新幹線特集　500系のぞみ　ラストラン フォーシーズン丸の内

実際、東京には数多くのホテルがあるけれど、これだけ新幹線をすぐ目の前に向かい合うホテルは、ほかにはまずないだろう。

4階のスィートルーム。リビングからつながるベットルームの向こう側は、丸の内のビル群と、山手線、京浜東北、東海道線、そして東海道新幹線が見える。天井から床まで一面のウインドウは、まるで鉄道パノラマのようだ。しかし、行きかう列車の音は遮音され、ルーム内は静寂。日常の中でいつしかなくしていた、そしてなくしたことさえ忘れていた感覚を、取り戻せた気もしてくる、それほど、静かで安らいでいて快適な空間。

そして、ベットルームの細いトンネルのようなユーティリティを抜けると一面ガラス張りのシャワールームにつながる。一段高くなったコーナーに西洋風のバスタブが置かれている。そして、レースのカーテンごしに見えるのは、東京駅新幹線ホーム。14番線から19番線まで、手に取るように見える。おそらく、このシャワールームからの眺めは、日本でいちばん贅沢な鉄道スポットであろう。鉄道ファンとは限らずとも「至福のとき」とは、まさにこのシャワールームからの眺望のこと。