アトピー性皮膚炎について慶応義塾大学 医学博士 [海老原 全]先生が解説します。

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海老原 全 先生

[Tamotsu Ebihara]

慶応義塾大学
医学部 皮膚科
医学博士

■専門
アトピー性皮膚炎/接触皮膚炎

■資格
皮膚科専門医

■所属学会
日本皮膚科学会/日本臨床皮膚科医会/日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会

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アトピー性皮膚炎について

アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎は、持続するかゆみ、左右対称にみられる皮膚の炎症、皮膚の乾燥を特徴としています。特に、顔や首、ひざやひじの裏に湿疹ができやすく、全身に広がることもあります。強いかゆみや、睡眠の乱れにより、日常生活に支障をきたします。

アトピー性皮膚炎の原因は完全にはわかっていませんが、多くの患者さんが、アレルギーを起こしやすい体質であり、肌が乾燥しやすい体質であることが知られています。そのような体質と、環境や食べ物、ストレスなどの要因が組み合わさって、アトピー性皮膚炎につながると考えられています。

アトピー性皮膚炎イメージ
アトピー性皮膚炎の発症時期について

アトピー性皮膚炎は、大多数は乳幼児期に発症します。幼児・小学生では、10%前後の子供がアトピー性皮膚炎といわれます。年を取るごとに治っていくことが多いですが、今は昔に比べて、年をとっても治りにくく、いったん治まっても再発する人が増えてきたと言われています。

大人になってから発症する人もわずかながらおり、発症から治癒までの経過を一人一人みると、個人差が大きいことがわかっています。

患者さんの多くは、喘息やアレルギー性鼻炎など、他のアレルギー性疾患を併せ持っています。アメリカの学会によると、アトピー性皮膚炎の患者さんの50%以上が喘息を発症し、75%がアレルギー性鼻炎を患っているといわれています。

合併症を引き起こす原因にも

アトピー性皮膚炎の患者さんは、皮膚のバリア機能が低下しており、感染しやすくなっています。また、黄色ブドウ球菌などの常在菌がひっかき傷で増え、悪化の原因となっています。

特に気をつけたいのは、細菌やウィルス感染による合併症です。小さい水疱が広範囲に急に多発した場合は、ウィルスの一種の単純ヘルペスウィルスによる感染症である、カポジ水痘様発疹症(カポジすいとうようほっしんしょう)などのおそれがあるので、早めに皮膚科を受診しましょう。

目の合併症である白内障(はくないしょう)や網膜剥離(もうまくはくり)にも注意が必要です。顔にアトピー性皮膚炎の症状がある患者さんは、眼のまわりをたたいたりかきすぎたりしないよう、顔の湿疹は落ち着かせる必要があります。定期的に、眼科専門医よりアドバイスをもらいましょう。

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