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共働き世帯の増加にともない、家事の負担を軽減できるコインランドリーの需要は高まっています。投資目的でコインランドリー経営を始めたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、コインランドリー経営を始めるメリットやデメリットを解説しています。
コインランドリー経営を始める方法や必要な初期費用、成功のポイントなども解説しているので、コインランドリー経営の基礎知識として参考にしてください。
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目次
コインランドリー経営のメリット
土地活用としてコインランドリー経営を始めるメリットは、次のとおりです。
- 節税できる
- 人件費がかからない
- 固定客がつきやすい
メリットの内容を詳しく見ていきましょう。
節税できる
コインランドリー経営を始めると、次の3つの税制優遇を受けることができます。
- 小規模宅地などの特例
- 中小企業など経営強化法に基づく固定資産税の特例
- 中小企業経営強化税制
税制優遇を利用するためには、法人や個人事業主、会社員であることが前提です。コインランドリーの設備投資にかかった費用の即時償却か10%の税額控除を選ぶことができます。さらに、事業用の設備にかかる固定資産税も3年間免除することが可能です。
また、相続した土地でコインランドリー経営を始めると、課税評価額が8割減額されるため相続税対策にもなります。土地だけでなく設備や備品も相続税の課税対象になるため、相続税の負担をさらに減らすことが可能です。
人件費がかからない
コインランドリーは経営をおこなうために、人を雇う必要はありません。洗濯機や乾燥機などの設備を導入してしまえば無人で営業することが可能だからです。定期的に掃除する必要がありますが、自分でできるので人件費はゼロにできます。あとは週に1〜2回くらい投入されたお金を集金するくらいなので、ほとんど働かずに収益を得ることが可能です。
固定客がつきやすい
コインランドリーは立地がよければコンスタントに利用してもらえる確率が高いので、容易にリピーターを獲得することができます。洗濯は衣食住に関わることなので、売り上げが景気に左右されることはありません。共働きの夫婦が増えているので、家事の負担を軽くするためにコインランドリーを利用する人が増えています。定期的に利用する固定客の数が増えれば、安定した収入を得ることが可能です。
コインランドリー経営のデメリット
コインランドリー経営のデメリットは、次のとおりです。
- 状況によって売り上げが変わる
- 定期的なメンテナンスが必要
- 高額な初期費用がかかる
デメリットの内容を詳しく見ていきましょう。
状況によって売り上げが変わる
コインランドリーは雨や雪の日は洗濯物が乾きにくくなるため、売り上げが一気に伸びますが、晴れの日が続くと売り上げが落ちてしまう可能性が高いです。コインランドリーで利用率が高いのは乾燥機なので、固定客が増えても天気によっては収入が不安定になってしまうことは留意しておきましょう。
また、近くに競合店ができた場合も売り上げに影響がでます。固定客を失わないために、顧客ニーズを把握した店舗管理やサービスの提供などの工夫が必要です。固定客が見込める立地でも集客がずっと続くわけではないことを頭に入れておきましょう。
定期的なメンテナンスが必要
稼働時間が長ければ長いほど設備は故障しやすくなります。さらに設備が故障してしまった場合は、オーナーが修理費用を負担しなければなりません。急な故障で売り上げが落ちるのを避けるために定期的な点検も必要です。トラブルが続くと顧客の満足度が下がってしまうので、メンテナンスにかかる費用は削ることはできません。
高額な初期費用がかかる
コインランドリー経営にかかる初期費用はとても高額です。経営方法によって初期費用は変動しますが、20坪程度の小規模な店舗をオープンさせるためには設備費用だけで2,000〜3,000万円かかります。内装工事の費用を合わせると5,000万円を超える場合もあるので注意してください。投資費用をすべて自己資金でまかなえるのは少数派です。融資を受ける場合にも綿密な事業計画や経営の実績が必要となります。
初期費用を抑えたいなら設備のリースがおすすめです。コインランドリー経営では洗濯機などの設備を購入する費用が一番高いので、リースに変えれば大幅に初期費用を減らすことができます。また、投資効率を考えると、大きすぎる店舗は避けるのが無難でしょう。
コインランドリー経営を始める方法
コインランドリー経営を始める方法は、次の3つから選択することができます。
- 設備導入から運営まで自分でおこなう
- フランチャイズに加盟する
- コインランドリーの企業に土地を貸す
経営方法ごとのメリット・デメリットを確認していきましょう。
設備導入から運営まで自分でおこなう
土地に店舗となる建物を建設してから、コインランドリー経営に必要な設備を導入して自分で運営をおこなっていくことを直接経営と呼びます。直接経営のメリットとデメリットは、次のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・競合と差別化しやすい ・高い収益が得られる | ・管理の手間がかかる ・初期費用が高額になりやすい |
直接経営の場合は設備もサービスも自分で自由にプロデュースできるので、他店と差別化しやすいというメリットがあります。経営が軌道に乗ってくれば高い収益を得ることが可能です。ただしすべての業務を自分でおこなう必要があり、管理に手間がかかるため時間的に余裕がある人以外は向いていません。
フランチャイズに加盟する
全国展開しているコインランドリーとフランチャイズ契約をおこないオーナーになる方法もあります。フランチャイズに加盟するメリットとデメリットは、次のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・知名度がある ・経営のサポートが受けられる | ・他店との差別化がしにくい ・ロイヤリティが発生する |
フランチャイズでコインランドリーを開業する場合、最初から知名度が高いのである程度の集客が期待できます。加盟先によっては設備が故障したときなど本部のサポートを受けることが可能です。ただし、毎月ロイヤリティと呼ばれる加盟料の支払いが発生します。本部が定めたルールを守る必要があるので直接経営よりも自由度は低いです。
コインランドリーの企業に土地を貸す
所有している土地をコインランドリー業者に貸し出し、毎月地代を得る方法もあります。土地を貸すメリットとデメリットは、次のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
・安定した収入が得られる ・手間やコストがかからない | ・収益性が低い ・土地を自由に使えなくなる |
コインランドリーの店舗建設から設備の導入、経営まで業者に任せることができるので、初期費用は必要ありません。土地の賃料として毎月決まった金額を安定して得ることが可能です。ただし、自分で経営する場合と比較すると収益性は低くなります。他の活用方法を思いついても土地をすぐに返してもらうことはできません。土地を活用したい場合は契約期間が終わるまで待つ必要があります。
コインランドリー経営の初期費用
デメリットでも解説しましたが、コインランドリーの初期費用は高額です。経営を開始するためには、主に次の3種類の費用がかかります。
- 店舗の建設費用
- 設備費用
- 維持費用
費用の内訳や相場をチェックしておきましょう。
店舗の建築費用
土地が更地の場合は、コインランドリーの建築費用が必要です。一般的な20坪の店舗の場合で1,200万円程度かかります。店舗の建築費用は内装がないスケルトンの状態です。さらに電気や給排水、ダクトなどの内装工事費用や看板や街灯を設置する外装工事費用が別でかかります。例として20坪のコインランドリーの建築費用の相場を下記の表にまとめました。
費用名 | 費用相場 |
---|---|
店舗の建築費用 | 1,200万円 |
内装工事費用 | 500万円 |
外装工事費用 | 500万円 |
店舗面積が大きければ大きいほど店舗の建築費用は増加します。50坪以上の大型店舗を建てる場合は、2,000万円以上の費用がかかるでしょう。土地にもともと建物がある場合は、改装費用だけなので建築費用を抑えることができます。
設備費用
20坪の広さがあるコインランドリーの店舗には、洗濯機6台と乾燥機6台を設置することが可能です。12台の設備を導入する場合の購入費用の目安は1,500万円程度となります。設備の種類ごとの費用相場を下記の表にまとめました。
設備名 | 費用相場(1台あたり) |
---|---|
縦型洗濯機 | 15万円〜 |
ドラム式洗濯機 | 50万円〜 |
乾燥機 | 60万円〜 |
洗濯乾燥機 | 200万円〜 |
契約に手間がかかりますが、設備をリースにすると購入費用を大きく抑えることが可能です。例えば洗濯機4台と乾燥機8台のリース料金は月々15万円くらいが相場になります。一括購入よりは割高になってしまいますが、初期費用を抑えたい方はリースも検討しましょう。
維持費用
コインランドリーを経営していくためには、毎月30万円程度の維持費用が発生します。維持費用の内訳は、次のとおりです。
- 光熱費
- 洗剤代
- 固定資産税
- 保険料
なお、コインランドリーの維持費用は売上の20%程度かかると言われています。フランチャイズ契約の場合は、ロイヤリティの支払いも発生するので注意してください。設備をリースしている場合やローンで購入した場合は、毎月の出費がさらに増えます。売上に対する維持費用のシミュレーションもしておきましょう。
コインランドリー経営を成功させるコツ
何も考えずにコインランドリー経営を始めてしまうと失敗する可能性が高いです。ここでは、コインランドリー経営を成功させるためのコツを3つ解説します。
- 盗難対策を実施する
- 新品の設備を導入する
- 他店とは異なるサービスを提供する
内容を詳しく確認していきましょう。
盗難対策を実施する
下着や衣類などの盗難事件が発生した場合はオーナーの責任になるので盗難対策は必須です。コインランドリーは無人営業のケースが多いので、防犯カメラを設置するだけでも犯罪の抑止力になります。なお、防犯上の観点からも防犯カメラはなるべくダミーではなく本物を選んでください。万が一に備えて解像度の高いタイプがおすすめです。
また、監視カメラだけでは防犯力は劣るため、スタッフが定期的に巡回したり、セキュリティロック機能がある設備を導入したりするのもおすすめです。店舗を建てる場合は外部から中が確認しやすいデザインにするなど、盗難が起きにくい環境作りを心がけましょう。
新品の設備を導入する
初期費用は高くなりますが、中古よりも新品の設備を導入した方が結果的にはコストダウンできる可能性が高いです。中古の設備は部品を取り寄せることが難しく、故障した場合の修理代も高くなりやすい傾向にあります。一方新品の場合は修理保証があるので、万が一初期不良で故障した場合でも無償で修理を受けることが可能です。
さらに古い設備より最新機能が搭載された設備の方が、利用者の興味を引くことができます。コインランドリーを利用するのは女性が多いので、おしゃれで使いやすい設備を導入すれば売上アップも期待できるでしょう。
他店とは異なるサービスを提供する
近くに競合店舗がオープンした場合は、差別化をはかるために独自のサービスを提供することをおすすめします。一例としてコインランドリー利用者に人気サービスを見てみましょう。
- 洗濯終了時にスマートフォンに通知がいく
- 無料Wi-Fiが利用できる
- 漫画や絵本が置いてある
- カフェスペースが併設されている
- 靴専用の洗濯機がある
- ポイントが付くカードを発行する
- 空調を完備する
- 自動販売機を設置する
サービスを決めるときに大切なのが、ターゲットとなる人物の年齢層や家族構成です。市場調査をおこない、どのようなサービスを提供すればターゲットがリピーターになってくれるのかを考えましょう。女性に好印象を持ってもらうために店舗内を清潔に保つことも大切になります。
コインランドリー経営に関するQ&A
最後にコインランドリー経営に関するよくある質問について答えていきます。疑問をしっかり解消してからコインランドリー経営にチャレンジしましょう。
利回りは?
コインランドリー経営における利回りの平均は10〜15%です。立地の良い場所だと20%以上の高利回りも期待できます。アパートやマンションなどの賃貸経営の平均利回りは4〜8%なので、コインランドリー経営の利回りは他の土地活用と比較しても高いといえるでしょう。
しかし、必ず平均くらいの利回りが得られるわけではありません。本当に儲かるかどうかは、安定した集客と稼働率を確保できるかにかかっているので、コインランドリーの立地条件を満たしているかを必ず確認しておきましょう。
向いている土地は?
コインランドリー経営に向いている土地の特徴は、次のとおりです。
- 近くに住宅街がある
- 近くに商業施設がある
- 駐車場を確保できる広さがある
- 近くに競合店舗がない
人が住んでいる場所や人が集まる場所はコインランドリーを建てるのに向いています。ただし、第一種低層住宅専用地域に指定されている土地の場合は、都市計画法によりコインランドリーを作ることができません。計画倒れにならないように、用途地域についても確認しておきましょう。
開業するまでの手順は?
コインランドリー経営を成功させるためには、事前準備が必要となります。コインランドリーを開業するまでの手順は、次のとおりです。
- 立地の調査する
- 経営方法を決める
- 初期費用の見積もり
- 店舗を建築する
- 行政に届出を提出する
- コインランドリー開業
コインランドリーを開業したくても、土地に需要がなければ失敗する可能性があります。個人でやる場合もフランチャイズ契約の場合も、立地調査は忘れずにおこなってください。
なお、コインランドリーを開業するときは、保健所にコインオペレーションクリーニング営業施設開設届けを提出する必要があります。保健職員から店舗の検査を受け、検査済証を交付してもらう必要があるので取得しておきましょう。
また、コインランドリーの開業は、国の補助金や助成金制度を利用できる可能性があります。初期費用を抑えることができるので上手に活用しましょう。
まとめ
土地活用としてコインランドリー経営を始めれば、節税効果や安定した利回りと収入が期待できます。しかし、高額な初期費用がかかるので、手持ちの資金に余裕がある人でないと経営にチャレンジするのは難しいです。
集客が天候に左右されたり、競合店舗ができると売り上げが落ちたりする可能性もあります。コインランドリー経営を始めたい方は、今回解説したメリットとデメリットを把握しておくことが大切です。
コインランドリー経営を成功させるためには、立地選びと初期投資のバランスを見極めることが重要になってきます。収益のシミュレーションや市場の分析をおこなって無理のない安定した経営を目指しましょう。
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