天正9年(1581)、能登の領主となった前田利家は、七尾南湾に面した平山城の小丸山城を築城。奥能登方面からの攻撃に備えて真宗以外の各宗派29の寺を集めて、出城の機能をもたせた。妙観院や長齢寺など16カ寺が現在も残り、これら寺院を巡る遊歩道として整備されているのが「山の寺瞑想の道」。路傍に佇むお地蔵様、見え隠れする寺の甍[いらか]に導かれながら、四季折々の風情を見せる散策路をのんびり歩いてみたい。すべて回ると約2km、所要2時間。
七尾湾岸につくられた湯っ足りパークは、湯上り後の散策におすすめの公園。能登島大橋やツインブリッジのとを望むことができる絶景スポットで、遊歩道もあり、夜にはマリンランプが点灯し雰囲気がある。公園内には足湯の「妻恋舟の湯」も設置。万葉時代、能登の国司だった大伴家持の和歌に由来する屋形船を模した足湯で、一度に30人ほどが座れる浴槽に足を浸けながら、七尾湾や能登島の景色を眺めることができるが、当面の間休止中。
加賀藩の農村支配において重要な役割を果たした十村の屋敷。茅葺の表門は富樫家より拝領と伝わる。嘉永6年(1853)に能登を巡見した13代藩主前田斉泰の本陣をつとめ、主屋の内装は藩主を迎えた頃のすがたを留めている。加賀藩農政を支えた豪農の屋敷として、その面影を偲ぶことができる。国指定重要文化財。