本記事では、マッチングアプリで実際に起きた事件の手口や事例、対策方法を解説します。
マッチングアプリは誰でも気軽に出会いを探せるのが利点ですが、その分悪質な利用者が紛れ込みやすいのもまた事実。
あらかじめどのようなトラブルや事件が起きる可能性があるのかを把握し、対策することで思わぬトラブルに巻き込まれるリスクを回避しやすくなります。
この記事でわかること
- マッチングアプリがきっかけで起きた事件の実例を確認できる
- 事前にどのような事件・トラブルに遭う可能性があるのかを把握できる
- マッチングアプリで事件に遭わないための対策方法がわかる
マッチングアプリがきっかけで起きた事件を紹介
異性と手軽に出会いやすく、一般化しつつあるマッチングアプリですが、人同士が関わる以上、トラブルはつきものです。
国民生活センターが公開した「消費者問題に関する2022年の10大項目」にも、「SNSやマッチングアプリをきっかけに 詐欺的トラブル目立つ」が挙げられており、広く認知が進んだ分、一定数事件も発生するようになったと言えます。
ここでは、マッチングアプリがきっかけで起きてしまった過去の事件の事例を紹介していきますので、あらかじめ危険性は認識しつつ、安全に恋活・婚活をしていきましょう。
殺人事件

国内でもマッチングアプリをきっかけに出会った2人の間で殺人事件に発展したケースはいくつか存在します。
その実例を紹介していきます。
【2018年2月】大阪民泊バラバラ殺人事件
兵庫県に住む当時27歳の会社員の女性が、マッチングアプリで出会った26歳の米国籍男性に殺害されてしまった事件です。
男性は観光目的で来日し、関西地方の民泊施設を転々とする中、アプリを使って被害者女性とコンタクトを取りました。
当初男性は女性に対して「自宅まで会いにいく」と強引な姿勢を取っていましたが、女性は「自宅は無理だから」と自ら男性の元へ向かい、事件が起こってしまいました。
その後女性と音信不通になった家族が警察に行方不明届を提出。
防犯カメラの痕跡から、大阪府や京都市でバラバラに切断された女性の遺体が見つかり、その後の捜査によって男性は死体損壊・遺棄の容疑で逮捕されました。
ニュース名 | 大阪民泊バラバラ殺人 米国人容疑者が悪用し、女性を追跡したマッチングアプリの恐怖 |
サイト名 | AERA dot. |
出典元URL | https://dot.asahi.com/wa/2018030200014.html?page=1 |
【2019年9月】豊洲タワーマンション3歳児殺害事件
東京都に住むシングルマザーが、マッチングアプリを通して出会い交際していた男性に3歳児の息子を殺害されてしまった事件です。
男性は、シングルマザーの女性に対し「父親になる」と言葉をかけて誠実な男性を装っていました。女性はそんな男性を信用し、タワーマンションに息子を残して海外出張へ。
帰国後に女性を待ち受けていたのは、息子が集中治療室にいる姿でした。間もなくして息子は帰らぬ人となり、交際相手の男性とは法廷で対峙することに。
その後の警察の捜査によって、女性の息子の体からは男性から日常的に虐待されていた痕跡も発見されました。
ニュース名 | 苦しかったよね、リュウちゃん 3歳児亡くした母の悲痛 |
サイト名 | 朝日新聞デジタル |
出典元URL | https://www.asahi.com/articles/ASP454CFPP42UTIL02N.html ※全文を読むには有料が必要 |
【2022年1月】池袋ホテルパパ活殺人事件
独居老人の82歳男性が、マッチングアプリで知り合ったパパ活目的の24歳女性に金銭を奪われ殺害されてしまった事件です。
警察の捜査で、のちにパパ活にはその女性の元恋人とその弟も関わっていたことが判明しました。
手口としては、元恋人とその弟がアプリに女性として登録し集客し、その後女性をホテルに向かわせて金銭を受け取るというものでした。
3人は日常的にパパ活で金儲けをしており、被害者男性とは金銭トラブルがあったために殺害したと供述しています。
ニュース名 | 《池袋82歳“パパ活”殺人》「毎日違う娘をとっかえひっかえ連れて来るおじいちゃんも」 マッチングアプリに出会いカフェ、相場は1.5万円から…池袋“ジジ活”のリアル |
サイト名 | 文春オンライン |
出典元URL | https://bunshun.jp/articles/-/51733 |
性犯罪事件

マッチングアプリは、主に男女が1対1で出会うためのアプリであり、性犯罪事件が起こる可能性も否定できません。
ここからは、性犯罪事件の事例を2つ紹介します。
【2021年9月】新潟睡眠薬わいせつ略取事件
48歳の男性が、マッチングアプリで知り合った20代の女性に対して睡眠薬を飲ませ、ホテルでわいせつな行為をして逮捕された事件です。
男性と被害者の女性は、飲食店で出会いました。男性が女性の飲み物に睡眠導入剤を混入させ、抵抗できない状態にした上でホテルに連れ込みました。
この男性は同年に同様の手口で複数のわいせつ行為をしており、警察は余罪も含めて捜査中です。
ニュース名 | マッチングアプリで知り合った女性に睡眠導入剤を飲ませてわいせつ行為 48歳男を逮捕【新潟】 |
サイト名 | エキサイトニュース |
出典元URL | https://www.excite.co.jp/news/article/NST_013831/ |
【2020年11月】シングルマザーの娘にわいせつ行為
33歳の男性が、マッチングアプリで出会った40歳のシングルマザーの娘2人に性犯罪をはたらき逮捕された事件です。
男性はシングルマザーの女性と交際関係にあり、女性の娘の食事や入浴の面倒を見ることも珍しくありませんでしたが、その裏で隠れて娘に対して性犯罪を行っていました。
長女の体を触ったり、次女に下半身を触らせるなどのわいせつ行為のほか、その行為を動画で撮影してインターネットで販売するといった悪行をはたらいていました。
ニュース名 | シングルマザーの“娘”を狙うロリコン男が増殖。結婚契約のゲスすぎる中身とは? |
サイト名 | MAG2NEWS |
出典元URL | https://www.mag2.com/p/news/476655 |
窃盗事件

マッチングアプリで出会う相手は素性が分からない人場合がほとんど。隙を見せてしまうと、窃盗されるリスクも存在します。
ここでは、アプリがきっかけで起きた窃盗事件を3つ紹介します。
【2021年5月】30代女性ホテル現金窃盗事件
31歳の女性が、マッチングアプリを悪用して男性から現金を窃盗した事件です。
女性はアプリ内で「今から池袋で会える人はいませんか?」と投稿し、反応のあった男性とホテルに入室しました。
入室後は男性の隙をつき、現金を盗んで逃走。入室から窃盗・逃走まで約10分と短い時間の中での犯行でした。
池袋では同様の手口で20件程度の被害が報告されており、被害総額は100万円に及んでいます。
ニュース名 | マッチングアプリの「甘いワナ」窃盗に悪用した女2人逮捕 男性をホテルに誘い10分の“早業” |
サイト名 | FNNプライムオンライン |
出典元URL | https://www.fnn.jp/articles/-/185156 |
【2021年8月】置き去り窃盗事件
23歳の男性が、マッチングアプリで知り合った22歳の女性のバッグから現金2万4,000円を盗んだ事件です。
事件前日に知り合った2人は、男性の自宅で過ごしたあと、車でコンビニへ。
女性を1人でコンビニに行かせている間に車内にあった女性のバッグの財布から現金を窃盗。その後車で逃走してしまいました。
この男性は逮捕されましたが、同様の手段で過去に逮捕されており、マッチングアプリには偽名と嘘のプロフィールで登録していたことが判明しています。
ニュース名 | 「マスクしていないから…」女性“置き去り”男 財布から現金抜き取りドロン マッチングアプリ悪用も |
サイト名 | FNNプライムオンライン |
出典元URL | https://www.fnn.jp/articles/-/225604 |
【2021年7月】女子大生パパ活窃盗事件
19歳の女子大学生が、マッチングアプリで出会った37歳会社役員の男性から、1,300万円相当の腕時計を盗んだとして逮捕された事件です。
女性はマッチングアプリ経由でパパ活をしており、被害者の男性とは何度か会う間柄でした。男性とホテルに入り、男性がシャワーを浴びている隙に腕時計を窃盗し逃走。
女性の裏には、女性の知り合いの20代ホストが潜んでいました。ホストは腕時計が盗品であることを知りながら質屋に売った疑いで、盗品等処分あっせん容疑で逮捕されました。
なお、本事件の発生前には、同様の事件が約10件、総額3,500万円以上確認されています。
ニュース名 | パパ活の男性から1300万円の腕時計を盗んだ疑い 大学生を逮捕 |
サイト名 | 朝日新聞デジタル |
出典元URL | https://www.asahi.com/articles/ASP9K6KRJP9KUTIL040.html |
詐欺事件

マッチングアプリでは、言葉巧みに人を騙す詐欺師による事件も起きています。
ここでは実際にあった4つの詐欺事件をご紹介します。
【2021年4月】45股男の詐欺事件
自分の情報を嘘で塗り固めた39歳の男性が、マッチングアプリを利用して45股をし、多くの女性に対して結婚詐欺を行った事件です。
男性は、結婚を前提とした真剣な出会いを提供するマッチングアプリに登録。
数多くの女性と接点を持ち、結婚の意志があるように装っては「一生をともにする女性には、一生健康でいてほしい」と相手を騙し、高額で水素水を購入させるという手口で詐欺をはたらきました。
ある女性が被害についてネット掲示板に書き込むと、同様の被害を受けたという女性が数十人集まり、男性の詐欺行為が判明。
被害総額は把握されている限りで500万円以上と大規模な事件でした。
ニュース名 | 45股詐欺男“鉄板ネタ”は「象の調教師の資格持ってんねん」 |
サイト名 | 琉球新報Style |
出典元URL | https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-1312932.htm |
【2021年10月】高齢男性3億円詐取事件
27歳女性と50歳男性が共謀し、マッチングアプリで知り合った高齢男性40人以上から、総額3億円を騙し取った事件です。
被害男性の年齢は60代から70代で、中には5,000万円以上を騙し取られた人もいました。
犯行に及んだ男女は高齢男性の退職金を搾取する目的で活動。マッチングアプリで出会った後は「借金を返さないと仕事に復帰できない」と同情を買い、男性を誘惑しました。
一定の金額を受け取った後は別の理由を小出しにしていき、徐々に搾取する金額を大きくする手口を取っていたことがわかっています。
ニュース名 | マッチングアプリ使い3億円奪った27歳女 狙いは「高齢者の退職金」 |
サイト名 | NEWSポストセブン |
出典元URL | https://www.news-postseven.com/archives/20211015_1699225.html?DETAIL |
【2021年10月】暗号通貨詐欺事件
26歳の男性を中心とした50人ほどの犯罪グループが、アプリで出会った相手を対象に偽の仮想通貨に投資させ、詐欺をはたらいた事件です。被害総額は20億円にまで及びました。
犯行メンバーはマッチングアプリに偽のプロフィールで登録し、女性の声のするボイスチェンジャーアプリを活用して被害者に電話をかけていました。
被害者は甘い儲け話で存在しない仮想通貨に投資。中には5,000万円以上騙し取られた人も。犯行グループは、投資という名目でビットコインを受け取り換金していました。
男性はSNSに高価なブランド物を購入した写真を複数枚アップしており、詐欺で得たお金は自分の豪遊に全て使っていました。
ニュース名 | 《被害総額は20億円超》部屋には3000万円の時計がゴミのように置かれ、過去には運営事務所所属アイドル死亡で炎上も…「仮想通貨詐欺」で逮捕された夫婦の“異常な素顔” |
サイト名 | 文春オンライン |
出典元URL | https://bunshun.jp/articles/-/50063 |
【2022年2月】1億1,500万円結婚詐欺事件
マッチングアプリで知り合った女性に対して、総額1億1,500万円を騙し取る結婚詐欺をはたらいた事件です。
男性は女性をFX投資(外国為替証拠金取引投資)に誘い、自分の銀行口座に1億1,500万円を振り込ませました。
当初女性は男性から「結婚したい」と伝えられていたこともあり、詐欺だと気づくことができませんでした。
振り込んだ後に投資の配当が振り込まれないことを不審に思った女性が警察に相談し、事件が発覚しました。
ニュース名 | 結婚詐欺、36歳女性が1億1500万円被害 容疑の男逮捕、マッチングアプリで知り合う |
サイト名 | 京都新聞 |
出典元URL | https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/728723 |
ストーカー事件

最初は純粋な恋愛感情だったにも関わらず、愛情が歪んでしまいストーカー事件に発展するケースもあります。
最後はストーカー事件の事例を紹介します。
【2022年8月】34歳女性ストーキング事件
34歳無職の女性が、マッチングアプリを通じて出会った元交際相手の男性に対して、ストーカー行為をはたらき逮捕された事件です。
女性は男性の勤務先に計73回の電話をかけ続けました。男性は警察に相談し、警察から女性に対して電話をやめるよう警告していましたが、その後も電話が続いたため、ストーカー規制法違反で逮捕されました。
女性は好意を持っていた男性に無理やり別れさせられてしまったことが動機だと供述しました。
ニュース名 | 34歳女、元交際男性が勤務する会社に73回電話し逮捕 マッチングアプリで知り合う |
サイト名 | エキサイトニュース |
出典元URL | https://www.excite.co.jp/news/article/Real_Live_200233127/ |
マッチングアプリで遭う可能性がある事件

理想の異性と出会えている人々が非常に多いことを考えると、あなた自身が事件に巻き込まれる可能性は低いでしょう。
とはいえ、身近に潜む危険があることも確かであり、気をつけながらマッチングアプリを活用する必要があります。
ここでは、マッチングアプリがきっかけで巻き込まれる可能性が比較的高い事件について解説します。
性犯罪
性犯罪の被害の具体例としては、合意のない性交渉をさせられる、お酒や睡眠薬で酩酊状態にされた後わいせつ行為をされるなどが挙げられます。
また、シングルマザーの場合は子供への被害も報告されています。
性犯罪の犯行のほとんどはホテルや自宅などの個室で行われます。素性がわからない相手とは2人きりにならないよう配慮をしましょう。
窃盗
アプリ経由で起こる窃盗事件で盗まれやすいものの代表例には、現金やカード・腕時計などの貴金属があります。
相手にあなたの荷物を預けたり、貴重品を置いたまま相手を1人にする状況を作らないようにしましょう。
ホテルや自宅・車など人目につかない場所は特に注意が必要です。
窃盗は繰り返し同様の手口で行われることが多く、パパ活の男性が狙われるケースも多くなっています。
詐欺
詐欺事件では、特に結婚願望のある女性を狙った結婚詐欺や、多額のお金が手に入るなどうまい話で人を釣ろうとする投資詐欺があとを絶ちません。
また同情を誘うような言い回しで金銭を奪う詐欺も存在します。
ストーカー
ストーカーには、自宅まで押しかける、職場に何度も電話をかける、SNSで粘着するなどさまざまな手口が見られます。
状況証拠が残っていれば警察が動いてくれやすい事件ではありますが、対応しないと殺人事件に発展してしまうケースも。
トラブルが会った際には迅速に人に相談することが大切です。
その他
厳密には犯罪・事件には当たりませんが、マッチングアプリで被害に合う可能性が高い悪質行為2つについても紹介します。
勧誘
勧誘の種類は、マルチ商法や宗教勧誘、ビジネスへの勧誘などさまざまあります。中には金銭トラブルに発展するケースもあるため注意が必要です。
会ったばかりの時は交際を意識させるようなコミュニケーションをとるものの、ある程度親しくなってくると本当の目的であり勧誘を行ってくる場合が多いです。
勧誘自体は犯罪ではありませんが、詐欺被害にあう、気づかぬうちに犯罪に加担するなど大きな問題に繋がりかねません。アプリで出会った人からの出会い目的以外の誘いがあった場合には警戒しましょう。
美人局・ぼったくり
美人局(つつもたせ)とは、悪意を持った男女がペアとなり、そのうちの女性が被害者となる男性に接近し、言い逃れできない状況を作り上げた瞬間にもう1人の男性がその場に入ってきて、金銭などを要求する行為のことです。
また、ぼったくりとはバーなどで法外な料金請求を行い、「払えなかったら◯◯する」などと脅し、金銭を巻き上げる行為を指します。
いずれも脅迫が伴えば脅迫罪にあたる事件へと発展します。美人局は男性が被害に合う場合がほとんどですが、ぼったくりは男女ともに被害を受ける可能性があります。
マッチングアプリで事件に遭わないための対策

マッチングアプリで事件に遭わないための対策方法や気をつけたいポイントを解説します。
危険人物や事件に遭いやすい場所を避ける
事件に巻き込まれないようにするためには、トラブルに繋がりそうな人や場所を避けることが最も大切です。
具体的には、次のような点を意識しましょう。
- ・プロフィールやメッセージのやり取りから、相手がどんな人物かを見極める
- ・個人情報を安易に明かさない。特に自宅の住所は伝えないようにする
- ・いきなり2人きりになるような場所には行かない
- ・昼間に多くの人が行き交う場所で初デートする
- ・やたらと会おうとしてくる異性は避ける
一度事件に巻き込まれてしまえば取り返しがつかないことになります。
出会いたい気持ちで焦りすぎないよう、注意しすぎるくらいの意識でいるとよいでしょう。
事件が起きやすいアプリは使わない

一口にマッチングアプリと言っても、安全に対する取り組みはサービスごとに大きく異なります。できるだけ安全度の高いアプリを選ぶようにしましょう。
選び方としては、大手のマッチングアプリで本人確認のシステムや運営の監視体制が整っているものを利用するのがおすすめです。
個人で開発された安全性が保証されていないものや、年齢確認や本人確認がなく1人で複数のアカウントを作成可能なものは避けたほうがよいでしょう。
以下の記事では、安全なアプリの条件や安全性の高いおすすめのアプリを紹介しています。ぜひ参考にしながらあなたにあったアプリを選んでみてください。
マッチングアプリで事件に遭う確率は低いが注意は必要!
マッチングアプリは、気軽に理想の恋人を探せる便利な出会いの手段です。
しかし見ず知らずの男女が1対1で出会うため、思わぬトラブル・事件に巻き込まれてしまう可能性もゼロとは言い切れません。
利用前からリスクをしっかりと認識し、安全に活用することが大切です。