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万延元年(1860)、最後の藩主・内藤頼直によって、高遠城内に開設された学問所。財政難で新たな建物の建設ができなかったため、城内三の丸にあった家老の空屋敷を改造して使用。藩士の子弟らは朱子学・漢学・医学・和学・算学・洋学などを学んだほか、馬術・剣術・柔術・砲術・西洋式教練なども行った。明治5年(1871)の廃止までに通算500人の生徒が学び、日本の近代化を担った多くの学者や政治家を輩出。現在も建物の一部が残り、聖廟には孔子ほか四聖人が祀られている。所要10分。
高遠湖の畔にあり、原始から近代に至る高遠の歴史、文化、人物などをテーマに展示している。立川流彫刻が美しい山車や高遠藩校進徳館の五聖像など貴重な文化財を見ることができる。敷地内には、徳川6代将軍家宣の側室に仕えた大奥大年寄の絵島が、絵島生島事件で高遠に流刑とされ、61歳で生涯を閉じるまでの27年間を過ごした絵島囲み屋敷を再現している。また、開花期の高遠城址公園の映像を鑑賞することができる桜シアターも備えている。所要30分。
地元在住の登内英夫氏が趣味で集めた数々の時計コレクションのうち、300点余りを展示している。18~19世紀のヨーロッパの時計を中心に、柱時計や装飾時計など、どれも個性豊かな時計ばかり。なかには天体・天候時計や二挺天符[にちょうてんぷ]台時計など珍しいものもある。毎正時には、館内すべての時計が鳴り響く。所要40分。
杖突[つえつき]街道への入口に立つ日蓮宗の寺。本堂の裏側には大奥で権勢を振るった絵島の墓標が静かに佇み、田山花袋や斉藤茂吉などの文人達がこの墓の歌を詠んだことで知られている。境内には昭和15年(1940)の絵島没後二百年忌に、絵島の生涯を偲んだ歌人・今井邦子の「向う谷に陽かけるはやしこの山に絵島はいきの心堪えにし」の歌碑がある。宝物館(要予約)には、絵島の遺品や検死問答書などを収蔵。シャクヤク・ボタンの花所としても有名だ。
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