
『形象46-「嵐」』 910×910mm/絹本、岩絵の具、水干、膠、胡粉/2025
水中に像を結ぶ墨の「縺れ」に命を見出す
和田宙土は、水中に落とした墨がほどけて溶けゆく間の刹那に結ぶ像を、日本画の素材・技法を用いて絵画で再構築する画家だ。これまで一貫して「縺れ」をテーマに命(芸術)を表現することを目指して作品を制作している。水中の墨が具象的な像となる一瞬が生まれては消える過程に、生命の始まりから終わりに通じる万物の理のようなものを感じ、それを絵画として残し永遠化することを自身が追求すべき目的と捉え、試みる。