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真田幸村公・隠しの湯の石湯
町並みがどこか長い歴史を感じさせる温泉地、別所温泉。その共同浴場(外湯)のひとつが石湯。立派な瓦屋根を持つ和風建築の共同浴場で、階段を下った半地下の浴室に天然の岩をそのまま使った湯船がある。名前の通り、岩の裂け目から豊富な湯が掛け流され、心地よさは格別。真田幸村の隠し湯ともいわれ、真田一族が英気を養い、傷を癒すのに利用した湯として知られる。池波正太郎作の『真田太平記』では、幸村が女忍者のお江[ごう]と結ばれた場所として描かれており、玄関そばの「真田幸村公隠しの湯」の票石は池波正太郎氏の筆だ。