家を売る方法と売却に必要な基礎知識

家を売る方法と売却に必要な基礎知識

具体的に家の売却では事前にどのようなことを知っておくとよいのでしょうか。この記事では家を売却する方法について解説します。あわせて事前に知っておきたい留意点や必要書類などについても紹介しますので参考にしてください。

家を売るとき事前に知っておくべきこと

家を売るときに事前に知っておくべきポイントはいくつかあります。ここでは6つのポイントについて解説します。自分の現状と照らしあわせながらしっかり確認してみてください。

売却方法は2種類

家を売る場合、とりあえず不動産会社に相談しようと考える人は多いのではないでしょうか。不動産会社を選ぶ前に知っておきたいのが家を売る方法です。家を売る方法は2種類あります。具体的には仲介と買取です。

仲介は、不動産会社に相談して媒介契約を結び、不動産会社に売却活動をしてもらって購入希望者を探す方法です。仲介の際に契約する媒介契約は、3つの種類があります。一般媒介系、専任媒介契約、専属専任媒介契約です。

それぞれに特徴がありますが、もっとも売却活動を積極的にしてもらいやすいのは依頼者が契約できるのはひとつの不動産会社になる「専属専任媒介契約」でしょう。ただし、専属専任媒介契約の場合、依頼者が自ら購入者を見つけても、直接契約・売却をおこなうことは制限されます。

仲介では比較的相場に近い価格や、市場価値が上がっていれば想定より高額で家を売ることができる可能性が高い点がメリットになります。ただし、売れるまでに時間がかかる点と売れ残ってしまい、値段を下げなければならない可能性がある点がデメリットです。

また、家が売れた場合には不動産会社に成功報酬として仲介手数料として「売却価格×3%+6万円+消費税」を支払わなくてはなりません。

買取は、購入希望者を探すのではなく不動産会社が直接家を買い取ってくれるシステムです。購入希望者を探す必要がないため、すぐに家を売りたい人にとってはメリットが大きいといえるでしょう。仲介ではないので仲介手数料を支払う必要もありません。

ただし、買取の場合は不動産会社が買い取ってリフォームして再売却するため、売却価格が相場の7割程度になるケースがほとんどです。すぐにまとまったお金が必要という人にとってはメリットがありますが、急いで売る必要がない人にとっては買取だと損をしてしまうことになるでしょう。

必要書類を揃えておく

家を売る前に知っておくべきことは、売却に必要な書類についてです。家を売る際には複数の書類が必要となるため、計画的に準備を進める必要があります。家を売る際に必要な書類は次のとおりです。

  • 住民票
  • 印鑑証明書
  • 実印
  • 本人確認書類
  • 登記済権利証・登記識別情報
  • 建築確認済証・検査済証
  • 固定資産税評価証明書
  • 地積測量図
  • 境界確定書

住民票や印鑑証明書は発行してから3カ月以内のものが有効とされます。有効期限が切れてしまうと取り直しをしなければならず余計な費用がかかってしまうため注意が必要です。実印は印鑑証明書に押してある印鑑が必要となるため保管場所をきちんと確認しておきましょう。

本人確認書類は、公的なものが必要です。可能であれば顔写真の入っている運転免許証やマイナンバーカードなどを用意できるとよいでしょう。ない場合は保険証などでも大丈夫です。

登記関係の書類は保管場所がわからなくなっている人もいるため、きちんと所在を確認して事前に整理しておきましょう。測量図や境界線確定書がない場合には測量をし直すための費用がかかるケースもあります。

いざというときに慌てることがないように、家を売ると決めたらまずは必要書類の確認からスタートしましょう。

仲介での売却は仲介手数料がかかる

家を売る方法は仲介と買取の2種類があるということはすでに解説しました。不動産会社の報酬は成功報酬であるため仲介手数料はあくまでも家が売れた場合に不動産会社に支払う費用です。媒介契約を交わす際に仲介手数料についての説明をしてくれる不動産会社がほとんどでしょう。

もしも説明がない場合にはこちらからしっかりと確認しておきましょう。仲介手数料は法律で上限が定められています。「売却価格×3%+6万円+消費税」この計算式で算出されるのが仲介手数料の上限価格です。

たとえば2,000万円で家が売れたとします。この場合の仲介手数料の上限金額は次のとおりになります。

2,000万円×3%+6万円+消費税=60万円+6万円+消費税=66万円+6万6,000円=72万6,000円

このように2,000万円で家が売れたからといって2,000万円すべてが手元に入るというわけではありません。そのほかにも手続きにかかる費用はあるため、家を売る場合も利益ばかりではないことを覚えておきましょう。

仲介手数料については無料の不動産会社もあります。ただ、本来もらえるお金を無料にしているのには何かしらの理由があると考えておいたほうがよいでしょう。両手売買で売主からも買主からも仲介手数料が入るため無料にしているという理由であれば問題ないですが、理由が曖昧な場合には注意が必要です。

仲介での売却では売れ残る可能性がある

家を売る場合、大半の人が仲介を利用するのではないでしょうか。仲介は不動産会社と媒介契約を結んで売却活動を行い、公的に購入希望者を探すため希望価格に近い金額で売却できる可能性が高くなります。

ただし、注意しておきたいのが仲介を利用したから必ず売れるという保証はないという点です。媒介契約は必ず家を売るという約束をする契約ではありません。そのため売却活動を行っても売れ残ってしまう可能性はゼロではないことを理解しておきましょう。

もしも最初からあまり売れる可能性がないと感じるのであれば、買取を利用するのもひとつの方法です。買取保証と呼ばれるシステムを採用している不動産会社もあります。最初の3カ月間は売却活動を行って3カ月経過しても売れなければ買取に切り替えるというシステムです。

これを利用しておけば万が一、売れ残っても価格は下がりますが不動産会社が確実に買い取ってくれるという保証があるため安心できます。ただし、期限を設けず気長に売却することを考えている人はできるだけ仲介を利用して少しでも高く家が売れるようにしたほうがよいでしょう。

家を売るときは税金がかかる

家を売ると大きなお金が入ってくるため、資金計画を経てて売却にのぞむ人もいるでしょう。ここで注意しておかなければならないのが、売却価格がすべて自分のものになるわけではないという点です。

たとえば3,000万円で家が売れたからといって3,000万円すべてが自分のものになるわけではありません。仲介手数料はもちろんですが、それ以外に不動産売却で課税される税金についても知っておく必要があります。不動産売却で課税される税金は譲渡所得税と呼ばれます。

譲渡所得税は、不動産を売却して利益がでた場合に課税る税金です。所得ではありますが給与所得などとは別で計算されるのが特徴になります。具体的な計算方法は次のとおりです。

譲渡所得税=不動産売却益×税率

不動産売却益は、売却額から家を購入した際に支払った金額と売却にかかった費用や諸費用を引いたときに出る差額のことです。差額がプラスになれば利益が出たとみなされて所得と扱われることになります。

不動産売却益に乗じる税率については、家をどれだけ所有していたかで数字が変動します。所有期間が5年以上の場合には20.315%、所有期間が5年以下の場合には39.63%です。

譲渡所得税でもうひとつ知っておきたいのは控除制度についてです。要件に当てはまれば税金を安くすることができる控除が用意されています。これを利用すれば手元に残るお金を少しでも増やすことができるでしょう。

具体的には次のような控除が利用できます。

  • マイホーム売却の3,000万円の特別控除
  • 10年以上居住したマイホームを売却する場合の軽減税率
  • 特定のマイホームを買い替えたときの特例
  • 相続した空き家を売却した際の特例

こうした特例の要件に当てはまれば大きな控除を受けることができ、支払う税金の額を下げることができるため、事前に内容をしっかりと確認しておきましょう。なかには併用可能な特例もあるため、ひとつに限らずさまざまなパターンを検討してみることをおすすめします。

利益が出たら確定申告が必要になる

家を売って利益が出たら税金が課税されるため、確定申告を行う必要があります。確定申告しないと譲渡所得税を支払うことができません。放置していると申告漏れで税務署から勧告が届く場合もあるため必要な手続きはきちんと行いましょう。

もしも利益が出なかった場合は納税の必要はありません。ただし、譲渡所得に関する特例や損益通算を利用する場合には確定申告は必要です。確定申告をすることでほかの税金を安くすることもできるからです。

たとえば家を売って損益が出た場合には、損益通算を利用して損した金額を3年間かけてほかの所得から控除することが可能となります。

家を売るときの流れ

家を売る際、事前に全体の流れを把握しておくとスムーズに売却までを完了することができるでしょう。次に何をすればよいのかを知っておくことできちんと準備ができるからです。

ここでは仲介の場合の流れと買取の場合の流れの両方について解説します。

仲介の場合

仲介で不動産を売却する時の流れをおおまかに示すと次のとおりになります。

  1. 不動産査定を依頼
  2. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  3. 売却活動の開始
  4. 内覧希望者の受け入れ
  5. 条件交渉
  6. 売買契約の締結
  7. 物件の引き渡し

仲介の場合は不動産会社と媒介契約を結んでからが売却活動のスタートになります。この際、どの不動産会社を選択するかでその後の流れが大きく変わるため、最初の不動産会社選びは慎重に行うことが大切です。可能な限り複数社に査定を依頼して信頼できる不動産会社をみつけておきましょう。

不動産買取の場合

不動産買取を利用する場合は、仲介よりも短時間で家を売ることができる点がメリットです。買取で不動産を売却する時の流れをおおまかに示すと次のとおりになります。

  1. 不動産査定を依頼
  2. 不動産買取をしている不動産会社を探す
  3. 選択した不動産会社の査定額を確認
  4. 条件に納得できたら契約成立
  5. 買取完了

このように仲介と比較しても買取のほうがスムーズです。そのため現金が手元に入ってくるまでにさほど時間がかからないのも特徴です。急いでまとまったお金が必要な場合に価格は少し下がりますが買取を利用するとよいでしょう。

不動産会社を選ぶときのポイント

仲介でも買取でも不動産会社と契約を結ぶ点では変わりありません。選択した不動産会社によって家の売却が成功するかどうかの大半が決定するといっても過言ではないでしょう。信頼できる不動産会社を選ぶことでスムーズかつ納得した売却が実行できる点を理解しておきましょう。

ここでは不動産会社を選ぶときのポイントについて3点に絞って解説します。

不動産会社の得意分野を確認する

不動産会社はたくさんありますが、それぞれ得意分野が異なります。仲介で売却する場合は仲介を得意とした不動産会社、買取で売却する場合は不動産買取を得意とする不動産会社を選ぶことでスムーズに家を売却できるでしょう。

査定を依頼する前に不動産会社の得意分野を確認しておけばムダな査定をする必要もなくなるため、事前の確認は重要です。

不動産会社を大手と中小で選ばない

不動産会社にも規模はあります。大手もあれば中小もあり、どちらを選んだらよいか迷う人もいるでしょう。わからないからなんとなく安心感のある大手を選ぶという選び方はあまりおすすめできません。不動産会社は規模ではなく、実績や情報量、対応の感触などを比較して選択しましょう。

大手はもちろん実績も豊富で安定感がありますが、地域に根差した情報を多く持っているのは地元の中小不動産会社であることが多いでしょう。自分が売りたい家がどのような条件であるかによって不動産会社をきちんと選択することが家を売るときの大きなポイントです。

無料一括査定サイトを活用する

優良な不動産会社をみつけるためには複数の不動産会社を比較することをおすすめします。複数の不動産会社に査定を依頼して、出てきた査定額やそのときの担当者の対応などを比較してみましょう。査定額は売却額とイコールではありませんが目安にはなるため依頼して損はありません。

忙しくてたくさんの不動産会社に足を運ぶことが難しいという人には、無料一括サイトの利用がおすすめです。無料一括サイトなら一度情報を入力することでまとめて複数社に査定を依頼することができるため便利です。

不動産を高く売却するためのポイント

どうせ売るなら少しでも高く売却したいというのが売却側の本音でしょう。不動産を高く売却するにはいくつかのポイントを抑えておく必要があります。ここでは不動産を高く売却するための3つのポイントについて解説します。

売却価格相場を事前に調べておく

家を売る場合にまず最初に行っておきたいのが、自分が所有している家の売却価格相場を調べることです。近隣の似たような条件の不動産がどのくらいの価格で売りに出されているのかを調べておきましょう。身近にある不動産会社のポータルサイトなどで検索すれば売却価格を調べることができます。

売却相場を知っておくことのメリットは、自分が所有している不動産がどれぐらいで売却できるかを知ることができる点にあります。また、仲介手数料、売却した時に支払う税金などがどのぐらいになるか概算できるので資金計画が立てやすくなるでしょう。

さらに、売却の際に無理な価格交渉に応じて損することもなくなるため、きちんと相場価格を理解しておくことは重要です。

売り出し価格は高めに設定しておく

家を売る場合、売り出し価格をどの程度に設定するかで悩む人もいるでしょう。早く売りたいから、売れ残るのが怖いからという理由で最初から低い価格で設定すると損をしてしまうこともあります。不動産の売却では価格交渉がつきものです。

値引き交渉があることを前提に、売り出し価格は高めに設定しておくほうがよいでしょう。値引きを受け入れても損をしない価格設定を不動産会社に相談しながら決めることをおすすめします。

5年所有してから売却する

家は5年所有してから売却することをおすすめします。たとえば、4年住んで売却するならもう1年待ってからのほうが税金の節約になります。家を売って出た利益に対して課税される譲渡所得税は、所有期間で変動します。変動のラインが5年です。

所有期間が5年以下の場合の税率は39.63%、5年以上の場合は20.315%が税率となります。節税のためにも可能であれば5年を超えてから家を売ったほうがよいでしょう。

まとめ

家の売却は想像以上に手間と時間がかかります。売却活動自体は不動産会社が行ってくれますが、内覧希望者の対応や書類の用意など、売主がやらなければならないことは多くあります。

家をよりスムーズに売るためには事前に準備しておくことが重要です。とくに売却価格に関わる点についてはしっかりと事前準備をしておきましょう。

たとえば査定依頼を出す前に自分で相場を把握しておくことも事前準備のひとつです。相場を把握しておけば不動産会社が提示した査定額が正当であるかどうかを判断することができるでしょう。不動産の査定は複数の不動産会社に依頼することをおすすめします。

無料一括査定サイトを利用すれば、一度の情報入力でまとめて複数の不動産会社に査定を依頼することができるため便利です。優良で信頼できる不動産会社を選択することも家をよりスムーズに売るために大切なポイントとなります。