メタボリックシンドロームを慶應義塾大学/医学部・内科[佐藤 誠剛]先生が解説します。

メタボリックシンドロームとは?

メタボリックシンドロームセルフチェック

メタボリックシンドロームの背景と原因

メタボリックシンドローム予防と対策

専門医からのアドバイス

メディカル駅探トップページ

私が監修しています

先生の写真

佐藤 誠剛 先生

[Masataka Sato]

慶應義塾大学
医学部 内科

■専門
消化器疾患/肝臓疾患/生活習慣病/働く人の健康管理

■所属学会・資格
Member of The American College of Physicians/日本内科學会認定内科専門医/日本消化器病學会認定医/日本肝臓學会認定専門医/労働衛生コンサルタント

病院検索

駅名を入力してください

メタボリックシンドロームとは?

メタボリックシンドロームとは?

メタボリックシンドローム【Metabolic Syndrome】(別名:内臓脂肪症候群/マルチプルリスクファクター症候群)とは、コレステロール値や血圧、血糖など、個々の検査データはそれほど悪くないものの、要注意の項目が複数ある状態を指します。

中高年がかかりやすい生活習慣病である「糖尿病」「高血圧症」「高脂血症」は、それぞれ単独でもやっかいな病気ですが、これらの病気がたとえその各々の程度が軽いものであっても重複すると動脈硬化を促進し、さらには致命的な心筋梗塞や脳梗塞などを起こしやすいことが分かっています。

メタボリックシンドロームの人は、心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクは通常の方に比べ約3倍も高くなります。

日本版メタボリックシンドローム診断基準

メタボリックシンドロームの背景には肥満があるので、世界一の「肥満大国」でもある米国ではこの問題に対応するため、2001年にメタボリックシンドロームの診断基準を発表しました。

この米国コレステロール教育プログラム(NCEP)による診断基準と1999年にWHOが作成した診断基準は、メタボリックシンドロームのほぼ国際基準となり、日本でもこれらを参考に日本肥満学会、日本糖尿病学会、日本動脈硬化学会など8学会が合同で日本版メタボリックシンドローム診断基準づくりが進められました。


肥満の中でも、特に内臓の周りに脂肪がついた内臓脂肪型肥満は、糖尿病や高脂血症、高血圧などの生活習慣病とより関係が深いことが知られており、日本の診断基準では、内臓脂肪の蓄積をメタボリックシンドロームのカギとなる存在と位置づけたのが特徴です。

なぜ今多くのメディアで取りざたされているのか?

放っておけないメタボリックシンドローム

最近このような事例が増えているのを御存知ですか?

57歳・会社員(男性)の例

・職場健診で血圧・コレステロール値・血糖値がやや高いと指摘されていたが、薬を飲むほどではないと言われていた。

・このところの不景気で人が減らされ残業で夜11時過ぎに帰宅後、夕食と晩酌をしてから、風呂に入り寝ることが多い。

・最近体重が増えてきてベルトがきつくなってきた。

【直近の職場健診データ】
・BMI(体格指数):24.2
・ウエスト:94cm
・血圧:140/88
・コレステロール:226mg/dl
・中性脂肪:178mg/dl
・HDL-コレステロール(善玉コレステロール):40mg/dl
・空腹時血糖:112mg/dl

<BMI(体格指数)の目安>
18.5未満=やせている
18.5〜25未満=標準
25〜30未満=肥満
30以上=高度肥満

先週日曜日朝から寒い日であったが、約束のゴルフに出かけたところ、プレー中に胸が苦しくなり倒れ、救急車で病院に運ばれたが、そのまま死亡が確認された。

この会社員の方のケースのように、内臓肥満や高脂血症、高血圧、高血糖は、がんのようにすぐに特別な治療が必要なわけではありませんが、放っておけば心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳梗塞(のうこうそく)などを引き起こす危険があることが原因となっています。

メタボリックシンドロームによる国家財政問題

体重増加は経済負担も増やすので、国家財政的な問題もあります。

米カリフォルニア州の調査によると、同州の成人の半分以上が肥満のため、医療支出や生産性の低下などにより2005年の経済損失が年間280億ドル(日本円で約3兆335億円)に達するとの試算をしています。

かつては健康的なイメージが強かったカリフォルニア州でしたが、過食に加え、完全な車社会による運動不足のため、肥満化が急速に進んでいる現状です。

不健康な生活習慣=高額な医療費

我が国の社会保険庁の調査研究でも健康診断で「肥満」「高血圧」「高コレステロール」「高血糖」という生活習慣病の4つの「予兆」を指摘された人は、「異常なし」の人に比べ、10年後の医療費が3倍以上かかることも報告されています。

高血糖とされた人の半分近くが10年以内に糖尿病になったことも判明し、厚生労働省は「運動や食事で生活習慣病を予防すれば中長期的に医療費を減らせることが裏付けられ、今後、健診結果に基づく保健指導を充実させたい」と言っています。

他にも生活習慣病などのリスク要因とされる「喫煙」「肥満」「運動不足」の3つ全部に該当する人は、全く該当しない人に比べ医療費が4割余り高くなることや、不健康な生活習慣が医療費全体に与える影響は4、5兆円規模になるとも言われており、年間30兆円を超える国民医療費の削減に向け、生活習慣病対策が焦点の1つになっています。

このページのトップへ