ハンノキ滝
称名滝の右側に春から初夏の雪どけの増水時に現れる滝で、真夏や秋の渇水期には涸れてしまう。ネハンの滝、阿吽[あうん]の滝ともよばれる。この滝の最大落差は、増水時には500mに達し、称名滝以上の落差となる。称名滝と同じ滝壺に流れ落ち、称名滝とともにVの字を描く姿は壮観。
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称名滝の右側に春から初夏の雪どけの増水時に現れる滝で、真夏や秋の渇水期には涸れてしまう。ネハンの滝、阿吽[あうん]の滝ともよばれる。この滝の最大落差は、増水時には500mに達し、称名滝以上の落差となる。称名滝と同じ滝壺に流れ落ち、称名滝とともにVの字を描く姿は壮観。
標高3003m霊峰立山の主峰。浄土山、別山と共に「立山三山」と呼ばれる。登山は室堂ターミナルから遊歩道を進み、途中滑らないように雪渓を横断する。次第に傾斜も増してくるが、祓堂を見送ると中間地点の一ノ越。この先は、両手を使って岩をよじ登る箇所もある本格的な登山道となる。一ノ越から1時間ほどで雄山神社の社務所前に到着。最高地点は岩峰の先端で雄山神社峰本社が立つ。遮るものがない山頂からは、遠く富士山、御岳山、黒部川の源流など、展望がすばらしい。室堂ターミナル~雄山山頂往復約5.4km、上り2時間、下り1時間40分。
標高1000m前後にスギやブナの原生林が広がる美女平。樹齢1000年以上のタテヤマスギの巨木に樹齢数百年のブナの森の緑溢れる一帯は、「全国森林浴の森100選」にも選ばれている。オオルリ、キビタキなど60種以上の野鳥が生息するバードウォッチングのメッカとしても有名。美女平遊歩道コースは、伝説のタテヤマスギの大木「美女杉」がそばに立つ立山ケーブルカー美女平駅を起点に、3本のタテヤマスギが寄り添って立つ「不老樹」や「おんば杉」を巡る所要1時間の内回りコースから、所要約2時間30分の外回りコースまで3コース。林野庁の「森の巨人たち百選」選定の「仙洞杉」は、外回りコース途中の立山高原バスバス停ブナ坂から往復30分。
日本一の落差を誇る滝で、国の名勝・天然記念物。落差は350mで、上から70m、58m、96m、126mと4段に分かれている。エメラルドグリーンの水をたたえる滝壺は深さ6m、直径60m。この巨大な滝の豊富な水は弥陀ケ原から流れてくるもので、雪がとける春から初夏の頃が最も多くなる。立山を訪れていた法然[ほうねん]上人が迫力満点の滝の轟音のなかに、「南無阿弥陀仏」という称名念仏を聞いたことから、称名滝と名付けられたという。平成24年(2012)7月には、立山弥陀ケ原・大日平がラムサール条約湿地に登録された。
立山の代表的な紅葉スポット。室堂ターミナルからみくりが池やりんどう池を経て北へ進むと開けた地に出る。ここが奥大日岳や立山三山、剱岳などの登山基地としても知られる雷鳥沢。宿泊施設が2軒と雷鳥沢キャンプ場があり、9月下旬~10月上旬にはナナカマドの赤、ミネカエデの黄色、ハイマツの緑などカラフルな秋色に大地が染まる。
室堂平の西端、雄山を望む岩場に口を開けて並ぶ2つの洞窟。玉殿岩屋は立山開山伝説の聖地で、熊と白鷹を追って来た佐伯有頼[さえきありより]に、熊が阿弥陀如来に、白鷹が不動明王となって現れ立山の開山を命じた場所とされている。立山室堂が建設される前は、立山修験道の行者の宿泊に使用されたともいわれる。洞窟の天井は低く、奥行きも4m程度と狭く、小さな石仏が数体安置されている。すぐ隣にある虚空蔵窟と呼ばれる洞窟も同じように使用されたものといい、内部には石地蔵や十六羅漢が十数体祭られている。この2つの洞窟へは、滑りやすい登山道の下りなので足元に注意を。
立山連峰東面のなだらかな大斜面がタンボ平とよばれる。黒部平から全景が見渡せるが、より印象的なのはロープウェイからの眺めだ。ダケカンバ、ナナカマド、ミネカエデなどの落葉樹林が季節ごとに彩りをみせる。特に6月のみずみずしい新緑、10月上旬の鮮やかな紅葉は見逃せない。また、その年の気候によって冠雪と紅葉、緑の三段染めが見られることもある。
立山信仰の里、芦峅寺[あしくらじ]地区に鎮座。立山詣は岩峅寺[いわくらじ]にある雄山神社前立社壇[まえだてしゃだん]とこの祈願殿に詣でてから、雄山山頂の峰本社を参拝するのが習わしだった。かつては立山曼荼羅[まんだら]にも見られるような伽藍[がらん]が立ち並んでいたが、明治の廃仏毀釈[はいぶつきしゃく]で大部分の建物が破壊され、今は講堂が雄山神社祈願殿として残る。境内には立山を開山した佐伯有頼[さえきありより]公の霊廟もある。参道沿いの樹齢約500年のタテヤマスギ(天然記念物)の木立も見事だ。
立山黒部アルペンルートの最高所で、標高2450m。古くから山岳信仰の霊場として多くの修験者や信者が登拝してきた立山登山の基地だ。眼前に標高3003mの主峰雄山[おやま]がそびえ、剱岳や大日連山など3000m級の山々を望むことができる。室堂ターミナルを中心に散策道が整備されており、遭難者の供養塔や立山開山伝説の聖地「玉殿岩屋・虚空蔵窟」、立山信仰登山の宿泊・礼拝施設だった国指定重要文化財の「立山室堂」などの立山信仰の遺跡や、ミクリガ池やミドリガ池などの湖沼を巡ることができる。湖畔に花畑の広がる周囲630mのミクリガ池を周回するコースは約1時間。運が良ければ、散策中に雷鳥と出合えるかも。トレッキング前後には、立山断層破砕帯から湧き出る「立山玉殿の湧水」で喉を潤したい。
カール(圏谷[けんこく])とは氷河の浸食でできた谷状の地形で、スコップでえぐったような丸い底が特徴。雄山山頂の西側にある山崎カールは幅約400m、長さ約600mの小さな圏谷。明治38年(1905)、地理学者山崎直方[やまさきなおまさ]博士により日本で初めて発見され、日本に氷河時代が存在したことが証明された。圏谷内は立入禁止だが、エンマ台から眺めるとその形がよく分かる。昭和20年(1945)2月22日国の天然記念物に指定。
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