬儀場、またはギャンブル関連の施設などといった郊外型の大型店舗、24時間営業の飲食店や風俗店、宗教関係の施設などは敬遠される要因となります。特にファミリーには敬遠されるエリアです。

建ぺい率・容積率が低い

土地の範囲内であれば家屋を自由に建てられるわけではなく、土地ごとに建ぺい率と容積率が決まっています。建ぺい率とは土地に対する家屋の建坪の割合をいい、建ぺい率の割合は30~80です。つまり、建坪が80%ということは、100㎡の土地に建坪80㎡までの家を建てられるということです。

また、容積率とは、土地に対する建物全体の床面積の割合をいい、50~1,300が認められています。分かりやすく言えば、容積率150%であれば、100㎡の土地に1階2階合わせて床面積が150㎡までの家を建てることができるということです。つまり、土地いっぱいに家屋を建てることはできません。

その土地によって建ぺい率や容積率が決まっています。建ぺい率や容積率が高いということは、ビル並みの大きな建物を建てられるということになり、必然と土地の価格も高くなります。ただし、高くすればそれだけ購入希望者も減ります。

境界線が未確定のままになっている

整地されている土地は必ず境界線が決まっているものです。しかし、地方の人里離れた昔からある土地の中には測量を行っていないものがあります。広い土地で近隣に他の人の土地がなく売却する予定もないならそのままでもいいでしょうが、人の手に渡る土地は必ず境界線を明確にしてから売却することになっています。明確にしておかないと、トラブルのもとになってしまいかねません。

土地が整形地ではない

土地の中でも地方の人の行往来がないような僻地では、整地していない土地をよく見かけます。このような土地を売却するには、境界線を決めるためにもきちんと整地しておかなければいけません。祖先から受け継いだ土地は更地のままだったり樹木や草木が生い茂っていたりすることもあります。

こうなると、一日二日で整地できるレベルではありません。日頃からの手入れが必要です。土地を確実に売りたいのであれば、日頃の土地管理は大切です。

土地の地盤が弱い・傾斜地になっている

どんなに土地を整地していても、土地自体の状態が家屋を建てるのに不向きな場合も売れない条件になってしまいます。

特に自然災害の多い日本では大雨や地震などにより土砂崩れを起こしたり、液状化現象で陥没なども発生しやすくなります。このような情報はハザードマップで確認することができるので、危険区域内の土地であるなら必然的に避けられてしまうのです。

また、坂のある地域に多い傾斜地も売れない原因になります。見た目はきちんと整地してあっても、土砂崩れなどが起こると家屋が崩壊するどころか生死にかかわる問題にもなります。地盤に不安がある土地や傾斜地にある土地は他の土地よりも綿密な調査が必要です。

市街化調整区域内の土地で売れにくい

市街化調整区域とは農地などの維持を目的に整地された土地で、この区域内は住宅地として使用できないことになっています。市街化調整区域に該当する土地は地方に多く、親から譲渡された土地が実は市街化調整区域だったと後で知った人も少なからずいます。

この区域に指定された土地は原則として家屋は建てられませんが、手続きをすれば住宅地にすることはできます。ただし、手続きが面倒で時間もかかるのでおすすめはできません。

土壌汚染の懸念がある

住宅地も都市部から郊外へと広がるにつれて、以前は山林地帯だった地域にも家が建てられるようになりました。

しかし、そのようなエリアはかつては産廃処理場だったり化学薬品を不法投棄されていた可能性も多いのです。自然豊かで坪単価も安いからと買ってしまったはいいものの、土中に金属類や建築廃材などが埋まっていたり、土壌を汚染する化学薬品が混じっていたりします。

所有する土地がどのように使われていたかは、各自治体の地歴データで調べられるので、特に地方の土地はきちんと確認してから買うかどうかを決めた方がいいでしょう。

不動産会社の営業方法に問題がある

全国には多くの不動産会社があり、スタッフの能力も経験値も知識もさまざまです。それが大手の会社であればなおさらです。大くは売り手が会社に売却を依頼すると一人の担当者が付きます。その担当者と売却のスケジュールや方針を相談しながら話を進めますが、中には自分の意にそぐわない考えのスタッフもいるでしょう。

また、会社自体の営業方針のため土地売却の実績が少ない会社は売却以外の他の顧客を優先し、土地売却を後回しにしてしまうこともあります。

土地売却がうまくいかないときの対処法

いくら手を施しても買い手が現れないことも少なからずあります。だからと言って放っておいては、無駄に経費がかかるだけです。少しでも早く対処法を講じるようにしましょう。

  • 土地の売り出し価格を下げてみる
  • 土地を調査して情報を集める
  • 不動産会社の媒介契約を変更する
  • 土地売却を依頼する不動産会社を変える
  • 隣地で需要を探す
  • 土地売却ではなく買取をしてもらう
  • 個人・法人・自治体へ寄付する
  • 土地活用してみる

土地の売り出し価格を下げてみる

買う側は条件が同じであれば価格の安いほうを選ぶものです。半年以上経っても買い手が現れなければ、値下げすることを考えましょう。ただし、出来るだけ損失を減らしたいがために細かく値下げしても効果はありません。見た目にも違いが分かるような値下げをするといいでしょう。

例えば、1,900万円を1,800万円にするよりも2,000万円を1,900万円にした方が同じ100万円引きでも見た目からも安くなったように見えるのです。また、あまり短期間に細かく値下げをしていくと、買おうと思っている側も「もう少し待ったらまた値下げするかも」と思い、買い控えてしまいます。

土地を調査して情報を集める

土地の周辺の状況はもちろんのこと、土地自体の状況も専門家に調査してもらうなどして、おおやけに証明できる情報をそろえておくことが大切です。土地の周辺、例えば道路状況やインフラの状況などが、定期的にメンテナンスされているかどうかなどを逐一調べておくことが必要になります。

また、境界線が確定されていなければ専門家に測量してもらう、さらに土壌に汚染物質や産廃物が埋められていないかどうかなどを専門家に調査してもらいましょう。ただし、専門家に依頼するため費用はすべて売り主負担となります。

土地に越境物がある場合

もし、樹木や枝葉が隣の土地との境界線を越えて伸びてしまっていると近隣トラブルのもとになってしまうでしょう。逆に隣地の樹木や塀などがこちらに飛び出していたりすると、見た目も悪くなり売却条件でデメリットになりえます。

そのため、どうしても除去できない場合は、隣地との間で越境の覚書を取り交わしておきましょう。越境の覚書は一度取り交わすと長く効力がありますので、売却する前に取り交わしておく方がいいでしょう。

不動産会社の媒介契約を変更する

媒介契約とは、土地を売る際に不動産会社が仲介役として売却活動から売買締結まで一任する、不動産会社と売り主間の契約のことです。この媒介契約には次の3種類があり、売り主が決めて契約することができます。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

一般媒介は、複数の会社に依頼できると同時に売り主本人でも買主を探して契約できます。

専任媒介は、売り主本人が売却活動もできますが、依頼できる会社は1社のみ、その会社は2週間に1回以上売り主に現状報告をする義務があります。

専属専任媒介契約は、依頼できる会社は1社のみで売り主本人が買い主を見つけ売買契約を結ぶこともできません。

このように媒介契約といっても、それぞれにメリット・デメリットがあります。最終的には、自分の方針や計画にあった方法を選ぶのが一番です。土地の所在地が人気のあるエリアで広さも価格も自信のある物件であれば、自分の手でも買主を探せる可能性が高くなります。そういう人には一般媒介契約が適しています。

一方、売却に自信がない、売るあてもないという人には専任媒介契約や専属専任媒介契約がいいでしょう。

土地売却を依頼する不動産会社を変える

媒介契約をして半年以上経っても売れない場合は、媒介契約を解約して別の会社と契約を結び直すこともできます。上記の媒介契約のうち一般媒介契約はいつでも解約が可能なため、売れないだけではなく会社とのコミュニケーションがイマイチうまくいっていないなと思った場合は解約することもよいでしょう。

また、契約する前ならお試しに一般媒介契約を結ぶのがいいでしょう。初めて媒介契約を結んでみて、不動産会社の良し悪しも見えてきます。

隣地で需要を探す

土地の形状が細長いと家を建てるのに向かなかったり、細い路地を通った奥にあるような土地、いわゆる旗竿地と呼ばれている土地や、どの道路とも接していない土地の場合は、隣地の所有者に打診してみるのもいい方法です。

隣地の所有者にとっては土地を所有することでより土地が使いやすくなることもあります。このようなときは個人的に交渉して価格を下げるか、売るのが難しければ譲渡を申し出てもいいでしょう。

無償で譲渡すると損をするのではないかと思ってしまいますが、手放すことで固定資産税や管理費などを支払う必要がなくなるので売れない土地なら無償でも手放したほうがいいこともあります。

土地売却ではなく買取をしてもらう

売れない土地をいつまでも持っていては経費がかさんでしまいます。売れそうにないと思ったら不動産会社に土地を買い取ってもらう方法もあります。この場合、売却予定価格の80%ほどになってしまいますが、この先の納税などの事を考えたら最も賢い方法かもしれません。

ただし、買い取ってもらった後に買い手が見つかっても自分の利益にはなりません。買取をしてもらうタイミングにも気を付けましょう。

個人・法人・自治体へ寄付する

不動産会社に依頼しても売れそうにない場合は、個人や法人、自治体と交渉し、安価な価格場合によっては無償で譲渡することも選択肢に入れましょう。「ただであげる」ということに、抵抗を覚える人も多いでしょうが、このままずっと所有しているとそれだけ税金や管理費がかさみます。そのことを考えるといっそのこと寄付した方が結果的には得なのです。

ただし、寄付した場合、みなし譲渡所得が発生したとみなされ、寄付した側は所得税が、寄付を受けた側は贈与税が課せられる可能性もあることを覚えておいてください。

土地活用してみる

いつまで経っても売れないし、かといって寄付もしたくない場合は、自分で活用してみることも考えましょう。活用方法はいろいろあります。

  • 戸建やマンションなど賃貸物件を建て家賃収入を得る
  • 駐車場や資材置き場として貸す
  • コンビニやコインランドリー、トランクルームなどを建てて運営する
  • 家庭菜園として貸す
  • 太陽光発電用地として利用する、貸し出す

土地の広さや形状、エリアなどにもよりますし、どの方法を選んでも手間と費用がかかります。しかし、いずれにしても更地にしておくよりも税金は抑えられますから、自分の生活スタイルに合わせてずっと続けていけるような、そして損をしない方法を選びましょう。

土地売却できないときの注意点

以上のように売れないのをずっと待っていてもいいことなど一つもありません。自分で使う予定がないならさっさと手放すことを考えましょう。なぜ手放すのがいいかの理由は次の2点です。

土地売却できない場合があっても放置しない

売れないからといっていつまでも放っておくと草木で荒れてしまい、しまいには不法投棄場所になっていて近隣とのトラブルの原因にもなりかねません。

また、遠方であまり人の往来も少ない場所にあるといつの間にか知らない人が駐車場にしていたり、畑を作っていたりなど無断で使われていたなんていうことも聞きます。

たとえ遠方で目が行き届かない場所でも定期的に見に行って草刈りをするとか整地などしてきれいにしておくと、勝手に使われることも少なくなります。それでも心配な場合は立ち入り禁止の看板を立てておくだけでも予防になります。

または、地元の不動産会社に管理を依頼するか、土地の近隣に住む人に管理をお願いするなどの方法もあります。

土地売却できなくても税金は払わなければいけない

当たり前のことですが、土地が売れない間はずっと所有者のものです。この間はずっと所有者が土地を管理し土地にかかる税金も払い続けなければいけません。

土地の名義人が変わる、つまり土地が売れるまでずっと税金を払い続けることになるのです。全く使用していないものにお金を払うことこそバカバカしいことはありません。いつかは使うつもりならまだしも、使う予定などないなら少しでも早く手放しましょう。

まとめ

本記事ではどうしても売れ残ってしまう土地の原因や手放すメリットと対策、有効に自分で活用する方法などを解説してきました。売れ残る原因は売る側に問題があるものだと考えてしまいがちですが、土地自体に問題がある場合も多くあります。

しかし、原因が分かっただけでは対策にはなりません。原因を解決できる方法を考え、少しでも早くかつ賢く売ることを考えなければいけません。自分の手元にある限り、全ての負担は自分に降りかかってきます。

たとえ、わずかな負担でも積もり積もって大きくなり、しまいには家計を圧迫しかねません。文字通り土地がお荷物になってしまいまわないよう、売るか自分で使うかの判断は早めにしておくようにしましょう。

この記事の著者
駅探PICKS編集部
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