若桜郷土文化の里内にある、元禄7年(1694)に建てられた茅葺屋根の建物。元は町内の吉川集落にあった庄屋の家で、古文書には819人の強力[ごうりき]が1年以上かけて完成させたと記録されている。内部は広間型三間取りで、囲炉裏が切ってある。鳥取県指定保護文化財で、「県民の建物100選」にも選ばれている。
若桜は氷ノ山[ひょうのせん](標高1510m)に近く、雪深い土地柄。そこで暮らしの知恵として、現在のアーケードともいえるカリヤ(仮屋)が生まれた。散策したいのは、カリヤがところどころ残るカリヤ通りと、それより1筋駅寄り、寺町沿いに白壁が連なる蔵通り[くらどおり]。「水にせかれて、ちょいと川に棲む」と野口雨情が若桜小唄に歌ったように、いたるところで流れの音が聞こえるのも魅力。古い町並みは若桜駅から徒歩約15分で一周できる。
若桜郷土文化の里内にある、明治40年(1907)建造の土蔵造、赤瓦葺の建物。若桜銀行、山陰合同銀行若桜支店の社屋として使用していたが、新社屋建造にともない昭和56年(1981)に現在地へ移築復元。館内には若桜町内の歴史資料や民俗資料を展示している。若桜町指定文化財で、「県民の建物100選」にも選ばれている。