新幹線特集:東海道・山陽新幹線 待望の新型車両N700系デビュー
N700系はココがスゴイ!
1)所要時間が約13分短縮
東京〜博多間で、これまでの700系での運転より、13分短縮されます(のぞみ52号の場合)。
・新大阪〜博多間
2時間23分で結ばれ、約8分短縮されます。
・東京〜新大阪間
2時間25分で結ばれ、現在より約5分短縮となります。
*500系と比べた場合、新大阪〜博多間の所要時間が同じため、新大阪〜博多間は5分の短縮になります(のぞみ1号の場合)。
2)加速性UP!
東海区間では、最高速度270km/hまで達するのに、従来の700系では約5分かかりましたが、新N700系ではになんと約3分!。加速性が向上しました。
3)カーブでも270km/hキープ
空気バネと新ATCを活用した、新幹線初の車体傾斜システムを採用しました。このシステムのおかげで、カーブでも減速せずに最高速度の270km/h(東海区間)で走行可能となります。
4)スピードUP
山陽区間の営業最高速度が従来の285km/h(700系)→300km/h(N700系)になり、スピードUPしました。
【まめ知識】
東海区間は、250km/hに減速して走行していたカーブが上下線で各60ケ所あり、これは全線距離の約1/3も占めているのです。
今回のN700は新車体傾斜システム採用により、このカーブでも減速しないため、減速→加速でかかる電力消費を19%削減(700系よりも)し、省エネに大きく貢献しているのです。

*新幹線初の車体傾斜システム。高精度の速度・位置情報(新ATC)を活用し、曲線部において、外軌側の空気バネを上昇。
*新ATC…高精度の速度位置情報を活用し、N700の優れた加速度性能や車体傾斜システムを効率よくコントロールする自動列車制御装置
【その他N700の改善】
・環境に優しい省エネ
走行抵抗を減らすため先頭形状を最適化し、車両も軽量化したことなどから、走行に必要な電力消費量が減り、省エネルギー化が実現しました。
また、車体傾斜システムの採用により、東海区間でのカーブ通過時の加減速を行う回数が減少することも省エネに寄与しています。
あの不思議な先頭の形は…、ワシが翼を広げた形に見えることから、「エアロ・ダブルウィング」型と呼ばれます。300km/h運転(山陽区間)に対応するために、先頭形状を最適化しました。
・全席禁煙です
受動喫煙の被害防止対策のため、車内を完全禁煙化します。
喫煙ルームは3.7.10.15号車のデッキに合計で6ケ所設置し、強制排煙装置と光触媒脱臭装置を備え、煙や臭いをおさえます。
◇ 3号車…2人用×2ケ所
◇ 7号車…4人用×1ケ所
◇10号車…3人用×1ケ所
◇15号車…3人用×2ケ所
ちなみに…東北新幹線では2007年3月よりに全面禁煙になりました。
現在、全面禁煙の列車は、「はやて」「やまびこ」「Maxやまびこ」「なすの」「Maxなすの」「とき」「Maxとき」「たにがわ」「Maxたにがわ」「つばさ」「こまち」「あさま」です。
・車内が静か
客室はもちろん、デッキも700系の客室レベルに静粛性が向上したため、デッキでの携帯電話の通話が快適になります。
車両間の連結部全周をホロで覆い、低音床材や装置の静音化を行いました。
・背面テーブルも広い
普通車 A4パソコンサイズに合わせ、縦25cm×横41cmに拡大しました。
グリーン車 縦30cm×横41cmに拡大、スライド式にし、手元まで引き出し可能になります。
・グリーン車がグレードアップ

座席は、リクライニングすると連動して座面も傾斜する「シンクロナイズド・コンフォートシート」を新たに採用しました。座り心地アップです。個別にLED読書灯、フットレスト、レッグウォーマーも備えてあり、自由に利用可能です。また、客室は上品な空間に仕上げ、デッキ、トイレや洗面スペースも含めて、高級感のある仕様になっています。
・車内テロップを大型化

表示パネル・文字サイズを拡大し、複数色での表示や、2段表示が可能になり、乗客への案内情報がわかりやすくなります。
・防犯カメラで安心監視
新幹線では初めて、セキュリティ強化の目的で防犯カメラを車内60箇所に設置します。(デッキ、運転室出入り口)
・多機能トイレ
車椅子でも利用できる、多機能トイレのスペースを広くとり、新幹線初の「オストメイト対応設備」を備えました。
・インターネット環境の充実 (2009年からサービス開始予定)
車内に無線LANのアクセスポイントが設置され、高速走行中でもインターネットに接続できるようになります。忙しいビジネスマンには朗報ですネ。
(写真提供:JR東海)
N700系現地リポート 高速コーナーの実力
「あと2分で、N700系が通過します」駅員の鉄道ファンへの粋なはからいだ。ホームに並んだカメラが一勢に下り線方向に向いた。城山のトンネル向こうから青白いライトがみえる。N700系だ。700系,500系のオレンジ色に輝くライトとは違う。数をかぞえる。1,2,3・・速い。700系の相対速度とは違う。この日、試乗車となったN700系は新大阪駅と東京駅を往復する。
東海道小田原駅の隣、鴨宮付近から約30kmに渡っては、かつて鴨宮モデルと呼ばれ、新幹線創業時のテストコースとして使われた路線だ。酒匂川を渡ると、約1.8kmで小田原駅に至る。小田原駅は下り方面に向かってホームが緩やかな左カーブになっており、ちょうどホーム中央付近が半径2500mから3000mの複合カーブとなる。小田原駅では後続車を先に進めるため線路は4列あり、追い越しする列車は、中央の線路を走る。線路は若干のバンクを持ち、小田原城下の城山のトンネルへと進む。
写真のように、500系、300系は線路のバンクに対して車輌の傾きはあまり感じられない。一方のN700系は先頭車両から、うしろ車両へと左側に車体が傾斜していくように見える。

東海道新幹線は、カーブが多い路線で、東京⇔新大阪間約500kmのうち、なんと約40%強はカーブ区間。さらに、全線の約23.0%(約120km)は半径2500mから半径3500m未満のカーブとされており、この小田原駅付近もそのひとつだ。
この区間、新幹線は255km/hへ減速する。このため新幹線は加速⇔減速の繰り返しを余儀なくされ、今以上の時間短縮は難しく、また、加速と減速を繰り返すことからエネルギーの消費も大きかった。
現行の700系でも、性能上、高速コーナーを270km/hで通過することは可能とされているが、遠心力が0.09Gを超えてしまい、乗員、乗客へ影響が出てしまうという。高速コーナーの遠心力により、立っている人の足元がふらつき、座っていても不快感があるとされ、高速で安全、且つ快適な新幹線であるために、JR東海とJR西日本は、決して乗り心地を犠牲にすることはしなかった。
今回のN700は、車体傾斜装置でこの問題をみごとに解決する。新幹線車輌として初めて採用された車体傾斜装置は。新幹線を制御するATC装置で得られた速度と位置情報を、各車輌に設けた制御伝送装置、車体傾斜制御装置に送り、カーブに差し掛かると車体を最大1度傾けるのである。これは、自動車でいうアクティブサスペンションに相当する機能で、モータースポーツの最高峰F1に採用されたことで有名になった。在来線では、振り子式と言われ、カーブの多い、日本特有の山岳地帯を高速で疾走するために採用されている。N700の車体傾斜装置は、N700の車体幅3360mmを、最大約5cm上昇させる。角度にして、たった1度だけ車体を傾ける。このたった1度の傾斜を得ることで、270km/hの高速コーナー運転を可能とした。車内への影響も、0.09Gを超えることはなく、乗り心地は700系より快適という。 これがN700の高速コーナーの実力だ。





