エアコンのカビを掃除する方法は?手順や注意点を解説

エアコンのカビを掃除する方法は?手順や注意点を解説

何気なく見上げたエアコンの送風口や、フィルターを掃除しようとカバーを開けてみたとき黒い点々が目に入ることはないでしょうか。エアコンに付く黒い点々はほぼ間違いなく「黒カビ」が発生していると考えられます。

エアコンにカビが発生したら掃除をして取り除くのが最善策です。しかし、エアコンの構造は複雑でなかなか奥まで掃除をするのは難しいものです。ここではエアコンに付着したカビを掃除する方法について手順や注意点を解説しています。

エアコンを使う本番を迎える前に、きれいな状態のエアコンにして、健康で快適な空間を維持しましょう。

エアコンにカビが発生する原因は

まずはなぜエアコンにはカビが発生するのかを理解して、カビが発生しにくい環境を整えることに気をつけていきましょう。エアコンは構造上、定期的に掃除をしないとカビが発生しやすい家電製品です。温度、湿度、エサとカビが発生しやすい状況が整っているのがエアコンでもあります。エアコンにカビが発生する原因について詳しく見ていきましょう。

快適な部屋の温度

エアコンは暑い日でも寒い日でも快適な空間を提供してくれる優れた家電製品です。労働安全衛生法に基づく衛生基準では、快適な温度・湿度に関して「温度17度以上28度以下、相対湿度40%以上70%以下」とするよう定められています。一方でカビは0度から40度の範囲で繁殖が可能ですが、最も繁殖しやすいのは25度から28度の間です。

30度を超える真夏日でも、氷点下になる真冬でも、エアコンが効いている部屋では快適にカビが繁殖する温度が保たれています。エアコンを使っていながら掃除もせずに放置すればカビはどんどん増える環境が整っているのです。

ホコリや汚れの多さ

食品などにカビが生えると、それをエサにカビが増えたのがよくわかります。カビは栄養があるとよく繁殖する性質も持ちあわせています。カビが増える栄養のなかにはホコリも含まれます。そしてエアコンは室内の空気を交換するために常にエアコン内部に室内の空気を循環させるため、フィルターなどにたくさんのホコリが集まります。

フィルターの掃除を怠って放置するとたちまちに黒カビが増えてくることがわかります。また、フィルターで取り切れないホコリや汚れが熱交換器となるアルミ製のフィンに付着して内部に黒カビが発生していることも多くあります。放っておくと奥の方で黒カビが繁殖してしまうので、1年から2年に1回は徹底した掃除がオススメです。

湿度の高さ

カビが生えやすい最大の要因は湿度にあります。カビが繁殖しやすいのは湿度が60%から80%です。エアコンは使用すると熱交換をする際に結露が発生します。結露はエアコン内部のドレンパンという受け皿からドレンホースを伝って外に排出されます。

しかし、連続して運転をしたり、掃除を怠ってドレンパンにホコリが溜まっていると結露による水がうまく排出されずに高い湿度の状態を保ってしまうこともあります。最新のエアコンは、使用後に送風運転を継続し本体内部の水分を乾かすよう工夫がされています。

掃除を怠ってドレンパンにホコリが溜まり過ぎると水漏れが発生したりするので気をつけましょう。

エアコンのカビを掃除するときの手順

エアコンのカビを掃除する時の場所ごとの手順について紹介していきます。メーカーや機種によって細かい掃除方法は異なりますので、説明書をよくみて掃除にあたりましょう。ここでは自分で掃除ができるフィルター、吹き出し口、フィンの3点について手順を紹介しています。

また、必ずコンセントを抜いてから作業をはじめましょう。可能ならエアコン部分のブレーカーも切っておくと安全です。

フィルターの場合

  1. 前面のカバーを上げてフィルターが見える状態にする
  2. 自動掃除機が付いている場合には取り外して、中のフィルターを取り外す
  3. 掃除機などでホコリを吸い出す
  4. 汚れがひどい場合には液体中性洗剤を溶かしたぬるま湯(30度~40度)で洗う
  5. 水洗いした後は軽く水切りをし、日陰でよく乾かす
  6. 外した時の逆の方法でエアコンにフィルターを取付ける

フィルターは目の細かいプラスチック製のものが多く使用されています。掃除機を当てる時にはフィルターを傷つけないように注意しましょう。持ち上げて吸うよりも裏に新聞紙などを当てて吸引する方がよくホコリが取れます。

水洗いの場合には温度が高すぎるとフィルターが変形する恐れがあるので、注意しましょう。また、汚れがひどい部分には歯ブラシなどやわらかいブラシを使用してやさしく取り除きましょう。

エアコンフィルターに黒カビが発生している場合には、専門の業者に依頼しましょう。基本的にはフィルターにはカビが発生しにくいですが、既にフィルターにカビが発生している場合には、エアコン内部全体にカビが発生していることが考えられます。

吹き出し口の場合

吹き出し口の掃除についてはメーカーでは自分で行わないように注意喚起しています。基本的には自動で吹き出し口の蓋が閉じるので吹き出し口を開けたまま掃除をすることは困難です。吹き出し口を無理に開けようとすると部品が壊れたり、ケガをする恐れがあるためです。

吹き出し口が容易に開けられる場合には固く絞った布巾で気になるところを拭きましょう。奥まで拭こうとすると内部の部品を傷つけたりケガをする恐れがあるので、手前の指の届く範囲にしましょう。内部を除いてカビが見られる場合には専門の業者に依頼して洗浄してもらいましょう。

吹き出し口を掃除する手順は

  1. 固く絞った布巾を用意する
  2. 吹き出し口を開いて汚れを拭う
  3. 汚れがひどい場合には中性洗剤を布巾に染み込ませて拭き取る

割箸などにウェットティッシュを巻き付けると奥まで掃除できますが、内部の機械部分を損傷する恐れがあるので注意しましょう。

フィンの場合

熱交換器となるアルミ製のフィンは非常に柔らかく、メーカーでも自分で掃除をしないように注意喚起しています。誤った方法で洗浄をすると、部品の破損による水漏れや 電気部品の故障などを引き起こします。最悪の場合は発煙発火につながるおそれがあります。

特に市販のエアコンクリーニング剤による洗浄についてメーカーで注意喚起がされています。フィンにホコリが溜まっていたり、カビが見受けられる場合には専門の清掃業者に依頼してきれいにしてもらいましょう。自分でフィンを掃除する方法としては、

  1. 掃除機にブラシを取付けてフィンのホコリをやさしく吸い取る
  2. 細かい場所は柔らかい毛足の長い歯ブラシなどで掃きとる
  3. 柔らかい布でやさしく拭く

これぐらいまでなら応急処置的にフィンの掃除としてできます。エアコンクリーナーを使用する場合には、性能によって養生の必要性や掃除の方法が異なるのでよく説明を読みましょう。自分でスプレーボトルに水を入れて洗い流そうとしても、水圧がないのでホコリは取れにくく、落ちてもさらに内部にホコリが溜まることが多いのでおすすめしません。

むしろ、電装部を適切に養生できないと故障の原因になります。エアコンの故障や事故は電装部品に薬品や水が入り込むことで起きています。業者は養生をして電装部分が壊れないように作業してくれます。

エアコンのカビを掃除するときの注意点

エアコンにカビが生えてしまったときの対処法として、カビを落とせばいいと素人考えで行動するとエアコン自体を壊したり、寿命を縮めることにも繋がります。よくあるエアコンにダメージを与える行動について3点の注意点を紹介していきます。

もし、思い当たる節があれば、早めに専門の業者かメーカーに問い合わせて点検が必要ではないか聞いておきましょう。

塩素系のカビ取り剤は使用しない

お風呂のカビ取りなどでよく目にするスプレー式のカビ取り剤があります。とくに塩素系は短時間でよくお風呂場のカビが落ちます。塩素は除菌だけでなく、色を分解して漂白する機能を持っているからです。しかし、よくカビが落ちるからとエアコンに使用するのはよくありません。

塩素系漂白剤の発する独特の臭いは非常に有毒な成分を含みます。エアコンに噴霧してしまうと塩素系漂白剤の成分が残り、独特の塩素臭がエアコンからしばらく消えなくなります。また、場合によっては残った成分で気分が悪くなるなどの症状が出ることもあります。さらに、そこに酸素系洗剤を混ぜてしまうとエアコン内で高濃度の塩素が発生し非常に危険な状態になりますので注意しましょう。

一方でエアコン内部の熱交換を行うフィン部分は何枚ものアルミの板が並んでできています。アルミはアルカリ系の液が付着すると腐食といってボロボロになったり錆の進行の原因になったりします。塩素系漂白剤はまさにアルカリ性の溶液で、エアコンの腐食の原因にもなります。

もし塩素系漂白剤を噴霧した直後であれば別のスプレーに水を入れて、フィルターを外した上でフィンに成分が薄まるまで噴霧しましょう。配線や電気系統に水がかかるとショートしてエアコン自体が壊れたりする危険性があるのでできるだけ撒き散らさないよう注意しましょう。

もし、既に何度か塩素系漂白剤を使用して掃除をしてしまっているようなら、一度メーカーに相談してみるのがよいでしょう。メーカーサービスが受けられない場合やどこに問い合わせたらよいかわからない場合には、エアコン掃除を扱っている業者に相談してみるのも選択肢の一つです。

内部のカビを取ることは不可能

エアコンの構造は非常に複雑です。メーカーでお手入れや掃除を説明しているのは、表面に近いフィルターやダストボックスの掃除です。フィルターの奥にある熱交換のフィンや、さらに奥の回転するファン、排水用のドレンパンなどはそのままでは手が届かない場所にあります。

それでも市販のエアコンスプレーには除菌や防カビを強調する商品が多数あり、スプレーすればカビが取れるようなイメージを持ちます。しかし、よく読めば掃除機でホコリを吸い、付着しているカビは布などでよく拭き取るように注意書きが見られます。これらは表面の汚れを洗い流し、菌の繁殖を抑える成分が配合されているもので、カビを除去するものではありません。

そのためエアコンスプレーの成分が内部の奥まで届いて洗浄効果を得られることは難しいです。また、誤った使い方をすると電気系統の故障に繋がるだけでなく、成分によっては電気系統に付着した成分が火災を引き起こした事例もあります。自身で内部のカビまでを掃除することは非常に困難なのです。

自動掃除機能に頼らない

エアコンフィルターのホコリが効き目に直結するため、メーカーではフィルターの自動掃除機能を搭載している機種が増えてきています。しかし、あくまでも自動掃除機能はメンテナンスを行った上で初めて機能するものです。自動掃除で溜まったホコリは自動で捨ててはくれません。

また、自動掃除機能が付いているのにダストボックスにホコリが溜まらない場合には自動掃除機能がOFFになっている場合があります。特にダストボックスにホコリが溜まらないのに、フィルターにホコリが溜まっている場合には、説明書を確認して自動掃除機能が働いているのか確認しましょう。

1カ月に1、2回は溜まったホコリを除去したり、フィルターを洗う、本体などを拭くなどのメンテナンスが欠かせません。特に自動掃除機能があるから掃除しなくてよいわけではなく、もちろんカビの発生を防ぐものでもありません。カビが見つかったら早めに専門の業者などに掃除を依頼するのが得策です。

エアコンのカビを発生させないための予防対策

エアコンのカビは発生してしまうと厄介です。放っておくと中まで入り込んで掃除しても取り除きにくくなります。エアコンは使い方でカビを発生しにくくする予防対策ができます。ここではカビの特性にあわせたエアコンのカビ発生予防策について見ていきましょう。

既にカビがあちこちに見えたり、運転時に臭いが気になるようなら専門の業者に依頼して一度エアコンをきれいな状態にするのも得策です。

使用後は送風運転を徹底する

カビの繁殖はエアコン使用後の湿気に大きく関係します。使い終わったらエアコンの内部をしっかりと乾燥させることが重要なのです。エアコンの内部を乾燥させるには、使用後に送風運転に切り替えてタイマーなどで30分から1時間程度は乾かします。

最近の機種では内部クリーンや内部乾燥などの機能もあるので、せっかく冷えた部屋の温度が変わらない工夫もされています。こまめに点けたり消したりするのは電気代もかかりますし、内部も乾燥しにくいので、避けたほうがよいでしょう。

湿度を低く保つ

夏場は湿度が高く、エアコンの結露もしやすいです。また、冬場は加湿器などで湿度を上げている場合や鍋などの調理で湿度が上がったりもします。窓を開けての換気や、除湿機をうまく利用して適度な湿度になるよう注意しましょう。窓が結露している場合などは、室内の湿度が高く、外気との温度差が高いことが考えられます。

窓を拭くなどして、結露を拭き取り、一度換気をするか除湿するなどで対策するとエアコンの結露も減ります。温度計だけでなく湿度計も置いて部屋の中を適切に保つとカビを防ぐだけでなく、快適な環境も整えられます。

カビが生える前に掃除する

カビは汚れている環境で増殖します。暑い夏や寒い冬には湿度が気になっても快適な空間を優先したい時もあります。1日や2日で大量にカビが繁殖することはほぼないので、定期的に掃除をすることでカビの繁殖は抑えられます。最低でも1カ月に1回はカバーを上げてフィルターの掃除をしてメンテナンスを心がけましょう。

エアコンのフィルターを掃除していても運転を始めた時に臭いが気になるようならエアコン内部でカビが繁殖している可能性があります。最近はエアコンクリーナーが市販されていますが、正しく使わないと成分によってはエアコンが故障したり、火災の原因になる報告もされています。

1年に1回でも専門の業者にエアコンクリーニングを依頼すると、しっかり内部のカビを落としてカビが発生しにくくしてくれます。

まとめ

エアコンは掃除を怠ると運転した時にまず臭いが気になるようになります。嫌な臭いがするようになったらカビがエアコン内部に生えていないかチェックしましょう。スマートフォンの動画機能でライトを点けながら内部を撮影するとカビの状況が見えたりもします。

エアコンのフィルターは月に2回、最低でも月に1回は取り外してホコリなどを掃除機で吸った上で水洗いするなどきれいに保ちましょう。自動掃除機能が付いているエアコンはダストボックスに溜まったホコリも忘れずに捨てましょう。ホコリを貯めたままにするとエアコンは効率が下がるだけでなくカビが繁殖しやすくなります。

こまめに掃除することでカビの繁殖を抑えましょう。掃除をする場合には説明書に従いましょう。無理に掃除をするとフィンを曲げてしまったり、故障や火災の原因にもなりかねません。自分で掃除できる範囲でやっていても臭いが気になるようなら、専門の業者に依頼してしっかり洗浄してもらうのが効果的です。

エアコンの掃除をしてくれる業者には

  • おそうじ本舗
  • ダスキン
  • くらしのマーケット

などがあります。専門の技術で高い洗浄力が期待でき、清掃後はカビが発生しにくくコーティングしてくれる業者もあります。ただし、あくまでも掃除を行うことを前提とした抑止効果なので、業者に掃除してもらったから、掃除をしなくても大丈夫な訳ではありません。

1度しっかり掃除をしてもらったら、定期的にメンテナンスを行っていきましょう。エアコンも長持ちしますよ。