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能舞台
石炭の積出港として栄えた明治以降の隆盛が偲ばれる近代建築物などが点在する唐津の街。なかでも旧高取邸は、杵島炭鉱(佐賀県)などの炭鉱主として知られる高取伊好[たかとりこれよし]の旧宅で、約2300坪の広大な敷地に、居住スペースとしての居室棟と迎賓館的な役割を果たした大広間棟が立っている。明治38年(1905)に建設された大広間棟には、能舞台を設けるなど独特の造りとなっていて、邸内の各所には中国の故事や花鳥風月に題材をとった杉戸絵や、動植物を型抜きした欄間、七宝焼の引手金具など、意匠(デザイン)にも見どころが満載。