新幹線特集 500系のぞみの性能について

新幹線特集 500系のぞみ ラストラン

500系のこと

500系誕生時期

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500系新幹線は、山陽新幹線(新大阪〜博多間)の航空機に対するシェア奪還の使命を受け、目標最高速度350km/h、新大阪〜博多間を2時間以内という300系よりもさらなる速達化を目指し開発された。300km/h以上の営業運転での技術確立のため、試験車両「WIN350」により各種試験を実施し、1996年に第1編成が登場した。その後1年間の試験運転を経て、1997年3月から「のぞみ」として山陽新幹線で運行を開始。当時、世界最速となる。

300km/h運転を行った。次いで、同年11月からは東海道新幹線区間への乗り入れも開始した。最終的には1998年までの間に合計9編成(144両)が製造され、最盛期は1日8往復(新大阪−博多間の1往復を含む)が運転された。

デザインについて

500系のぞみデザインについて 駅探 500系のぞみデザインについて 駅探

500系最大の特徴の1つである斬新な車体形状については、ドイツのデザイン会社(アレクサンダー・ノイマイスター社)によるものである。空気抵抗を小さくまた、同時に「見た目の速さ」にもこだわって設計されたと言われ、その革新的なデザインは今なお色褪せることなく。多くの鉄道ファンから絶大な人気を得ている。
高速化においては環境問題との戦いの要素が濃く、トンネル微気圧波問題とパンタグラフからの騒音問題の解決に多くの技術が投入された。
トンネル微気圧波問題は、諸外国に比べ圧倒的に狭いトンネル断面へ、車両が突入する際に発生する圧縮波に伴う振動や騒音であり、野鳥のカワセミの頭部形状に似た形が採用され。
パンタグラフからの騒音については、パンタグラフにより気流が乱れ、その際、大きな騒音を発生する。これについても、従来のパンタグラフ形状とは大きく異なる翼型パンタグラフとし、フクロウの風切り羽をヒントにしたボルテックスジェネレーターも採用されている。

性能について

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最高時速300kmでの運転を可能にするため、0系以来である全電動車編成となった。
GTOサイリスタによるVVVF制御で4両1ユニットの構造としている。
連続定格出力285kW(量産編成では275kW)の電動機を搭載し、編成全体での出力は18,240kW(量産編成では17,600kW)と、日本の鉄道車両最強を誇る。(N700系の編成出力は17,080kW)高出力化と平行して低重量化も進められ、車体構造は、アルミ合金のハニカム構造を採用している。

これらの技術により編成重量は688tとN700系(同 715t)よりも軽量となっている。
これらの結果により、現在の営業用新幹線車両としては最速の速度種別(U49=10パーミル勾配での平衡速度が349km/h)を維持している。(N700系はU43=343km/h)

乗り心地、車内の特徴

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航空機に似た円形断面のボディから、頭上の空間が自分側に傾斜するため、やや狭い印象を受けがちであるが、着席にあたっては圧迫感を受けるほどではない。
窓回りは、従来のようなカーテンではなく、ロール式を採用。窓間のカーテン状の飾りとともにデザインに工夫がなされている。
特にグリーン車はほどよい囲まれ感があり、重厚な雰囲気が漂う。

技術的にも、セミアクティブサスペンション(先頭車、パンタ車、グリーン車に採用)や横揺れ防止ダンパーなどが装備され300km/h運転に向け、あらゆる面から乗り心地の向上が図られている。
また、500系はその先端部分(いわゆる「ノーズ」)」が15mと長く、客室の一部にまで及んでいるため、1号車と16号車では車内からもその「先がすぼまっていく」形状が判る。ちなみにこの部分は座席のうち、端部の2列は、荷棚の高さが十分確保されないことから、代わりに通路側に荷物置場が設置されている。

登場から14年が経過していることもあり、乗り心地はN700系のそれと比べて劣るという声も聞かれるが、山陽区間での300km/h運転時の音、揺れは、適度な速度感を体験できると私は思う。

鉄道史に残る?

その斬新なデザインから絶大な人気を誇る500系は、これまでに鉄道友の会ブルーリボン賞や、通産省グッドデザイン賞を受賞したことからも、高いデザイン性が裏付けられる。
「いちばんカッコいい新幹線」という子どもの声も多く、「のぞみ」から引退し、いずれ線路から姿を消しても、その功績は後世に語り継がれることであろう。

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500系の性能やデザインの紹介
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