津和野城跡
「三本松城」「蕗城」ともよばれる津和野城は、鎌倉時代に吉見頼行が30年かけて築城した山城。当時は土塁だけであったが慶長6年(1601)に入城した坂崎出羽守が石垣を築き、出丸として織部丸[おりべまる]を増築するなど強化に努め、亀井氏に受け継がれた。建物は明治7年(1874)に取り壊され、現在は東門、天守台、出丸などの石垣が往時の堅固な城の面影を伝え、史跡に指定されている。一帯は木々に覆われて散策によく、秋はモミジの紅葉が美しい。
- 「津和野駅」から徒歩21分
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「三本松城」「蕗城」ともよばれる津和野城は、鎌倉時代に吉見頼行が30年かけて築城した山城。当時は土塁だけであったが慶長6年(1601)に入城した坂崎出羽守が石垣を築き、出丸として織部丸[おりべまる]を増築するなど強化に努め、亀井氏に受け継がれた。建物は明治7年(1874)に取り壊され、現在は東門、天守台、出丸などの石垣が往時の堅固な城の面影を伝え、史跡に指定されている。一帯は木々に覆われて散策によく、秋はモミジの紅葉が美しい。
安永2年(1773)、津和野藩主7代亀井矩貞[のりさだ]公が京都の伏見稲荷大社より勧請された社であり、日本五大稲荷のひとつ。稲成と表記されるのは、「成就」=「願いが成る」の意味が込められているためといい、五穀豊穣・商売繁盛・家内安全・願望成就などのご利益を求めて多くの参詣者が訪れる。山腹には成就御礼と御祈願のために奉納された約1000本の鳥居が九十九折れのトンネルとなり、朱塗りの社殿とともに美しい景観を造り出している。11月15・16日の例大祭のころは紅葉も見ごろ。
津和野藩主亀井家の藩邸跡に造られた公園。園内に藩主が祭礼を眺めたという物見櫓[ものみやぐら]が、御幸橋[みゆきばし]畔に馬場先櫓[ばばさきやぐら]が復元されている。八重桜が多く、4月上旬は花見客で賑わう。
津和野町出身の画家、安野光雅の美術館。漆喰の白壁に瓦を葺いた酒蔵のような外観が目印。館内は展示室のほか、昭和初期の学校の教室を再現した「昔の教室」や、安野作品をはじめとした絵本、美術書を自由に閲覧できる図書室などがある。津和野の四季折々の夜空を映し出すプラネタリウムも設置。また、自宅のアトリエもそのまま再現されており、ファン必見のポイントとなっている。玄関ロビーの壁面は、安野氏デザインの魔方陣タイルで装飾されている。所要1時間。
江戸時代の情趣を現代に伝える津和野のメインストリート。明治の文豪、森鴎外が少年時代に通った藩校養老館も現存している。6月は堀割に咲く花菖蒲と錦鯉のコントラストが美しい。
長年にわたり国内外で活躍している津和野出身の報道写真家・桑原史成氏の作品を展示する美術館。水俣病で苦しむ人々やソ連崩壊後の様子、韓国の現状など、激動する現代を写真を通して語りかける。平成26年(2014)に写真展「不知火海」(ニコンサロン銀座・大阪)で土門挙賞を受賞。所要30分。
応永27年(1420)に津和野城主吉見頼弘[よしみよりひろ]が創建した、歴代津和野城主の菩提寺。江戸時代は曹洞宗の西日本本山として栄えた。どっしりとした茅葺き屋根の本堂や経蔵、書院などの建物は、享保14年(1729)に再建されたもの。山門にかかる「覚皇山」の額は、明の帰化僧で水戸光圀[みとみつくに]に迎えられた心越[しんえつ]禅師の書だ。山門左手に森鴎外、本堂裏には大坂夏の陣で徳川家康の孫娘千姫を救出した坂崎出羽守の墓がある。
津和野には掘割の水を庭に引き込んでいる家が多い。なかでもここの店は裏の池に300尾もの錦鯉や真鯉を飼っており、「鯉の米屋」とよばれている。お願いすれば見学でき、餌も100円で買える。
津和野駅の西、乙女峠に立つ小さな聖堂。明治元年(1868)新政府はキリスト教を禁じ、長崎県浦上の潜伏キリシタン3400人余を全国22ヵ所に流罪とし、拷問により改宗を強制した。このうち153人が乙女峠の光琳寺[こうりんじ]跡に収容され、37人が殉教した。彼らの霊を慰めるため、昭和23年(1948)にドイツ人神父ネーベルが建てたのがこの聖堂。堂内には殉教者を描いたステンドグラスがはめこまれている。5月3日には乙女峠まつりが行われる。
津和野独特の赤瓦と白壁が美しい、江戸時代の筆頭庄屋の屋敷を修復した個人美術館。館内には津和野出身の画家・中尾彰[しょう]と夫人の吉浦摩耶の作品を展示している。太い梁が組まれた民芸調の広い展示室には中尾の連作『林の女人たち』、吉浦の200号の大作『セーヌの女たち』などが並び、スペインの画家、ゴヤの銅版画『闘牛技シリーズ』も見られる。また、美術館本館及び門は国指定登録有形文化財(建物)に登録されている。所要20分。
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