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世界文化遺産の「天草の埼津集落」天草市
天草諸島の下島南西部に位置する崎津。キリスト教禁教期に仏教、神道、キリスト教が共存し、漁村特有の信仰形態を育んだ集落として、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産となった。戦国時代には村人のほとんどがキリスト教徒で、江戸初期の禁教後、表向きは寺院や神社に属しながら密かに信仰を続けた。崎津、今富、大江、高浜で5000人以上が摘発された幕末の「天草崩れ」では、その数の多さと信心具の破棄により放免されたが、明治期の解禁後には多くの人々がカトリックに復帰。現在は崎津教会を中心に、庄屋役宅跡や諏訪神社などが残り、カケ(作業場)やトウヤ(路地)などのある特異な漁村景観は「天草市崎津・今富の文化的景観」として国の重要文化的景観に選定されている。※崎津の「さき」の字は、正式には山+竒。