天慶3年(940)創建の古社。鞍馬寺本堂へ至る参道途中にあり、鞍馬の火祭の舞台としてよく知られる。境内には樹齢800年と伝わる杉の巨木が立ち、霊気に満ちた気配が漂う。慶長15年(1610)に豊臣秀頼が再建した檜皮葺きの割拝殿(重要文化財)は、中央を石段がくぐっていて、その先に本殿がある。ずんぐりとした鎌倉時代の石造狛犬(重要文化財)も見逃せない。
秋には石川丈山作と伝えられる池泉回遊式庭園が色づき、書院から眺める紅葉風景は絶景。苔と紅葉の共演が楽しめる。
京の夏の風物詩・五山の送り火のうち「法」の字が描き出される東山の麓にあり、都七福神の一つである大黒天を祭る。開運招福や家内安全などを願う庶民の信仰が篤く、60日に一度の甲子祭、毎月1・15日の月例祭は賑わう。